2021年3月4日木曜日

シチリアを代表するクリエイティブなピーノ・クッタイアシェフのなす料理。

なすについて調べていたら、ダビデ・オルターニの新世代イタリア地方料理の本、『メイド・イン・イタリー

には、こんな事が書いてありました。
シチリアのなす料理と言えば、ノルマ風パスタ。

なすはアラブ人よってシチリアに伝わり、中世の初めになって、ようやく、だがあっという間に、シチリア人の心を捉えた。
アルトゥージはなすがベースのリチェッタを数多く書いているが、ノルマ風スパゲッティは、なすではなく、カターニア出身の大作曲家、ヴィンチェンツォ・ベッリーニへの讃歌だ。
カターニアでは市民の間にこんな逸話が広まっている。
ある貴族の女性が、なすとリコッタのパスタを味わって思わず、「ノルマみたい!」と叫んだ。
するとベッリーニの取り巻きは、ノルマみたいとはなんだ、どういう意味だと、こぞってその意味を探りました。
そして出した結論が、ノルマみたいとは、当時の女性が大好きでとても美しいものに対する形容詞だ、というもの。当時は身分の高い女性の機嫌を取るお世辞として使われていた表現のようです。
なんだか若いタレントが食リポに使った今どきの言葉をむりやり訳したみたい。
とは思いますが、これがことのほかしっくりきたんでしょうねえ。
世界中に広まっちゃいました。

チッチョ・スルタノシェフのオリジナルなノルマ風パスタ

シチリアを代表するクリエイフィブなシェフ、ピーノ・クッタイアのノルマ風パスタ。

揚げたナスでパスタを完全に包んでオーブンで焼くティンバロ・スタイルは、表面にトマトソースが1滴も染み出ないで角をシャープに作るのが美しい、ということをプラネタの本で知りました。

ティンバロの伝統があるシチリアの人ならきっと得意なアレンジ。


シチリア生まれでトリノで育ったシェフのなす料理をもう一品。

ナスのカンノーロCannolo di melanzante

材料
なす・・1個
ミニナス・・1個
バジリコ
ミニトマト(ダッテリーニ)
リコッタ
にんにく・・1かけ
玉ねぎ・・1個
EVオリーブオイル
片栗粉
卵黄・・1個
カペッリ・ダンジェロ
サフラン(ホール)
ラグザーノDopチーズ

・ピーラーでなすの皮をむき、薄い輪切りにする。グルテンが少ないので焦げにくい片栗粉をまぶし、カンノーリの筒に巻きつけて卵黄で閉じる。
・180℃の油で2~3分揚げて油を切り、数分休ませて筒を抜く。
・玉葱の薄切りを油でソッフリットにする。バジリコを加えて香りをつけ、小角切りにした残りのなすを加える。
・ミニトマトの皮を湯むきして縦半分に切り、ナスに加える。リコッタ・サラータも加える。ナスが柔らかくなったらマルドン塩を散らす。ボールに移してハンディミキサーでピューレにする。
・絞り袋に入れてなすのカンノーリの中に、ドルチェと同じ要領で絞り出す。
・ミニナスの皮をへた付き(飾り用)のままむいて揚げ、半分に切ってカンノーリに巻きつける。
・-20℃以下の急速冷却器で冷ます。
・ミニトマトでトマトソースを作る。ミニトマトを4つに切る。ソテーパンに油、潰したヌビアの赤にんにく、バジリコ、ミニトマト、マルドンの塩を入れて煮る。裏漉しして皮を取り除く。
・サフランとマルドン塩を加えた湯でカペリ・ダンジェロをゆでて皿に取り、EVオリーブオイルをまぶす。急速冷却器で冷ます。パスタをなすのカンノーリに巻きつける。
・皿に盛り付け、電子レンジで温める。2本ずつ皿に盛り付けてミニトマトのソースをかける。
ラグザーノをおろしながらかけ、バジリコのジュリエンヌで飾る。

マディアの料理↓
店のwebページはこちら
訳すのが難しい料理ばかりで強烈に印象に残ってます。
特にこれ、シェフのオリジナル料理Uova di seppia
コウイカの卵なんて見たとも聞いたこともなかったのでめちゃ下調べしましたよ。何しろ彼の店の名前なんで、わからないじゃ済まないと思ったのです。でも、調べれば調べるほど珍味らしくて、結局全然わからない。こんなのを店名にするシチリア人て、天才じゃないかと恐れ入っていたのでした。ところが、ホームページにはジョークと書いてあるじゃないですか・・・。
???。なんでも自由な発送が湧く遊び場で実験場という意味でコウイカの卵と名付けたそうです。



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