アジアーゴの話から、続いてお題は、おろして使うチーズについて。
おろしてつかうチーズというと?
もちろん、500種類あると言われるイタリアチーズのトップ、パルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノです。
つまり、硬質チーズはイタリアの典型的なチーズなのです。
硬質チーズを使いこなすには、その長所を知らなくては。
おろして使う硬質チーズは、料理にコクと複雑な味わいを与え、パスタやリゾットを白く覆い、オーブンで焼けば香ばしい色がつきます。
シンプルな料理ほど、使うチーズによって味が変化します。なので、チーズのタイプや熟成具合などを料理に合わせて適切に選ぶことが大切。
それともうひとつ大切なのが、今さらですが、あらかじめおろしておかない、ということ。乾燥したり余計な香りを吸い込まないようにするためです。
レストランでおろす前のチーズが出てきたら、チーズの熟成具合やメーカーを客が確認することができるので、好感が持てる行為、とみなされます。
イタリアのチーズ。
つまり、硬質チーズは、パスタやトマトと同じくらい大切なイタリア料理を構成している要素です。硬質チーズの造り方は、イタリア料理の基礎知識。
上の動画では数々のイタリアチーズの名前が挙げられていますが、今回注目したいのは、その製法です。
イタリアのチーズのトップはパルミジャーノとグラナ・パダーノ。グラナと呼ばれるポー河沿岸のチーズたちです。そして次はゴルゴンゾーラ。“パスタ・クルーダ”から造られるチーズです。一方、グラナは“パスタ・コッタ”から作られます。
さらに南伊のリコッタ、カプリーノ、ペコリーノといった羊乳のイタリア発祥のモッツァレラやカチョカバッロなどの“パスタ・フィラータ”チーズがあります。
パルミジャーノ、グラナ・パダーノ、そしてペコリーノ。いずれもパスタ・コッタの製法で造られる硬質チーズです。
パスタ・コッタのチーズ。
チーズにはパスタ・クルーダpasta cruda、パスタ・セミコッタpasta semicottaパスタ・コッタpasta cottaの3種類あります。
カード(凝乳cagliata)は細かく砕いたり、加熱することによってホエイを失います。パスタ・コッタは水分を出したカードから造るチーズで、長期間の熟成が可能です。
20ヵ月熟成させたものには溶けたバターのミルク香やフレッシュフルーツのアロマが感じられます。熟成が進むにつれてこれらの要素は少なくなり、スパイス香やくるみなどのドライフルーツの香りが強くなる。生地はよりもろくなり、チロシン(アミノ酸)の結晶ができる。味はバランスが取れ、口溶けがよく、風味が持続する。
パルミジャーノの大使として知られるのは、パルミジャーノと同郷で故郷の食文化の普及に力を入れているイタリアを代表するアルタ・クチーナのシェフ、マッシモ・ボットゥーラ。
『マッシモ・ボットゥーラ・パルミジャーノ』
パルミジャーノの料理にも情熱を注いでる。
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