2025年3月28日金曜日

派手な盛り付けまでが、ナポリの象徴的貴族料理、サルトゥ。フランス人料理人モンズ―がシチリアからナポリに伝えた料理。

今日のナポリのクリスマス料理は“サルトゥ・ディ・リーソsartù di riso”


ナポリのサルトゥ・ディ・リーソ。


この料理はナポリのもっとも象徴的なスペチャリタ。上質の食材を使って庶民が作りだした料理だが、その本質は質素。にもかかわらず、様々な材料を使う手の込んだ派手な盛り付けの料理で、王様の料理とも言われる。
ブルボン朝のフェルディナンド1世の治世、つまり18世紀の貴族料理でありながら、ナポリの伝統料理として認められている。

ブルボン王朝のフランス人の料理人、モンズ―が両イタリア王国(シチリア王国とナポリ王国が統合されてできた国)の首都、ナポリに伝えた洗練された得意料理、ティンバッロから生まれた料理。
その語源はsourtous (copri tutto/すべてを覆う)という意味。
シチリアのティンバッロは、アネッリという指輪型の小さなパスタを使い、ティンバッロという型に詰めるパスタのティンバッロ。
全体をなすの輪切りで覆います。



ティンバッロに米を取り入れたのが、モンズ―の功績。
米はスペインからアラゴン王国経由で伝わっていましたが、風味の少ない食べ物で、胃腸が弱い人向きの食べ物と見なされていた。サルトゥがイタリア全国的に広まらなかったのは、一説には、トマトがなかったからだろうと考えられている。トマトが入らない米のサルトゥは、サルトゥ―・ディ・リーソ・イン・ビアンコと呼ぶ。

下の動画はシンプルにスフォルマ―ト・ディ・リーソ・イン・ビアンコと呼んでいる。


単純に型に詰めて形をつけるだけでは、サルトゥ―ではない。
モンズ―の料理には、驚きや見た目の奇抜さが要求される。

結果的に、材料から見た目まで、とてもナポリ人好みの料理になったんですね。

ナポリ料理の研究家、ルチアーノ・ティニャタロの本、『リチェッテ・ディ・ナポリ

には、“べズビオ風サルトゥ・ディ・リーソ”という料理のリチェッタが載っています。トッレ・デル・グレコのポエタ・べスピアーナという店のリチェッタだそうです。
面白そう。

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