パルミジャーナはトラットリアの定番料理になるほど愛されているイタリア料理で、特に人気なのが“なすのパルミジャーナ”。
この料理は、パルマやパルミジャーノよりはなすとの関係のほうが強い料理。ほぼなすの料理と思われている感もあります。
なすはスペイン人によってナポリに伝わったと言われていて、おなじくパルミジャーノが普及しているシチリアと、料理のルーツについてナポリ対シチリアの大人気ない論争の元になったりしています。この2つの街は、中世にシチリア王国が2つに分離した際にも、どちらもシチリア王国の本家の立場を譲らず、両シチリア王国という名前が誕生したという因縁の国。
そもそも両者は似ているけど違うというのが両者の言い分。性格も歴史もそっくりの2つの地方。よそ者は頑固なシチリア人かナポリ人にコテンパに論破されて、入る余地もありません。
ナポリ風なすのパルミジャーナ。
違い、わかりますか?
この料理はなすのほろ苦さとフレッシュトマトのパッサータの酸味の組み合わせ。各層に砂糖を薄く散らすのは味を中和させるため。なので当然ながらなすの味がポイント。
パルミジャーナはなすだけでなく、ズッキーニなど、他の野菜でもできます。アーティチョークのパルミジャーナは、実はナポリの伝統料理。
ナポリのアーティチョークのパルミジャーナ。
ジョルジョーネのズッキーニのパルミジャーナ。
そういえば、ナポリではラザーニャはカーニバルの食べ物、という伝統があります。今頃食べているかも・・。
下の動画はラザーニャの本家、ボローニャとナポリのカーニバルのラザーニャのリチェッタを比べたもの。両者には大きな違いがあります。似てるけど違うのです。動画ではさらっとやり過ごしていたので気がつかないかも。
答えはパスタです。ボローニャは軟質小麦粉のほうれん草入り手打ちパスタ。ナポリは硬質小麦粉の乾麺のパスタを使います。詰め物に欠かせないラグーですが、ナポリのラグーの話をすると、また別の料理の話になるので、きょうはこの辺で・・・。
ナポリのラグー、ジェノベーゼ。
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パルミジャーナがパルマとなんの関係もないのと同様、ジェノベーゼもジェノバとは何の関係もないナポリ料理。というか、正確には最近の研究では、アラブからシチリアに伝わったパスタを広めたのはジェノバの商人だったということにが分かっています。ジェノべーゼ(ジェノバ人)はナポリの人にとっては足を向けて眠れない、ナポリ繁栄の基礎を作ってくれた人たち。でも、それがラグーとどう結びつくのかは相変わらず不明。
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