2023年1月5日木曜日

バーチ・ディ・ダーマ、甘くないサラートもあり。添えるのはチューハイじゃなくてジンジャーフィズなんてどう。

今日の料理は前菜の2品目、“パーチ・ディ・グラナbaci di grana”。リチェッタはP.2。
バーチは丸いクッキーの間にクリームを挟んだ一口大のもので、ドルチェだけでなく、サラートでもその形を模したものはバーチと呼ばれて、バリエーションは無数にあります。
今回のバーチは、グラナのバーチとあるように、ビスケット生地にグラナ・パダーノが入っています。きのうのエビのアーモンド揚げに添えると、ちょっとゴージャスなアペリティーボになります。
それでは、元ネタのバーチについて。
イタリア旅行土産の定番で、近所のスーパーでも売ってるバーチですが、これは1988年にネスレに買収されたペルージャの会社ベルジーナが今や年間8000万個も作っているチョコレート。

バーチの本家は、バーチ・ディ・ダーマbaci di damaというピエモンテのビスコッティ―ニ。ヴァッレ・ダオスタにも、リキュール入りのやや違うリチェッタのバーチがあります。
ピエモンテのバーチ・ディ・ダーマには、アーモンドがベースのトルトーナtortonaのタイプと、ヘーゼルナッツがベースのカステッレットcastellttoタイプがあります。
アレッサンドリア県、トルトーナのパスティッチェリーアで1852年11月のある晩、サボイア家の料理人が、何か新しいものを食べたいと言うビットリオ・エマヌエーレ2世(イタリアの初代国王、ピッッァで有名なマルゲリータ王妃は息子の嫁)のためにに考え出したと言われています。パスタ・フロッラの半球形のビスコッティでチョコレートやジャムなどを挟んだ姿が貴婦人の唇のようだと、この名前が付けられました。

トルトーナのパスティッチェリーア・カザーリのバーチ・ディ・ダーマ。

イタリアを代表するパティシエ、イジニオ・マッサーリ師匠のバーチ・ディ・ダーマ。

材料/125個分
バター・・300g
砂糖・・300g
アーモンドプードル・・300g
小麦粉・・300g
卵白・・50g
塩・・3g
テンパリングしたチョコレート・・375g

・バターと砂糖をホイップする。低速でさっと攪拌したらアーモンドプードル、塩を加えた卵白を加えてよく混ぜる。
・振るった小麦粉を加える。打ち粉をした台にあけ、ラップで包んで冷蔵庫で2時間休ませる。
・打ち粉をした台にのせて打ち粉をし、麺棒で厚く伸ばす。
・生地を角切りにして1個ずつ丸め(半球1個が約4g)、天板に並べる。
・180℃のオーブンで12分焼き、裏返して冷ます。
・その上にチョコレートクリームを絞り出し、底を合わせるように2個ずつ重ねてはさむ。
・バリエーション; ヘーゼルナッツの粉で作る、またはヘーゼルナッツとアーモンドの粉を半々ずつ混ぜる。ヘーゼルナッツパウダーは味が強いので、イタリア産のものがお勧め。

ヘーゼルナッツのバーチ・ディ・ダーマ。

下の動画はピエモンテのヘーゼルナッツの収穫。
ピエモンテはヘーゼルナッツの産地。オリーブが育たないので、かつてはオイルと言えば、ヘーゼルナッツオイルでした。アーモンドも育たないので、アーモンドの代わりにヘーゼルナッツを使うのは自然な選択。


バーチ・ディ・ダーマ・サラーティ
甘くないバーチ・ディ・ダーマは、パーティーにも合う前菜、またはアペリティーボ。
チーズはクリームの代用の定番ですが、今月のリチェッタではカボチャのピューレをはさんでます。

グラナのバーチに添えるのは、ジンジャーフィズ。これは、普段チューハイに慣れてると、すんごいオサレに感じるけど、ひっょとして、フィズって、チューハイと同じことかも・・・。なんて思う今日この頃です。
ジンジャー・フィズ。

本で紹介しているのはミラノのバーテンダー・スクールの先生のジンジャー・セージ・フィズでした。
シロップにセージを加えます。さらに真っ赤なラズベリー数粒と緑のセージ数枚を浮かべます。とても美しい夏らしくてイタリアらしいカクテル。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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