2023年1月19日木曜日

ラディッキオ・ロッソのリゾットは、色を出すために赤ワインを加える。リゾットの酸味は白ワインで加える。

今日のお題はヴィアローネ・ナノVialone nano。
イタリア食材の辞書、1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ

には、ヴェルチェッリの稲作文化の試行錯誤の結果生まれたイタリアの稲作の傑作、とあります。“ナノ種”と“ビアローネ種”を交配させて作り出しました。栽培が始まったのは1937年、ヴェローナ県に導入されたのが1945年と、比較的新しい米です。
ビアローネ・ナノはセミフィーノ米。リゾット用米として作り出されましたが、煮崩れしにくく、煮汁の味をよく吸うので様々な料理に使うことができます。

ビアローネ・ナノの田んぼ↓。生産量が減って、地元の米農家は改革に取り組みました。その情熱の深さは、危機感の裏返しなのかもしれません。

特にラディッキオのリゾットは、トレビーゾのシンボル的料理としてイタリア中に知られています。
この料理の主役はトレビーゾの主役2品。ラディッキオとビアローネ・ナノ米です。料理に使ったワインを添えていただくのが一般的。

イタリア料理の米の本には、『リーゾ

という傑作があります。
でも、この本は、イタリアの米の中心地、ピエモンテ州が後援している本だけあって、ピエモンテの情報は手厚く取り扱っていますが、ヴェネトのビアローネ・ナノは、ほとんど無視、という状態。ヴェネトの米、ビアローネ・ナノに対して、ピエモンテの米の王様はカルナローリ。昔はビアローネ・ナノは溶け出すデンプンの量は今より少ない品種でしたが、リゾットに適する米に品種改良が進みました。つまりデンプンがたっぷり溶け出て、アッラ・オンダと呼ぶ状態になる米が理想とされました。

リゾットのアッラ・オンダ。

パスタのアルデンテに比べて米のアッラ・オンダはまだまだマイナー。

それではラディッキオのリゾットをどうぞ。
ビアローネ・ナノ米の話をしたのでビアローネ・ナノを使っている動画を探したけど、なんとほとんどカルナローリ米を使ってました。
下の動画は珍しくビアローネ・ナノを使っている少数派。

材料/
ビアローネ・ナノ米・・300g
ラディッキオ・ロッソ・・330〜340g
おろしたパルミジャーノ・・30〜40g
バター・・40g
エシャロット・・1個
EVオリーブオイル
野菜(セロリ、玉ねぎ、にんじん、にんにく1かけ、塩)のブロード・・約1リットル

・鍋に米を入れて中火で3〜4分炒める。米は50〜70℃になる。米を取り出す。
・エシャロットをみじん切りにする。
・ラディッキオを薄く切る。
・バターでエシャロットを中〜弱火でソッフリットにする。
・エシャロットが透き通ったら米を加えて炒め、米に油を吸わせる。
・白ワインを加えてアルコール分を飛ばし、ラディッキオを加えてしんなり炒める。ワインの代わりの酸味となるミニトマト2〜3個をブロードに加えてもよい。
・レードル2杯のブロードをかけて混ぜる。ブロードが減ったらブロードを少量足して中火でかき混ぜながら15〜18分煮る。仕上げにマンテカーレするので表示より1分短く煮る。
・火を止めてパルミジャーノを加え、マンテカーレする。パルミジャーノを加えた後に味を見て塩味を整える。
・バターを加えてマンテカーレする。蓋をして2分休ませる。ひと混ぜして平らな皿に盛り付け、皿の底を叩いて均一に広げ、ラディッキオで飾る。

おまけはこの地方の名物の山のチーズ、モンテベロネーゼ。


リゾットは、平らな皿に盛り付けるんですね。
次はこの地方のもう一つの名物、プロセッコの話です。


=====================================
イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
[creapasso.comへ戻る]
===================================

0 件のコメント:

ブッラータはプーリア以外の地方の定番料理にもよく合います。コクとフレッシュさが同時にあるこのチーズは、成功するマーケティングを研究した魔法使いが生み出したようなチーズ。

今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の食材の記事は、“ブッラータとモッツァレラ”。 リチェッタも数品紹介されています。 1品目はブッラータのジェラート。 純白のジェラートで、見た目はとても美しいのですが、残念ながらブッラータのジェラートの動画は見つからなかったの...