今月号のリチェッタは、“ズッパ・ディ・ペッシェ”特集号ですが、よりによって最初の1
品が、ヴィアレッジョのパンコットでした。
素朴で質素で見た目があれなズッパ・ディ・ペッシェの中でも、特に残念なズッパですが、
パンコットとは逆に、国際的に人気なのはマルセーユのブイヤベース。
マルセーユ。
ズッパ・ディ・ペッシェもフランスで作ると、ここまでこじゃれた洗練されたズッパになる、というお手本のような料理。リチェッタの日本語訳は(CIRP.27)。
パンコットの見た目が離乳食だと思った人、正解です。
ヴィアレッジョ風パンコット。
これをマルセーユのブイヤベースと比べるのは、ちょっと不公平と感じるので、アドリア海を代表するズッパ・ディ・ペッシェ、ブロデットをどうぞ。
味は抜群なのに、見た目は本当に残念。外見の美しさに重きを置くイタリア人の料理とは思えない姿だけど、これがイタリアのズッパ・ディ・ペッシェ。つまり見た目より味を優先させると、ダシを取ったあとの骨も全部入ったごった煮のズッパになっちゃう。ブイヤベースみたいに皿に盛り付けたあとは何も手を加える必要がない。美味しいブロデットごと皿に注げば出来上がり。
アンコナ風ブロデット。
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ズッパ・ディ・ペッシェは海辺の町ならどこにでもあるけど、最初に食べたときのカルチャーショックの大きさが、イタリアのズッパ・デイ・ペッシェの印象になって残るはず。
私は手をぎとぎとにしながらマルケのビーチリゾートのトラットリアで仲間たちとにぎやかに食べたブロデットの濃厚な味が深く舌に刻まれました。
そのせいで、フランスのブイヤベースが超洗練されたおしゃれな、キラキラ輝く料理に見えますが、マルケの漁師風のブロデットが大好きになりました。
ところで、このパンコットを今月の(CIR)ではかなりご馳走風な1品に仕上げています。その方法は、大きな車エビやスカンピをズッパの上にでーんと盛り付けて、パンをほとんど見えなくしていること。
盛り付けという点では、もう一つのリチェッタ“パンと水”のパンコットも、パンの形を大きめの角切りにしてゴロゴロ野菜と同じ大きさにしているので、離乳食感は消えて、野菜たっぷりのご馳走スープ風になっています。
次回はリチェッタを紹介しているフランスのズッパをもう一品紹介します。
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