2021年3月26日金曜日

家族のパスタ、シャラティエッリでコンクールに挑んだシェフは、今やカプリの高級ホテルの総料理長。イタリアンドリームの具現者。

シーフードパスタの原点、アサリのスパゲッティはカンパーニアの名物料理ですが、カンパーニアにはもう1品、有名なシーフードのパスタがありました。
スローフードのパスタの地方料理の本、パスタ・フォルメ・デル・グラノ
には、こうあります。
「有名なパスタは考え出した人が不明なものが多いが、シャラティエッリscialatielliは違う。1978年と最近の発明だが、カンパーニアの伝統食品に登録されている。
考案者は、アマルフィ出身でソレント料理を熟知するエンリコ・コゼンティーノシェフだ。
彼は国際料理コンクールで審査員をあっと言わせるような料理を作ろうとしていた。
そこで、家族の伝統のパスタの記憶を呼び覚まして卵入り生麺のパスタ、シャラティエッリを再現した。
棒に巻きけて作るフジッリタイプのパスタで、長さは約10cm、タリアテッレのような平らな麺のパスタだ。貝のソースを組み合わせたが、オーソドックスなトマト入りのソースではなく、仕上げにチーズを散らした。(シーフードパスタにチーズは異色の組み合わせ)
昔は棒に巻きつけて作るパスタだったが、次第に細く、厚いパスタになっていった。
30年間ホテル学校で教師を務めた気さくな人柄のコゼンティーノシェフの元には多くの若者が料理を学びに訪れ、ホテル学校も開いた。イタリア料理アカデミーのカンパーニア支部の会長も務めている。
現在はカプリのセレブ御用達の高級ホテル、グランド・ホテル・クイジサナの総料理長。

シャラティエッリはカンパーニアのパスタなのに乾麺じゃなく手打ち麺。
考案者のエンリコ・コゼンティーノ自らが作るシャラティエッリ。

パスタ・フォルメ・デル・グラノ』にはリチェッタがあったので訳してみます。
Scialatielli ai frutti di mare ammolliati/貝のシャラティエッリ
材料/4人分
《パスタ》
セモリナ粉・・200g
0番の小麦粉・・200g
卵・・1個
山羊のカチョリコッタ・・40g
EVオリーブオイル、塩
《ソース》
貝(国産アサリ、ルピーニ、アサリ、ムール貝、シャコ)・・計900g
にんにく・・2かけ
イタリアンパセリ・・1房
固くなったパン・・200g
EVオリーブオイル、塩

・貝を別々に砂抜きする。
・2種類の粉を混ぜてフォンタナに盛り、中央に卵、おろしたカチョリコッタ、油、塩少々を入れる。水を少量ずつ加えながら最低15分こねる。まとめて布巾をかぶせて30分休ませる。
・その間に貝を洗って下ごしらえする。
・パンを粗く砕いてオーブンでトーストする。
・崩したパン、たっぷりのイタリアンパセリとにんにく1かけのみじん切り、塩、油を混ぜる。
・生地を麺棒で厚さ3mmに伸ばして10分乾かす。巻いて幅3~4mm、長さ約10cmに切る。
・フライパンに油大さじ2を入れてにんにく1かけのみじん切りを炒める。貝を加えて強火で開ける。
・パスタをゆでて貝のフライパンに入れ、仕上げに香草パン粉を加える。

シーフードのシャラティエッリ。


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パスタ・フォルメ・デル・グラノ
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