2023年2月14日火曜日

農家風と家庭風の違いは重労働に耐えられるスタミナがつく料理かどうか。そう考えるとマスカルポーネのパスタも許せる。

手作りフレッシュチーズの本があったなあと思い出したので、ちらっと見てみました。

フォルマッジ・フレスキ・ファッティ・イン・カーザ
マスカルポーネのページには、マスカルポーネは生クリームで代用できる、といきなり元も子もない話が・・・。

気を取り直してマスカルポーネの作り方を見てみました。

材料は・・・。
生クリーム(できればビオのもの)・・500ml
レモン汁・・大さじ2

これだけです。
シンプルなだけに生クリームの質がすべて。
作り方は、
・生クリームを耐熱容器に入れて湯煎にかけます。
・80℃になったらレモン汁を加えて数分かき混ぜ続けて濃くします。
・サラダボールに入れて6~10時間休ませ、表面にバターミルクが浮かぶのを待ちます。
・これをガーゼをかぶせたシノワで濾して冷蔵庫で最低12時間水気を切る。
・密閉容器に入れて冷蔵庫で5日間保存できる。

次はマスカルポーネを使った料理。
マスカルポーネは加熱すると溶けてしまうので、加熱しない料理に適しています。
逆に香草を加えてゼラチンで固めてババレーゼにし、サーモンマリネではさめば冷たい前菜になります。
ニュートン・クチーナ・レジョナーレ』シリーズのミラノ料理

の本には、“マスカルポーネのマルタリアーティMaltagliati al Mascalpone”のリチェッタが載っていたので訳してみます。

材料/4人分
マルタリアーティ・・400g
バター・・120g
マスカルポーネ・・200g
生グリーンピース・・100g
おろしたパルミジャーノ・・50g
塩、こしょう

・グリーンピースをゆでる。
・たっぷりの熱湯で堅めのアルデンテにパスタをゆでる。
・バター100gを木べらで軽くなるまで練り、マスカルポーネを加えてこしょうを散らす。
・ソテーパンに残りのバター20gを入れてグリーンピースをなじませる。
・パスタの水気を切り、マルカルポーネのスーゴでマンテカーレしてグリーンピースを加える。
・皿に盛り付けてパルミジャーノを散らす。

ちょっと胸やけしそうなので生ほうれん草のパスタでお口直しをどうぞ。
次の動画は生ほうれん草、マスカルポーネ、パンチェッタのマルタリアーティ。
そもそもマルタリアーティはラザーニャやタリアテッレを手打ちした時に残った切り落としの部分。
家庭的というより農家風のパスタ。農家風とは重労働に耐えてスタミナがつくような料理。この料理は、その典型。そう考えるとマスカルポーネとパンチェッタのパスタも許せる。きのうちらっと紹介したストラッチもマルタリアーティの一種。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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