2023年7月20日木曜日

ナポリの朝食用ピッツァ・フリッタは細長い、半月形の通称バッティロッキオ。夕食用には満月状の焼いたピッツァを食べる。

今日のお題は(CIR)5月号から、“パスタ・クレッシュータ”Pasta cresciuta(P.35~)。
 パスタ・クレッシュータとは膨らんだ生地のこと。イタリア各地で作られていますが、中でも有名なのが、ナポリのストリートフード、ピッツァ・フリッタです。
ピッツァ・フリッタは、このブログでも何度も紹介していますが、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の1954年のソフィア・ローレンの映画、『ナポリの黄金』のとても魅力的なシーンと結びついて世界中に知れ渡った幸福な食べ物です。
このシーンです。

監督は、ナポリの人じゃないけど、ネオリアリズモの旗手と呼ばれた人物。ファシズムに対抗したとも言われるネオリアリズモは、庶民の日常を詳細に分かりやすく描写して、この時代の庶民の考えを代弁していた。
この陽気なシーンは、ソフィア・ローレンの美しさに目が行くけど、よく見ると、店主も、その妻のソフィア・ローレンも斜め上をむいて大声で会話している。
これは、店の上の階に住むご近所の人たちを起こして朝食を取らせようと目論んでいたため。この時のソフィアのセリフも有名。
それは「venite a fare la mernda,mangiate oggi e pagate tra otto giorni・・・」
「いらっしゃい、いらっしゃい、今食べてお題は8日後でいいよ」

映画の舞台になったのは、マテルディ地区。映画のお陰でこの地区も有名になりました。

マテルデイ地区。

現代のナポリのピッツァ・フリッタ。

ストリートフード・アッラ・イタリアーナ

によると、朝食べる揚げピッツァは、battilocchio    と呼ばれる半月型の細長いタイプ。
夕食用は満月型の丸くてオーブンで焼いたピッツァ。


ナポリのピッツァ・フリッタの有名店、マサルドーナMasardona。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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