2020年3月10日火曜日

復活祭のピッツァ・アル・フォルマッジョ+イタリア便り

前回紹介したゴリツィアのピンツァpinzaですが、これは復活祭の朝食の伝統的な食べ物の1つ。
ピンツァ

小麦粉、砂糖、卵、バター、牛乳をこねて一晩発酵させ、翌日、再びこねてクープを入れ、ワッフルシュガーを散らして焼きます。
今月の「総合解説」では、ウンブリアの“トルタ・アル・フォルマッジョtorta al formaggio、を取り上げていますが、これも復活祭用に作る料理です。
トルタといっても、別名ピッツァ・アル・フォルマッジョpizza al formaggioとも呼ばれる、パンのようなケーキ。

トルタ・アル・フォルマッジョ

実は以前、イタリアに嫁いだ方から、手作りのトルタ・アル・フォルマッジョを、帰省のお土産としていただいたこととがありました。
その時は、この料理にどんな背景があって、どうやって作るのか何も知らずに、無邪気にパクパク食べてしまいました。
数十年後の今も覚えていますが、素朴な外見と大きさに似合わず、衝撃的な美味しさでした。
こんなにもワインに合うケーキ、食べたことない!!
とにかく美味しくて、それ以来、ウンブリア料理をまじリスペクトしているのでした。

で、今月の「総合解説」を訳しながら、私は、背景を何も知らずに食べてしまったことを大いに後悔したのです。
このことを知っていたら、あの時の10倍感謝したのに。
上の動画でもわかるようにリッチな発酵生地なので、とにかく手間がかかるのです。
それにしてもここまで大変だとは。
あの大きさだから材料も多量だろうとは思いましたが、家族の伝統もたっぷり込められていたのですね。

そもそも、ピッツァ・アル・フォルマッジョは、断食の期間である四旬節の終わりと復活や再生、春を祝う食べ物として生まれました。
家族に代々受け継がれているリチェッタで聖金曜日に作り、復活祭の日に食べる卵と一緒に教会に持っていって祝福を受けるとか。
一晩かけて膨大な数をたっぷり発酵させるなんて、
ウンブリアに嫁いだ仏教徒には、ハードル高いよねえ。
それをお姑さんに教わりながら作ったのかと思うと、涙出てくるよー。


復活祭の朝食

子どもたちは、親が毎年頑張って作っている姿を見て、子供時代の思い出として記憶にとどめているんですね。
クリスマスと復活祭の料理づくりは嫁の負担が多そうで大変。
まあそれは日本も一緒だよね。
いつの間にかお孫さんがいてもおかしくない年齢になりましたが、今はお嫁さんに教えていたりして!!
リチェッタは「総合解説」にあります。

そうそう、イタリアに嫁いで頑張っている仲間がもう一人います。
このところ、心配なニュースばかりですが、みんな落ち着いて、たくましくやっているようです。
こんな近況連絡がありました。

ここのところ毎日状況が変わっていくので、なんと言っていいのか分かりませんが
みんな落ち着いてることは確かです。
昨日までは、ZONA ROSSAだと言われて、ゆるい封鎖なのかと思っていたら
今日になって、ROSSAではない、ZONA ARANCIONEだという事になり
今日の夜中を過ぎて日付が変わったら、イタリア全土に移動制限がかかる事になりました。
日常生活に必要な移動は認められているので、今のところ特に不便はありません。
昨日の朝は、近所のバールでカフェとブリオッシュの朝食をとりましたし
今日は、郵便局とスーパーへ買い出しに行きました。買占めもありません。
いつもと違うのは、他人との距離を最低1mは保つようにとの政府からのお達しで
狭い店舗や大きな店でも混雑の際は、一度の入店人数を制限しています。
よって、タイミングによっては、お店の外にお客さんが間隔を置いて並びます。

人の行き来は少ないですが、地域の電車やバスは通常通り運行しています。
町でマスクをしている人はほとんど見かけません。

政府は、健康な人はマスクをする必要はないと、繰り返し呼びかけています。

連絡、ありがとうございます。
バールでカフェとブリオッシュの朝食もいいなあ。


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総合解説
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