2023年7月6日木曜日

プーリアのロゼワインのブームの次は、赤のネロ・ディ・トロイア。昔はモンテプルチャーノで弱めていたやんちゃな品種。

(CIR4月号)から、プーリアの食文化の話です。日本語訳は(CIR4月号P.30
~)をご覧ください。
海外や都会からの観光客に、典型的な南イタリアの姿が大ヒットして、観光地として一大ブームになったプーリア。最初は、典型的な地中海の暮しを求めていた人々は、やがてもっと知られていない場所、もっと経済的な場所、もっと田舎、もっと本格的な食文化を求めるようになりました。
プーリア料理で言うと、それまではチーメ・ディ・ラパのオレッキエッテを求めていた観光客が、カネストラート・プリエーゼやカポコッロにも注目しだすようなものです。
チーメ・ディ・ラパのオレッキエッテ。

カネストラート・プリエーゼ。山羊の全乳のハードチーズ。

マルティーナ・フランカのカポコッロ。
プーリアの最高のサラミ、最も有名なカポコッロと言われてます。

アルベロベッロからバスで頑張って行ったのに、そんなおいしいカポコッロがあるなんて全然知らなかった。一口食べたかったなあ。

マルティーナ・フランカはきれいなところでした。

大好きなのはパーネ・ディ・アルタムーラ。ムルジャ地方のセモリナ粉の生地を薪のかまどで焼くパン。香ばしさと柔らかさが何日も続く。パンの概念を変えるパン。

プーリアは観光業だけでなく、ワインも大きく変わった。



そのきっかけはイタリアでも最高と言われるロゼワイン。
私も普段はロゼは滅多に飲まないのに、プーリアではなぜかロゼばかり飲んだ。
完全にプーリアのロゼの魔法にかかってました。

プーリアからローマ経由で日本に戻る時、うっかりローマでロゼワインを注文して大後悔。
ロゼの魔法が溶けてしまった。

プーリアのロゼが見直されるきっかけになったのは、レオーネ・ディ・カストリスのファイブ・ローゼス。


質より量の時代から抜け出したプーリアのワインは、ロゼの次は、プリミティーボやネグロアマーロなど赤が注目された。最近注目の品種は、丈夫でタンニンが強く、使いこなすのが難しいネロ・ディ・トロイア。



ネロ・ディ・トロイアはプーリアの赤ワインとなる代表的な土着品種の一つ。バリの北で栽培されている。歩留まりの良い丈夫な品種で、タンニンが強いため使いこなすのは難しいと考えられていた。伝統的にはモンテプルチャーノとブレンドして弱めて使う。100%このぶどうでワインができるようになったのは研究が進んだ最近のこと。2011年に決まったプーリアの新しい2つのカステル・デル・モンテDocg、カステル・デル・モンテ・ロッソ・リゼルバ(最低65%)とカステル・デル・モンテ・ネロ・ディ・トロイア(最低90%)のベースの品種でもある。

記事でプーリアの象徴的料理として取り上げていたのは、米、じゃがいも、ムール貝のティエッラ。


お薦めはチコーリアとソラマメ。
チコーリアとの出会いは言い換えれば地中海の野菜との出会い。きっとカルチャーショック。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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