2023年2月28日火曜日

リゾット・アル・サルトはスキレットに盛り付けるとぴったり。

今日の料理は“リゾット・アル・サルトのフォンドゥータがけ”(リチェッタの日本語訳はCIR2月号P.7)。
この料理の写真はユニークでした。この料理は、リゾットだけどリゾットじゃないので、普通にスープ皿に盛り付けることができません。皿じゃなくてフライパンに盛り付けます。
クチーナ・ミラネーゼ』に

よると、リゾット・アル・サルトは前日のリゾット・ミラネーゼ。残り物のリゾット・ミラネーゼをこんがり焼いたトルタです。
“リゾット・アル・サルト”はミラノのトラットリアで人気のとても庶民的な料理。

ミラノの老舗トラットリアのリゾット・アル・サルト。

普通に皿に盛り付けていますが、CIRの写真ではスキレットに盛り付けています。皿より小さなスキレットですが、リゾットはジャストサイズで大分おさまりが良さそう。さらにその上に熱々のフォンドゥータをかけます。

スキレットは知ってしまうとそのぴったり感から皿にはもう盛り付けられなくなるかも。


ところで、リゾット・ミラネーゼはイタリア料理の基本の一品。一度マスターすればどんどんアレンジができる調理方法です。クラシックなリゾットはパルミジャーノのリゾットとリゾット・ミラネーゼ。この黄色いリゾットで、イタリアのリゾットは赤いチキンライスではなく、サフランの黄色をしていることを知り、スープのブロード・ディ・カルネのとり方を学びます。

リゾット・アッラ・ミラネーゼ

パルミジャーノのリゾット。

ちなみにカルロ・クラッコシェフの本、『クールにしたいならエシャロットを使う
ですが、このかっこいいタイトルは、サフランのリゾットのリチェッタを説明する時に、「まず玉ねぎをみじん切りにしますが、クールにしたいならエシャロットを使います」と言っているところからつけられたタイトルです。この本はシェフが若手料理人に自らの経験を伝えようとするイタリア料理書の教本です。
サフランのリゾットはレベル1の料理で、基本中の基本。

サフランは、アラブのスパイスです。パスタもアラブ生まれの食べ物ですが、日本はアラブとは繋がりが薄かったので、パスタもサフランもアラブ経由では入って来ませんでした。スペインでは10世紀頃から栽培されていて、古代ギリシャ人も古代ローマ人もサフランを知っていました。
イタリアにはスペイン経由でサフランが入ってきました。様々な米料理に黄色い着色料としてサフランは使われていましたが、もちろんリゾット・ミラネーゼがサフランを使った一番有名な料理です。1kgのサフランを作るにはクロッカスの花が10万個は必要と言われて、とても高価なものでした。
下の動画はサフランの収穫。
サフランは湿気が大敵なので摘んだ花は風通しがよいかごに入れました。花を摘むのは手が小さな女性の仕事。ただし雌しべではなく花ごと摘み取ります。

そしてリゾット・アル・サルトにフォンドゥータをかけて完成。
フォンドゥータは具のないリゾットに最適のフォンティーナチーズのソース。
フォンドゥータ。

次回はクラッコのリチェッタを訳してみます。

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