2023年9月28日木曜日

肉とアンチョビとバターが北の組み合わせなら、南はアンチョビとモッツァレラ。

リミニとガルファニャーナの間を結ぶ“ゴシックライン”は、古代ローマとガリアの文化圏。
イタリアを北と南に分ける線で、牛や豚の飼育が普及していた地方、つまり動物性脂肪が広まっていた地方の境界線でもあります。
植物性脂肪は地中海沿岸地方の食文化でした。古代ローマの動物性脂肪の一例は、イベリア地方発祥のガルムgarum。そしてロンバルディア人など蛮族に好まれたグラナチーズやバター、そして農村部にポレンタやパンと一緒に広まったラードなどが代表的。
バターは20世紀半ばにロンバルディアやミラノの貴族の間に広まりました。農家のバターは脂肪分が多く、麦わら色。露店で売っていました。一方、商店で売っている街のバターは脂肪分が少なく、白いバターです。ミラノのバターを味わえる料理は、“リゾット・アッラ・ミラネーゼ”や“コトレッタ・ミラネーゼ”

リストランテ・アイモ・エ・ナディアのアレッサンドロ・ネグローニシェフのサフランのリゾット。

ミラノ風リゾットは、サフランとバターだけでなく、牛の骨のブロードも使う料理。
バターをリゾットに混ぜ込む方法は、マンテカーレ。

クラウディオ・サドラ―シェフのコストレッタ・ミラネーゼ。
像の耳タイプの薄く広げるコストレッタは子供が好きだと言ってますね。アルタ・クチーナでは、広げない分厚い肉が好まれます。

アンチョビばかり見ていたので、これだけがっつりの肉料理はなんだか久しぶり。
肉とバターは当然ながら相性抜群。南の食材なら、モッツァレラやブッラータもアンチョビと相性がいいはず。
(CIR7月号P.32)のリチェッタ、“モッツァレッリーネのトマトとアンチョビ風味”は、アンチョビとそのオイル、りんご酢、ミントとバジリコのソースをモッツァレッリ―ネ・フィオルディラッテとミニトマトにかけたサラダ。

アンチョビ入りモッツァレラ・イン・カロッツァ。

これも一種のコトレッタですが、植物油で揚げます。

プーリアのパンツェロッティもモッツァレラの詰め物なのでアンチョビを入れても美味しいはず。

・小麦粉350g、セモリナ粉150g、EVオリーブオイル20ml、生イースト1/2.キューブ、砂糖大さじ1、ぬるま湯300ml(少しずつ加える)をこねてまとめ、ボールに入れる。打ち粉をして十文字のクープを入れ、覆いをして最低2時間発酵させる。
・詰め物を作る。モッツァレラ500g、トマト600gを小さく切って混ぜ、2時間水気を切る。塩、こしょう、おろしたチーズ一握りを加える。
・生地をガス抜きして50~60gずつに15個丸める。天板に並べて乾かないように布をかけ、30分発酵させる。
・生地を麺棒で薄く伸ばし、中央に詰め物大さじ1をのせて半分に折る。詰め物の周囲の空気を抜きながら閉じる。
・たっぷりのピーナッツ油で両面を揚げる。

次回はアンチョビの肉のソース。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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ブッラータはプーリア以外の地方の定番料理にもよく合います。コクとフレッシュさが同時にあるこのチーズは、成功するマーケティングを研究した魔法使いが生み出したようなチーズ。

今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の食材の記事は、“ブッラータとモッツァレラ”。 リチェッタも数品紹介されています。 1品目はブッラータのジェラート。 純白のジェラートで、見た目はとても美しいのですが、残念ながらブッラータのジェラートの動画は見つからなかったの...