2023年2月20日月曜日

タコのスーゴをスパゲッティのソースにするのはサンタ・ルチアの伝統。煮過ぎないようにタコもトマトも小型のものを使います。

(CIR)2月号のリチェッタ、今日からはプリーモです。
トラットリアで人気のパスタに選ばれたのは“タコのワイン煮のパッパルデッレ”(P.4)と、
ちょっと意外。
タコと言えばサンタ・ルチア風ことアッラ・ルチアーナalla luciana。サンタ・ルチア生まれのナポリの古い人気メニューです。ポルピ・アッフォガーティpolpi affogatiとも言います。ナポリの人気料理と言うことは、イタリア料理のシンボル的人気料理ということ。
ポイントは新鮮なタコを使うということ。捕りたてのタコは、色も味も香りも歯ごたえも最高ですが、時間がたつと質が落ちます。タコは1杯100~200gの小型のもの。
煮汁で煮るのではなく、タコの水分で煮るのがサンタ・ルチア風。ちなみに私がナポリで食べた最初のセコンドが、タコのアッフォガート。生まれて初めてタコを頭から足まで1匹丸ごと食べました。小さなタコだったけど、ペロッといただきました。

テラコッタの鍋で唐辛子とトマトで煮て、あぶったクロスティーニを添えて前菜としてサーブします。スーゴをスパゲッティのソースにするのはサンタ・ルチアの伝統。
仕上げにスーゴにパスタを入れてリゾッタートにします。

タコのルチアーナ。

タコのスーゴはシーフードのパスタソースの一種。
シーフードのパスタソソースは、シーフードが生の場合と保存加工したもの(イワシやアンチョビのオイル漬け、塩漬け、ボッタルガ、コラトゥーラなど)の2種類あります。
ほぼすべてにトマトが入ります。魚はアンチョビなど小型のものや青魚などの大衆魚。タコのリチェッタはヤリイカやコウイカなどの他の軟体動物にも適しています。
ナポリ湾のタコの最後はポッツオーリの市場のストリートフード、タコのブロードになります。

タコのブロード。
屋台は最近では見かけなくなりました。

ポッツオーリの魚市場。


ナポリの最後のタコのブロード売り。

庶民のナポリの黄金、ことナポリのお茶、タコのブロードは冬の飲み物。今は姿を消しましたが、10月以降の寒い日なると登場します。

には、ナポリのティンパニ・エ・テンプラのタコのブロードBrodo di polpoのリチェッタが載っています。

材料/7~8人分
タコ・・1杯、1㎏
玉ねぎ・・1個
セロリ・・3本
皮をむいたにんじん・・1本
にんにく・・1かけ
スフザーティ・ディ・アマルフィ・レモン・・2個
黒粒こしょう・・10粒
クローブ・・3個
水・・3ℓ
粗塩・・小さじ1

・大鍋に水、セロリ、にんじん、クローブを刺した玉ねぎ、粒こしょう、塩を入れて弱火にかけ、沸騰したら蓋をせずに45分煮る(ブロード)。
・タコは内臓、嘴、目を取って流水で洗い、沸騰したブロードに入れて再沸騰してから約15分ゆでる。
・タコをざるに取って水気を切り、温かいうちにボールに入れて蓋をする。
・ゆで汁(ブロード)を2ℓに煮詰める。
・レードル2杯の沸騰したブロードをゆでたタコ1片を入れたカップに注ぎ、飲む前にレモン1/4個の汁をかける。

※アマルフィのレモンは甘くて酸味はほとんど感じません。
タコのワイン煮はウブリアーコ(酔っ払い風)とも呼びます。
調べていたら、どんどん面白いリチェッタが見つかったので、続きは次回に。


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