イタリア料理にトマトが加わると・・・。
料理に赤い色が加わった。
さらにトマトには、ソースのつなぎの役目があった。
イタリア料理のソースには、トマトは必須となったが、中には、特にリグーリアのソースには、ペースト、クルミのソースなどトマトが入らないものが多い。
クルミのソースは乳製品でつなぐ。
肉や乳製品を使ったソースはラツィオのものが知られていて、代表はアマトリチャーナ。
アマトリチャーナのトマトなしはアッラ・グリーチャ。
トマトと同様のつなぎの役割は、チーズにもある。このタイプの代表はカルボナーラ。
古くからあるリチェッタでは生クリームは加えない。生クリームを加えると熱いパスタに絡めたときに卵黄が固まりにくくなるが、卵黄に水を少量加えてよくホイップしてからパスタとあえても同様の効果が得られる。
ラツィオのカーチョ・エ・ペペがこのタイプのソースのルーツ。
トマトは保存加工に適した野菜で、中でもサン・マルツァーノは缶詰に最適だった。
上質なホールトマトやパッサータとは、トマトの味に忠実なもの。肉厚で水っぽくなく、フレッシュで甘みと酸味のバランスが取れたもの。
美味しいトマトソースの基本は、トマトの美味しさを見極めること。
保存用トマトの加工のベースは、ペラーティpelati,パッサータpassata、ピューレconcentrato、コンセルヴァconserva、ドライトマトのオイル漬けsecchi sott'olioなど。
トマトソースsalsa di pomodoroやケチャップketchupもこの仲間だ。
サンマルツァーノトマトと、メーラ・アンヌルカというナポリ名物のりんごの皮を使ったケチャップです。これを使えばナポリタンがケチャップパスタとからかわれることもなくなるかも。ナポリ風ケチャップのベースはサン・マルツァーノのパッサータ。りんごの皮やにんにく、ローリエ、唐辛子などを加えて煮詰め、撹拌します。
メーラ・アンヌルカ。
ポモドーリ・ペラーティ。
・トマト約2.5㎏を洗い、布の上で最低24時間乾かす。
・鍋にたっぷりの湯を沸騰させ、トマトを入れて2分ゆでる。
・トマトが膨らんで皮が実からはがれてきたら取り出してバットに広げて粗熱を取り、手に水をつけながら皮をむく。ボールの上で作業して作業中に出た汁を集める。皮も取っておく。(トマトが完熟しているとカンタンにむける)
・皮をムーランで裏漉しして汁を集める。
・煮沸殺菌した保存用瓶に皮の汁、洗って乾かしたバジリコ1枚、開いて水気を切った皮むきトマトを立てて隙間ができないように押しながら詰めて汁をかける。塩を一つまみ加えて蓋をする。
・布巾を敷いてぬるま湯を入れた鍋に入れて蓋をし、30~40分煮沸殺菌する。
・湯に漬けたまま冷ます。
漬け汁に砂糖、こしょう、ローリエになどを加えてもよい。
そしてホールトマトを裏漉しするとトマトのパッサータになります。
ほぼトマトソースの誕生です。
トマトのペラーティから造るサルサ・アッラ・マリナーラ。
材料ホールトマト・・400g
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル
塩、こしょう、オレガノ
・ホールトマトをフォークで潰す。
・にんにくをみじん切りにして油でソッフリットにする。潰したホールトマトを加えてなじませ、塩、こしょうし、ドライオレガノを散らす。蓋をして20分煮る。
ピッツァ・アッラ・マリナーラ。
トマトソースのパスタの一番シンプルなものは夏の間だけナポリのトラットリアに登場する生トマトのパスタ。
生トマトのパスタmaccheroni al pomodoro cruso
材料/
パスタ・・350g
チェリートマト・・300g
にんにく・・1かけ
バジリコ、EVオリーブオイル
塩、こしょう
・トマトを2〜4つに切ってにんにくのみじん切りとちぎったバジリコ、油、塩、こしょうで調味する。
・パスタをアルデンテにゆでてトマトであえる。
夏以外の季節はペラーティやパッサータで作ります。
夏の生トマトのパスタ。
チリオはパッサータの製品化にも成功。
パスタソースは、野菜やキノコ、ドライフルーツ、ハーブがベースのもの、乳製品やチーズ、生ハム類の動物性素材のソース、魚と甲殻類がベースのものの3つに大別できる。
次回のテーマはリグーリアのパスタソース。
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