2025年3月4日火曜日

秋の森の恵みの代表は、パンの樹、と呼ばれる栗。

今日のお題は(CIR11月号)の今月のパスタ。
11月のパスタは“栗のパスタ”。

まずは栗の話。
2011年11月号の『総合解説』には、『サーレ・エ・ペペ』誌の栗についての記事がありました。
それによると、
「ニョッキ、ズッパ、ミネストラ、さらにフリッテッレ、カスタニャッチョといったドルチェと栗は、イタリア中の伝統料理で使われていて、50年代まで、森で暮らす人々にとって栗は欠かせないものだった。
詩人のパスコリは栗のことを「パンの樹」と呼んだ。
多様な顔を持つ栗は、田舎料理と洗練された美食のどちらにも使われる」
「大きな栗はマロングラッセや、赤肉や白肉の付け合わせになる。ゆでてピューレにすればトルタ・サラータのベースや、モンテビアンコなどのドルチェになる」
「栗はイタリアの森に遥か昔から生えていた。アペニン山脈からカラブリアまで、イタリアの森の環境にとてもよく適合し、どこでもすくすくと育った。特にカンパーニアを中心に、カラブリア、ラツィオ、ピエモンテ、トスカーナに多く見られる。
イタリアの栗の総生産量の50%はカンパーニア産だ」
とあります。
「今でもイタリアはヨーロッパで最大の、世界では3位の栗の産出国だ。数の上だけでなく、イタリアには数多くの品種が存在する。その中でも12品種はヨーロッパでも上質の栗として知られている
一般的にマッローニmarroniとは大型の栗(カスタ―二ェcastagne)のことを指す」
そうです。

イタリアはヨーロッパで最大の栗の産出国で、50%はカンパーニア産、とは、かなり意外。

田舎の栗料理の典型、カルダッロステCaldarroste。

栗の収穫

カスタ―ニャとマローネの違い。両者の違いを説明する動画はたくさんあります。イタリア人はみんな知ってるのでしょうか。

基本的にはマッローネは楕円形で皮が薄くて筋があり、渋皮はむきやすい。丸ごとのごろっとした実が必要なローストの付け合わせに適している。工場での加工にも向いていて、マロン・グラッセ、カンディート、ラム酒漬けやグラッパ漬けに加工される。
カスタ―二ェは丸みを帯びた形で皮が厚く、渋皮が実に食い込んでいてむきにくい。皮をむいて水や牛乳でゆでてミネストラ、ヴェッルタータ、詰め物、コンフェットゥーラなどに使う。干し栗や栗の粉にも使う。

ローストポークのカスタ―二ェ添え

出典は『総合解説』2011年11月号に載せた『サーレ・エ・ペペ』の記事。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

[creapasso.comへ戻る]

=====================================


0 件のコメント:

ヴァッレ・イザルコ地方の人たちが全てを捧げるトルゲレン。

今週は栗の話をしてますが、アルプスで最も広大な栗の森があるのがヴァッレ・イザルコ地方。海に囲まれているイタリアは、夏は地中海沿岸のリゾート地が主役ですが、秋はアルプスです。 ヴァッレ・イザルコ 初心者のためのトルゲレンの解説 初心者向き解説2。まずトルゲレンの前にトレッキング。 ...