こてこての地方料理であるあんず茸のクレーマを、現代風な料理にするには、どうしたらよいでしょうか。
ズッパは、素朴で質素な地方料理、“おばあちゃんの料理”の典型的なもの。
伝統料理としてのきのこのクレーマ(リチェッタはCIR10月号P.2)は、きのこのトリフォラートにブロードを加えて煮込む、という料理。ズッパはとろみのついたブロードが特徴な料理。主役の食材がきのこなため、ズッパにとろみをつけるために使われるのは、じゃがいもの澱粉です。
典型的なおばあちゃんの料理ですが、忘れ去られつつある料理でもあります。
多分、味は抜群なのに、見た目がいまいちなごった煮料理で、若い人にはあまりささらないかも・・・。
ナポリの名物料理、“パスタ・エ・パターテpasta e patate”もそのバリエーションの一つ。
パスタと野菜の組み合わせと言うこの料理に関しては、様々なバリエーションがありますが、よそ者がうっかり軽率なことを言えないほど、ナポリのプライドが詰まった料理。
じゃがいもの澱粉だけでなく、ブローボラなどのパスタ・フィラータチーズのとろみも加わってます。
ナポリ風パスタ・エ・パターテ・ノンナ版。
さて、これをモダンにしたのが(CIR/10月号P.3)のリチェッタ、“アンズ茸のジェーロ”です。つまり、alla gelatina ことゼリー寄せです。写真を見ても分かる通り、かなりシュッとした1品になってます。でも、こればブロードをゼラチンで固めたわけではありません。リング型に詰めて固めた姿は、かなり繊細で洗練されてに見えますが、固めているのはコーンスターチです。さらに、ブロード・ディ・カルネの代わりに野菜のブロードで煮れば、ベジタリアン料理になります。見た目はかなり今風な、洗練された料理ですが、おばあちゃんの温もりはあまり感じられないかも・・・。
ナポリのパスタ・エ・パターテは、今風にしたい、なんてこれっぽっちも考えてない料理。
下の動画は星付きシェフにこの料理を作らせると言う画期的な企画。グランシェフたちはどんな料理にするのでしょうか。じゃがいもの量でけんかになってるwww。最高のじゃがいものパスタに関するうんちくもすごいなあ。ナポリに親戚はいないけど。田舎の家でおばあちゃんと友人のおばちゃんが作ってるみたい。
おまけの1品、パスタとカリフラワー、ナポリ風。
パスタの残りを集めておいたミックスパスタが入ると、とたんにすごくナポリ風。
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