昨日は、パスタ・クレッシュータ(CIR5月号/P.35)の話題から、ピッツァ・フリッタ、そしてモンタナーラと進み、ラグー・ナポレターナとドメニカのプランゾの話が出てきたところまで進みました。
そもそものきっかけは、モンタナーラMontanara。
そしてエンツォ・コッチャの本、『ピッツァ・フリッタ』
に、モンタナーラのトッピングは、日曜日のプランゾ用のラグー・ナポレターナの残り、という文章を発見したのでした。
ナポリの日曜のプランゾ。
ナポリに限らず、ドメニカのプランツォ、つまり日曜日の晩御飯というのは、家族そろってご馳走を食べる日。主婦が朝から一日かけて造るご馳走を、家族の中で、楽しくいただく、格式とは無縁の記憶に残る食事だ。
そしてナポリで手の込んだ料理の代表とみなされているのが、ラグー・ナポレターナ。
ラグーは国民的料理と言える1品。アッラ・ボロニェーゼとアッラ・ナポレターナが2大ラグーだが、イタリアのほぼすべての州に個性的なラグーがある。
ラグー・アッラ・ナポレターナRagù alla Napoletana
そもそもラグーragoûtはフランス語で小さく刻んだ材料の煮込みを意味するもの。イタリア語ではragù。イタリア語のラグーには、肉、香味野菜、ワイン、トマトがベースの煮込んだソースという意味がある。誕生してからまだ2世紀だそうだ。
煮込みは硬い肉を食べやすくするために考え出された昔からある調理方法だが、ここにトマトが加わるようになってラグーと呼ばれるようになった。
上の動画にラグー・ナポレターナにまつわるエピソードが描かれているけど、傍若無人で嫌われ者の夫が妻の造るパスタソースが気に入り、みんなの仲間になっていい子にしてたら作ってあげる、と言われて改心しちゃうという、そのソースの名前が息子の名前と同じ“ラグー”だという空いた口がふさがらない物語。
なんだか子供だましの話だけど、ナポリのラグーは、ボローニャのラグーと違って鍋で塊肉をとろ火でコトコト煮込むのが特徴。
じっくり煮込む間常に鍋を見張っていることができる門番guarda portaがつくったものが最高、と言われる。
門番のラグー。
塊肉がなくても薄切りの肉を塊肉にするのがナポリ風。
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