2020年3月5日木曜日

ブルボン家の料理人が王のために作ったサルトゥ

さて、ナポリの米料理、サルトゥですが、
“sour tous”(すべての上を行く、最高)というフランス語のその名の通り、
目一杯リッチで贅沢なのがこの料理の特徴です。
バリエーションは各種ありますが、総じて手間がかって大変そう。
ナポリ風ラグーとポルペッティーネをあらかじめ作ります。
貧しい農家の倹約精神はひとまず忘れて、ブルボン家の王様、フェルディナンド4世の料理人になって、マリーアントワネットの妹の夫に料理を作る気持ちにならないと。

サルトゥ・ディ・リーゾ

今回は、グイド・トンマージの地方料理シリーズの『クチーナ・ディ・ナポリ
のリチェッタを訳してみます。
ラグーのサルトゥー・ディ・リーゾSARTù DI RIO AL RAGù
材料/8人分
ラグー・ナポレターナ;
パンチェッタ・・150g
玉ねぎ・・1個
にんにく・・2かけ
トマトペースト・・1kg
赤ワイン・・2カップ
チェルヴェッラティーネ(細いサルシッチャ)・・2本
豚スペアリブ・・500g、塩

米;
カルナローリ米・・800g
卵・・2個
おろしたパルミジャーノ・・150g
型用バター

ポルペッティーネ;
挽肉・・200g
卵・・1個
イタリアンパセリ
固くなったパン・・2枚
パルミジャーノ・・大さじ1
塩、揚げ油

グリーンピース・・200g(季節でなければ冷凍も可、玉ねぎの薄切り、ハムの小角切りと一緒にオリーブオイルで炒める)
乾燥ポルチーニ・・20g(湯で戻して絞って刻み、グリーンピースに加える)
サルシッチャ・・100g(小さく切ってラグーに加えて煮る)
前日に冷蔵庫から出した小角切りのフィオルディラッテ(牛乳のモッツァレッラかプローヴォラ)・・150g

・前日にラグーを作る。
・パンチェッタと香味野菜を刻み、肉、油と一緒に大鍋に入れる。蓋をしてとろ火で炒めてソッフリットにする(約1.5時間かかる)。
・ワインを少しずつ加えてアルコール分を飛ばし、さらに30分煮る。
・トマトペース大さじ3~4を湯1カップで溶いて加え、トマトが黒くなるまでりじっく煮る。
・これをトマトペーストがなくなるまで繰り返す(5~6時間煮る)。途中で水気がなくならないように気をつける。黒ずんだ、照りのある濃いサルサになる
・ポルペッティーネを作る。湿らせて絞ったパン粉、挽肉、卵、イタリアンパセリ、塩、パルミジャーノをこねてヘーゼルナッツ大に丸める。オリーブオイルで揚げる。
・グリーンピース、玉ねぎ、ハムをフライパンで炒め煮にし、ポルチーニを湯で戻す。
・米を煮る前にレードル1杯のラグーをサルサ用に別にする。
・残りのラグーの半量を湯でのばして火にかける。
・口の広いソテーパンにレードル1杯のラグーを入れて熱し、米を加えて炒める。
・のばしたラグーをかけながらリゾットの要領で煮る。
・米は硬めのアルデンテに煮上げる。
・素早く冷まして別のソテーパンに移し、常にかき混ぜながら冷ます。冷めたら溶いた卵とパルミジャーノを加えて塩味を整える。必要ならラグーを足す。
・ポルペッティーネと小さく切ったサルシッチャ、グリーンピース、レードル数杯のラグーを加えて数分煮る。
・型に油を塗ってパン粉をまぶす。
・米の3/4を型に詰め、底と側面にしっかり広げる。中央は大きくくぼませて詰め物を詰める。
・残りの米で覆い、よく押してスーゴとパン粉を散らす。
・予熱したオーブンに入れて表面に焼き色がつくまで焼く(1時間)。
・約15分冷まし、型から出して皿にあける。
・熱いラグーを添えてサーブする。


本には、シーフードを加えたサルトゥー・ディ・マーレ、トマトが入らないサルトゥ・ビアンコ、のリチェッタも。
スカトゥルキオのサルトゥは小さな型で焼いた1人前サイズでした。

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総合解説
クチーナ・ディ・ナポリ
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