今月の(CIR)のリチェッタ、“タコこのワイン煮のパッパルデッレ”(P.4)のために、タコのリチェッタを調べると、アッフォガート、ウブリアーコ、ルチアーナ、ブラザーレなど、色々見つかりましたが、すべてに共通しているのがアッラ・ルチアーナ(サンタ・ルチア風)。
タコはアサリと共にナポリ湾の銘産物で、ナポリ人にとても愛されている軟体動物なのでした。ボンゴレに匹敵する人気パスタが、ナポリのタコ漁師が多く住むサンタ・ルチア地区発祥のタコのアッラ・ルチアーナのパスタ。
これらのパスタはいわばロッソ。
ビアンコのタコのパスタもありました。
ナポリを代表するシーフードと組み合わせる野菜と言えばこれ、ズッキーニ。
“タコとズッキーニのリングイーネLinguine con Polpo e zucchini”です。
冷凍のタコを使い、スーゴをコーンスターチでつないでいます。
次の動画はタコのルチャーナのシチリア風。シチリアではルチャーナことをムラーティ muratiと呼びます。
小ダコのアッラ・ムラーティ。
漁師さんのシチリアなまり、カッコいいけど何言ってるのかさっぱりわからなくて頭に入ってこない・・・。
ムラーティとは石工のことなので、タコを鍋の中で密閉して煮る様子が石工さんの石を積み重ねて接着する作業に似ていたから、こう呼ばれるようになったのかな、なんて推測してます。密閉して少量のワインと共に弱火で煮る料理なら、ピエモンテの牛肉の調理方法、ブラザートに似ています。
ブラザーレは炭が語源の調理方法。つまり暖炉でコトコト料理することを意味しています。さらに暖炉では炭を密閉した鍋の上にのせて上下からの熱で焼くこともできます。
密閉した容器でことこと煮るのは、南ではラグーを作るときの調理方法です。
牛肉のバローロのブラザート。
タコのブラサート。
北のシェフが南の要素を一切感じさせずにタコを調理します。なまってない。
材料/4人分
好みのパスタ・・400g
タコ(24~最低48時間冷凍して繊維を柔らかくする)・・800g
にんじん・・1本
玉ねぎ・・1/2個
赤ワイン・・1カップ
セロリ・・1本
にんにく・・1かけ
トマトペースト・・大さじ1
トマトのパッサータ・・大さじ4
イタリアンパセリ・・1房
EVオリーブオイル、塩
・タコを同じ大きさに小さく切る。
・フライパンに油と潰したにんにく1かけ、イタリアンパセリの茎を1~2分ソッフリットにし、タコを加えて30分炒める。イタリアンパセリの茎とにんにくを取り出す。
・赤ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・粗く刻んだセロリ、にんじん、玉ねぎ、トマトペースト、トマトのパッサータを加えて煮る。
・イタリアンパセリのみじん切りと唐辛子、ゆで上がったパスタ、ゆで汁少々を加えてマンテカーレする。
・皿に盛り付けてイタリアンパセリ、唐辛子、レモンの皮のすりおろし少々を加える。
軟体動物のラグー、美味しそう・・・。
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