2023年1月12日木曜日

ナポリの冬のパスタのポイントはスーゴのとろみ。グラニャーノのミックスパスタ、リゾッタータなゆで方、最終兵器のプロボラがお勧め。

今日は今月のリチェッタから、ブリーモ・ピアットの1品目です。
“じゃがいも、ブローボラ、パンチェッタ、ローズマリーのパスタpasta, patate, provola, pancetta, e rosmarino”(リチェッタはP.4)
“パスタ”は、ディタリーニditaliniタイプとあります。小さなditalo(指ぬき)という意味の名前。
カンパーニア生まれのサイコロサイズのミニパスタです。いんげん豆など同じ程度の大きさの小型の具材と相性が良く、スープやパスタ・エ・ファジョーリに最適です。
パスタの辞書のようなスローフードの本『パスタ・フォルメ・デル・グラノ
によると、直径は4~11㎜、小さなものはブロード用、大きなものは豆のスープの具にするのが一般的だそうです。特にインゲン豆とグリーンピースのスープに入れます。
ナポリ風パスタ・エ・ファジョーリ。
ナポリのパスタのスープの特徴は、グラニャーノのミックスパスタを使うこと。
アルティジャナーレのグラニャーノのパスタは低温で長時間乾燥させているのでゆで汁にデンプンが溶け出るのが特徴。このタイプのパスタはこの特徴を活かしてソースにとろみをつけるために、リゾッタートというゆで方が最適。リゾットを作るときと同様、湯を少量ずつ加えてデンプンを溶け込ませる方法です。もちろん、今月のリチェッタのパスタもこの方法でゆでています。

ナポリ風パスタ・エ・ファジョーリ。

パスタ・リゾッタータpasta risottata。

トゥベッティtubettiというよく似たパスタもあります。こちらはいんげん豆よりもっと小さな豆、グリーンピースに合うサイズ。

ナポリ風パスタ・エ・ピゼッリ。

パスタと豆のスープは煮汁をクリーミーに仕上げることが絶対条件なので、豆の一部をミキサーにかけます。
パスタ・エ・ファジョーリもオーブン焼きパスタも、かなり冬向きのパスタです。
そうそう、じゃがいもとブローボラというのは、カンパーニアの伝統的組み合わせ。
とろみを生み出します。
パスタ・パターテ・エ・ブローボラ。下の動画ではスカモルツァ・アッフミカータを加えています。

シチリアにはアネッレッティanellettiというよく似たパスタがあります。
シチリア名物のオーブン焼きパスタ、ティンバッロには欠かせないパスタです。
アネッレッティのティンバッロ
アネッレッティはティンバッロに最適だけどシチリア以外では手に入れにくいパスタ。

次回はパスタ・エ・ファジョーリ以外のナポリのパスタと野菜のスープ。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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