2023年9月11日月曜日

質素な料理ほど、食材は吟味せよ、ただし貪食の罪には問われない程度に。


(CIR/7月号)のリチェッタ、次の記事は“パンと水”です(生地の日本語訳は、P.21~)。
イタリア人にとって、“パンと水”と言えば=修道士。

羊飼いと修道士は、イタリアの生活と深く結びついているのに、日本では知りようのない未知の世界。
私も、以前ローマで、教会で造っているリキュールが欲しくて、教会の売店のようなところに迷い込んだことがありました。確かバチカンが舞台の映画『天使と悪魔』の聖地巡礼というなんともミーハーな目的で訪れたのでした。そこには神父さんか誰か聖職者がいて、私のような観光客の相手をしていました。この時の会話が、生まれて初めての神父さんとの会話でした。ちょっと構えていたのですが、とても愛嬌のある陽気な人で、聖職者のイメージが根底から覆されました。

修道女の料理、野菜とパンコット。

ムール貝が大好きだったフェルディナンド1世は、魚のズッパにムール貝をたっぷり入れたら七つの大罪の一つ、貪食の罪に問われて、ムール貝をもっと安い貝に変えて作ったという言い伝えが残されているほど、贅沢は敵、だったのですね。
そんな聖職者にぴったりだったのが、質素の極み、パンと水の料理です。記事ではパンコットを始めとする、質素で地味な料理をおいしくする手法が紹介されています。
まずいえることは、質素な料理ほど、食材は吟味せよ、ということ。ただし、ムール貝は贅沢すぎる、というかなりシビアな条件です。
1品目のパンコットは、ミニトマトやオリーブといった他の食材とパンを同じ大きさにして、離乳食感を消し、ゴロゴロ具材が美味しそうな料理にしました。

次はパンツァネッラです。ビネガーとオイルで調味するトスカーナのパンとフレッシュな野菜のサラダ。
トマト゜が新大陸から伝わる前から他の野菜で桜れていたバリエーションが豊富な料理。
でも、その見た目から、今一つゴージャス感が薄い料理。今月のリチェッタでは、これにほくじたブッラータをトッピングしました。

パンツァネッラはトスカーナの伝統的農民料理。夏に作る料理。各家庭ごとに自慢のリチェッタで作られている。

ブッラータなどパンツァネッラのトッピングのバリエーション。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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ブッラータはプーリア以外の地方の定番料理にもよく合います。コクとフレッシュさが同時にあるこのチーズは、成功するマーケティングを研究した魔法使いが生み出したようなチーズ。

今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の食材の記事は、“ブッラータとモッツァレラ”。 リチェッタも数品紹介されています。 1品目はブッラータのジェラート。 純白のジェラートで、見た目はとても美しいのですが、残念ながらブッラータのジェラートの動画は見つからなかったの...