今日は今月の(CIR)1月号から、ワイン、というか、ぶどう品種の話です(P.37)。
今月のブドウ品種は“モンタルチーノmontalcino”。
『サーレ・エ・ぺぺ』誌の連載記事です。
イタリアの料理雑誌には、イタリアの食材を表現するとき、こんな表現はイタリア人にしかできない、と感心する言葉がたくさん登場します。
常々、ソムリエのワインの風味を表現する語彙にも関心しているのですが、今月もそんな言葉が続出していました。
まずは、モンタルチーノとブルネッロの関係。
あなたならどう表現しますか。
モンタルチーノはトスカーナのブルネッロというワインで有名なコムーネで、シエナ県でもっとも広いコムーネ、というのは基礎知識。
記事では、ブルネッロは
「モンタルチーノのお気に入りの息子で、世界で一番重要なワイン、ブルネッロとの関係は不動の特別なもの。」
「モンタルチーノのお気に入りの息子で、世界で一番重要なワイン、ブルネッロとの関係は不動の特別なもの。」
さらに、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのメンターは、ビオンディ・サンティだ」とも言っています。ビオンディ・サンティはブルネッロ・ディ・モンタルチーノの造り手として知られるカンティーナ。
使われるぶどうサンジョベーゼ・グロッソsangiovese grossoはビオンディ・サンティが創り出した彼らのぶどう。
お気に入りの息子、って表現、ファミリーの絆が重視される闇の家業みたいでカッコいい。
かと思ったら、メンターって、ハリーポッターみたいな言葉も出てくるし、
そもそもメンターってのは日本語で言うなら新人のお手本になるような経験豊富な先輩、というような意味。
まとめると、ブルネッロはモンタルチーノのお気に入りの特別な息子で世界一重要なワインで、ビオンディ・サンティを先輩と慕っている、という、なんだかタランティーノあたりがハリウッドで映画化しそうなすんごくドラマチックなぶどう品種、というのが伝わってきます。
モンタルチーノ。
モンタルチーノは海からわずか50㎞。乾燥して温暖な典型的地中海性気候。春は雨が少なく、秋の終わりに散発的に雨が降る。
カンティーナ・ビオンディ・サンティ。
1970年のモンタルチーノのぶどう畑はわずか60haだったのが、現在では1600haを超えているというのだから、モンタルチーノの開発はまさに爆発状態。
モンタルチーノは今やフィレンツェよりトスカーナを象徴する場所。アメリカがブームの震源地だと思われますが、この熱狂ぶりはちょっと引きます。
でも、モンタルチーノを知らずにイタリアワインは語れない。
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