今日は(CIR5月号)の地方料理から、“ガルム―ジャ・ルッケーゼgarmugia luchese”(日本語のリチェッタはP.41)です。
ルッケーゼと言うからにはルッカの料理。そしてルッカはオリーブオイルで知られるトスカーナの街。
ここまでは基本情報。でも、ガルム―ジャという名前は、あまり聞いたことないのでは。
ルッカLucca。
聞いたことのない料理でしたが、どんな料理かというと、春の初物づくしのメニューです。
記事の最初に、こんな話が出てきました。緑には約50種類ある、というのです。
もう夏になっちゃいましたが、春になると登場する野菜をちょっと思い出してください。緑色の食材、というと、思いつくのはほうれん草ぐらい、とも思いますが、ルッカの人が思いつく緑のものは、初物/primizieと結びついた料理です。初物は春になって次々に登場してくる新鮮な野菜のこと。まず、グリーンピースは、ただのグリーンピースではなく、初物のグリーンピ―スは、柔らかくて甘いグリーンピースのことです。新ソラマメは別名バチェッリbacelli(さや)という名前で呼ばれます。この季節のソラマメの本体は、豆じゃなくてさやだったんですね。他に、アスパラガスやアーティチョークと言った野菜たち。
この料理はトスカーナが得意なこれらの初物を使った田舎風ズッパです。当然パンも入ります。あとはチッチョリなどの豚肉の脂。牛肉も入ります。実は、ブルジョア階級の料理と言われてます。これをたっぷり作って貧しい人にふるまったのだそうです。1年のうちでも初物が出そろった短い期間にしかできないという緑色の料理。ちなみに、これらの野菜が出てくると、冬のキャベツの活躍が終わります。
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初物の田舎風ズッパというと、ヴィ二ャローラvignarolaが有名。一説によると、ぶどう畑でぶどうの列の間の有効利用で栽培していた野菜を使うのでこの名前が付いたとか。
ラツィオの料理として知られています。
ヴィニャローラ。
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