今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)前菜の2品目は、lavarello in carpione(ラバレッロ・イン・カルピオーネ)、リチェッタはP.2。
ロンバルディアの料理です。
まずはlavarello。
大きな湖など深くに棲むサケ科の淡水魚で、別名コレゴ—ネcoregoneとも呼ばれます。養殖もされています。体長30㎝ほどの上質の白身魚で、マスの調理方法が適しています。
ロンバルディアは海のない州。でも湖はあれこれあります。
ロンバルディアの湖。
そしてミラノではおなじみの淡水魚がイラストでずらっと並んでいます。
養殖の淡水魚はサステナブルでヘルシーな食材として、最近はEU諸国では消費量が70%も伸びているそうです。
ガルダ湖のマスの養殖。
淡水魚の調理方法の代表的なものは、ムニエルやカルピオーネ。
コレゴーネのカルピオーネ。横にいる人はマルケージ氏。
カルピオーネは淡水魚に適した調理方法ですが、海水魚だとベネトのsaor/サオールやスカペーチェscapeceという名前になります。
イワシのイン・サオール。
カルピオーネは北イタリアではウナギの料理として知られています。
ウナギのカルピオーネ。
『クチーナ・ミラネーゼ』には、“ウナギのカルピオーネ”は北イタリアやミラノの定番料理、とあります。産地はコマッキオ湖。
イタリアの川や湖にはウナギがいたとは言え、日本と同じでウナギは生態が謎だらけの魚でした。
確か、イタリアのウナギの産卵場所はメキシコ湾あたりではなかったっけ。
今ではWWFによって消滅の危機にある魚に指定されています。
保護しなければならないほど数も減っているウナギが、なぜイタリアではクリスマスの定番料理になるほど人気なのか、いつも不思議に感じていました。
でも、『クチーナ・ミラネーゼ』の解説を読んで、謎が解けました。
昔はウナギは活きて市場に到着する唯一の魚だったんだって。
採った後長く活きている魚だったのですね。魚は死ぬと傷むので、調理する直前に捌いていました。さらにウナギは脂が多い魚としても知られていました。デリケートで骨を掃除しやすい魚としても人気でした。
ナポリや南イタリアの年末年始はウナギ。
北から南まで、ウナギは実は国中で人気の魚だった。
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