今日のお題は、カントゥッチとは切っても切れない、ヴィンサントvinsantoです。
そもそも、ヴィンサントとは、甘くてアルコール度の高いトスカーナの白ワインです。
干したぶどうから造るパッシートワインの一種で、主なぶどう品種はトレッビアーノtrebbianoやマルヴァジーアmalvasia。
イタリア各地の特産品を解説した本、『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』によると、サンジョヴェーゼから造ったものは、“vinsanto occhio di pernice”と呼ぶそうです。
年間わずか500~600本しか作られていない貴重品。ちなみに下の動画でテイスティングしているのはルカ・マルティーニという世界のベストソムリエと評価されている人。1980年トスカーナのアレッツォ生まれ。ワインの色はマホガニー色と呼んでますねー。ビャクダンの香りもするそうです。ワインを形容する詩のような言葉が次々に流れ出てきます。
下の動画はヴィンサント・デル・キアンティができるまで。ぶどうを収穫したら風通しの良い部屋ですのこに広げて約2か月間乾燥させて糖分を凝縮させます。
聖なるワインという意味のヴィンサントの語源には2つの説が知られていて、ミサに使われるからこう呼ばれるという説と、東西のキリスト教間の問題を解決するために開かれた1439年のフィレンツェ公会議の時に、晩餐会で出された甘いワインがとても美味しく、正教会の高位聖職者が、思わず「サントスのワインだ」と叫んだのでした。“サントス”とはギリシャ語で黄色という意味。ギリシャのサントリーニ島で造られている黄色いワインを思い起こさせたというのです。
熟成させたヴィンサント・デル・キアンティ。
サントリー二島のワイン
現代のイタリアワイン通なら、「リパリのマルバジーアだ!」と叫んだかも。
ヴィンサントとストルーデルとカントゥッチのデザート。
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