2020年12月11日金曜日

子羊肉じゃなくて卵とリグーリアの発酵させない生地、パスタ・マッタが主役のトルタ・パスクアリーナ。

今日のお題はトルタ・パスクアリーナtorta pasqualina。
パスクアの時期(春)になると毎年登場するお馴染みのリグーリア料理。
私はパスクアの時期にリグーリアに行ったのに食べそびれて、大後悔しています。
その頃は、この料理が春やキリストの復活を祝う大事な料理だとは思いもせず、おしゃれなパイ、ぐらいに思っていました。
トルタ・パスクアリーナ↓

総合解説」のリチェッタは2019年3/4月号P.23です。

この料理の魅力は、切り分けると見える鮮やかな黄色い卵と、薄くてサクサクの生地。
卵は身近にある再生の象徴で、復活祭の主役の一つ。もう一つの復活祭の象徴、子羊肉より手に入りやすいお手軽な食材だけど、トルタ・パスクアリーナは、それをとても効果的に使っている料理。具の他の食材、青菜とリコッタも復活祭の定番食材。
さらに特徴なのは、生地。
この料理はパイではないので、パイ生地じゃない。
今月の「総合解説」では、リグーリアのトルタトをもう1品、紹介している。
P.16のプレブジュンのトルタだ。
その際に、このトルタの生地は、リグーリアのトルタのベースの生地、という話が出ています。
その生地というのは、いわゆるパスタ・マッタpasta matta、発酵させない生地です。
発酵の技術はエジプトで生まれたそうですが、エジプトは、ユダヤ人にとっては、長い奴隷生活を強いられた地で、モーゼに率いられてユダヤ人がこの地から抜け出す物語は、
ハリウッドも大好き。↓

ユダヤ教ではエジプトを脱出した時にパンを発酵させる時間がなかった。
その結果できた発酵させないパン、マッツァーを過ぎ越しの祝いで食べて、
エジプトを脱出したときのことを忘れないようにした。
という訳で、発酵させる、させない、というのは、宗教的な意味合いまであったのでした。


そういえば、リグーリアの発酵生地といういい本がありました。

なぜわざわざ発酵生地というのか、ちょっと気になったけど、リグーリアでは発酵させない生地が主役になりがちだったのですね。

ズッキーニのトルタ・サラータtorta salata di zucchine

材料
《パスタ・マッタ》
00番の小麦粉・・250g
タイム
塩、こしょう
ビネガー(生地に弾力を出す)・・15g
室温の水・・130ml
EVオリーブオイル・・30g

・生地の材料を混ぜ、台でこねる。ボールに入れてラップで覆い、15分休ませる。
・エシャロット35gのみじん切りを油20gで5分ソッフリットにし、パンチェッタの小角切り160gとズッキーニ600gの輪切り、塩、こしょうを加える。火を弱め、蓋をして10分蒸し炒めにして冷ます。
・パスタ・マッタを薄く伸ばしてバターを塗ったパイ皿に敷き込み、余った生地を取り除く。
・冷めたズッキーニとパンチェッタを入れ、
・卵4個、塩、おろしたパルミジャーノ50g、スカモルツァ・ドルチェの小角切り120gを混ぜて詰め物にかける。
・200℃のオーブンで30分焼く。

仕上げに卵とチーズを加えるリチェッタはまるでカーチョ・エ・オーヴェですね。


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