(CIR11月号)の今月のワインは、“コッリオ”です。
コッリオのワインの話には、ちょくちょくあるワインの名前が登場します。それは“トカイ”です。名前は聞いたことあるけど、ワインは見たことないという、ちょっと不思議なワイン。
それもそのはず、このワインはハンガリーの有名ワイン。貴腐ワインです。
なぜか産地のトカイとその周辺にもこの名前が使う習慣があって、かなり広まっていたようです。ところがEUの規定で名称の使用が禁止され、コッリオのトカイはフリウラ—ノという名前に代わりました。
ハンガリーのトカイ。
コッリオのフリウラ―ノ。
フリウリはイタリアの中でも独特な文化と歴史があるとても興味深い地方。隣はスロベニア。フリウリの州都のトリエステは、オーストリア・ハンガリー帝国の雰囲気が色濃く残っていて、とてもエキゾチック。初めて足を踏み入れたのはかなり昔ですが、その時のカルチャーショックは、まだ覚えています。イタリア中をバックパックで巡っていた貧乏学生にとっては、イタリアで初めて体験するオーストリア・ハンガリー帝国の雰囲気。イタリアでもマイナーな州なのに(ゴメン)、なぜかコージャスで、すべてが映画の舞台みたいにキラキラ輝いてドラマチックでした。有能な作家なら、傑作の一つや二つ、すぐ生み出しそうな街。
イタリアの魅力は、この多様性。一つの国に様々な国の影響が残っています。
トリエステとアーストリア・ハンガリー帝国。
(CIR)のワインの記事には、必ずワインの産地の名物料理とワインの組み合わせが提案されています。コッリオの場合、組み合わせる料理はラザーニャ、豚肉と栗のパイ、季節の野菜のフリッタータ。
料理とワインの組み合わせに、その地方独特の地方料理と食文化の理解は欠かせません。
ストラーダ・デル・ヴィーノとフリウリ料理
スペイン、ギリシャ、アラブ、フランスあたりがイタリア料理にもっとも大きな影響を与えた異国文化。スラブというキーワードが登場するのはこの地方ぐらい。
フリウリの名物の一つ、サン・ダニエーレの生ハム
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