2021年3月11日木曜日

フィレンツェの菖蒲の紋章はあの複雑な花をシンプルにデザインした傑作。

フィレンツェの紋章は、なんとなくユリだと思っていました。
正確には、花菖蒲Giggioli↓だったんですね。

ユリの紋章は12世紀にルイ7世が使ってフランスで流行したデザイン。当時は青地に金色が主流でした。
15世紀にフランス人が王のナポリ王国が誕生すると、このデザインがイタリアにも入ってきます。
ところがフィレンツェは野原に菖蒲が咲き乱れる地でした。
そこでユリではなく菖蒲の紋章が誕生します。
アヤメはイタリア語ではirisイリス、菖蒲はジッジョリと、名前は全然違いますが、見た目はそっくり。
美しい花だけど、複雑な形をしているので、これを紋章としてデザインするにはかなりのセンスと才能が要求されるのでは・・・。
しかもこのデザインはかなり人気になってフィレンツェ市民から愛され、12世紀には公式紋章として採用されます。
フィレンツェのあちこちに青字に金のユリの紋章が描かれているのは、フランスの影響の名残でしょうか。
元々は白地に赤のデザインでしたが、後に赤地に白に変わります。フィレンツェの2大勢力、グエルフィとギベルティの争いの結果だそうです。
フィレンツェの紋章。
花びらが上に3枚下に2枚という菖蒲の特徴を見事にデザイン化。


フィレンツェの菖蒲の庭↓

ぼーっと見てたときには、ポンテベッキオのてっぺんに菖蒲の紋章があったなんて気が付かなかったなあ。

フィレンツェでは菖蒲の香りがする鐘楼の下の草原(プラトーネpratone)で、ペコリーノと大きなパーネ・ショッコとワインを持ちこんでピクニックをして、
フリッタータのパニーノや、春野菜の“ヴィニャローラ”を食べる。


スカンパニャータscampagnata(ピクニック)の軽食の定番は、
ペコリーノトスカーノとさや入りソラマメ(バチェッリbaccelli)と洋梨。
さやも美味しく、昔の農民は、ソラマメを摘みながら食べていた。ソラマメは肥料代わりに育てて家畜の餌に していた。 
バチェッリのペーストのパスタgli spaghetti quadrati al pesto di baccelli
さや入りソラマメはトスカーナで育つマメ科植物の集大成。
ペーストはリグーリアのバジリコ、松の実、パルミジャーノがベースの定番ソースだが、さっとゆでて一部を潰したソラマメ、削ったペコリーノ・トスカーノ、粗挽き黒こしょうのペーストはトスカーナの発明だ。
パスタは自家製の断面が四角い手打ち麺。

バチェッリのペーストPeto di bacelli

材料/3人分
さや入りソラマメ・・300g
ペコリーノ・・150g
塩、EVオリーブオイル

・ソラマメをさやから出す。
・ペコリーノを小角切りにする。
・ペコリーノ、ソラマメ、塩少々、油適量をミキサーにかけてペーストにする。
・パンに塗ってサーブする。

この本はリチェッタが一切なく、美しい写真ですべてを語る上級者向けの本。

次はビニャローラのリチェッタを紹介したいのですが、これはラツィオの料理なので、別の本を調べないと・・・。
リチェッタは次回に。

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ルフィーノのトスカーナ

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