2020年12月28日月曜日

キアンティとシエナの争いを解決した方法は、マキャベリズムのわかりやすい実例。

キアンティはイタリアワインの中で、最も世界的知名度が高いワイン。
その産地は、アメリカ人に溺愛されました。
多分、外国人は殆ど知らないけど、アメリカ人の間ではとても有名なのが、パンツァーノのコンカ・ドーロConca d'Oro Panzano in chianti。
憧れのトスカーナの姿が広がっています↓

パンツァーノのヒーローは肉屋のダリオ・チェッキーニ。
食べた人の幸せホルモンをどはどば出す本物の肉食系↓

キアンティはフィレンツェとシエナの間の長さ70kmに渡る細長い地方。
フィレンツェとシエナの間には歴史的な領土争いがありました。
このアンティ地方を有名にしたのは、ワインと、この領土争いの解決方法。
キーワードはマキャベリズム。

聞いたことはあるけど詳しくは知らない言葉だよね。
でも、キアンティを例に説明すると、かなりわかりやすくなります。
つまり、どんな卑怯な手段でも、大義のためなら許される、というルネサンス期に生まれた考え方で、これを信じていたのがルネサンスが花開いた街、フィレンツェです。
その際に生まれたのが、キアンティのトレードマーク、黒い雄鶏gallo neroの由来に関する話↓


フィレンツェとシエナの境目を決める方法は、鶏の鳴き声を合図に双方から出発した騎士が出会った場所を境界線とする、というもの。
大切な役目を担わされたのは、フィレンツェの黒い雄鶏とシエナの白い雄鶏。シエナは鶏に美味しいものを食べさせてリラックスさせてぐっすり眠らせました。
一方フィレンツェは、何も食べさませんでした。黒い雄鶏は空腹でイライラしていました。
そして早朝に鳴き出したのです。
当然ながら、フィレンツェの騎士は先に出発し、ゆっくり眠ったシエナの雄鶏は遅い時間に鳴き、騎士は出遅れました。
その結果、フィレンツェはシエナの壁より12kmも外側に領土を広げたのです。
その時得た領土がキアンティ地区です。
黒い雄鶏のマークを誇らしげに掲げるフィレンツェのワイン畑を眺めるシエナ市民の心の内は、煮えくり返っていたかも。



には、キアンティとフィレンツェ料理の本も。

オステリエ・エ・ジェンティ・ディ・フィレンツェ・エ・キアンティ





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寿司と刺身以外のイタリアンの生魚料理は、カルパッチョにタルタル程度。やっぱり生魚料理は日本料理の象徴。

昨今の世界中での寿司の流行には、生魚を食べる習慣が広まったということが根底にあります。 という訳で、寿司や刺身以外の生魚が初役の外国の料理は、他にどんな料理があるのでしょうか。 思い浮かばない・・・。日本人て生魚食べる割には、外国の生魚料理全然知らない。 日本料理の独壇場なんです...