2023年7月7日金曜日

羊は雪が降った時しか小屋に入らない。その飼育は徹底した半野生状態。でも、そこら辺の草でも食べさせておくためには、環境を長い目で見守る必要がありました。

今日のお題は(CIR4月号)の記事、《子羊料理サルデーニャVS中央イタリア,P.50~》です。
イタリアは羊飼いの国、ということを、毎月記事を訳しながらひしひしと感じています。
それと同時に、毎月、初めて知ることばかりで、自分は羊のこと何も知らないと、思い知ります。今月のこの記事も濃かったです。
例えば、羊の飼育は半野生状態で行われていて、雪が降った時しか羊は小屋に入らない、なんてこと、知ってる人いるんでしょうか。
羊が育つ環境を保つことの重要さを、イタリア人はよく知ってます。
そこら辺の野生の草を食べて育つ羊だから、移牧の道端には野草が生えている環境が必要です。都会のお嬢様はそこら辺の草でも食べさせておけばいいと思うかもしれませんが、サルデーニャや中央イタリアの羊飼いは、そこら辺の草が毎年育つために、小麦畑に休耕地をもうけるなど、普段から数知れぬ努力をしているのです。○○県民より大事にされてるかも・・(ごめん)。

下の“土地の守護者たち”というタイトルの美しい動画で、羊飼いの2代目は、大学に行っても卒業したら戻ってきて家業の農場を継いだ、と語っています。多分そこにはすごい葛藤があったのでしょう。でも、外の世界を見て、この土地を守るという強い決意も生まれたようです。
古代ローマ時代は、羊は食料のため戦場にでもどこにでも連れて行きました。羊はまさに家族も同然だったのです。移牧は冬の間の草を求めて動物の群れを移動させる放牧方法。羊飼いは、羊の群れだけでなく、その土地の守護者でもあったのです。


可愛い子羊たちを見た後に肉の話をするのはいやなんですが、サルデーニャの子羊肉はマイルドで、中央イタリアの子羊肉はもっと風味が強いそうです。なので料理もそれぞれに合ったものになります。羊の飼育の古い伝統があるサルデーニャでは子羊は母親のミルクだけで育ちます。次は料理の話。

ここでちょっと業務連絡。お待たせしました。次号の(CIR5月号)は7/11発売予定です。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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