2023年1月11日水曜日

洋梨はイタリアではぺーレpere、梨はメーラぺーラmalapera。イタリアでは栽培量が減少して限界作物なんて呼ばれてるらしい。

今日のお題は(CIR)1月号のリチェッタから、“ラディッキオ、リコッタ、洋梨、クルミのトルタ・サラータ”です(リチェッタはP.3)。
トルタ・サラータは、フランス語で言うとケークサレ。つまり、甘くないケーキ、惣菜の一種です。生地はパイ生地を使っています。

パイ生地のトルタ・サラータ。

 今回のトルタ・サラータのポイントは、冬の食材を使っている点。パイ生地にラディッキオ、リコッタ、洋梨、くるみを詰めた、グルメなら美味しさが十分想像できて、ワインが進みそうなケークサレ。
ラディッキオについては、1月号のグルメ旅で取り上げているトレビーゾの名物野菜でもあります。ラディッキオは霜が降りると湧き水に房を浸して新しい芽を出させて軟白栽培する冬の野菜。
食べる花と呼ばれる美しい野菜ですが、この姿で畑に生えるのではなく、イタリアならではの人の手がすんごくかけられている貴重でアルティジャナーレな野菜。

ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾの栽培。

ラディッキオ・ロッソ・タルディーボの収穫。
完成したラディッキオは、中心にだけ赤い筋が入った白い野菜。他に類を見ない赤い色をパスタやソース、ジャム、パテ、オイル漬けなどに加えます。

洋梨も冬の食材。
洋梨とくるみは相性の良さで知られる組み合わせてですが、わざわざ洋梨と“洋”をつけて呼ぶ梨は、イタリア語ではpere/ぺーレ。ヨーロッパには氷河期からあり、ホメロスはザクロやぶどう、オリーブなどと同じ神の贈り物だと言っています。
イタリアで洋梨の消費量が多いのはエミリア・ロマーニャ州。生産量も一番多い州です。
ちなみにイタリアの洋梨の消費量はりんご、オレンジ、バナナに次ぐ多さ。梨は実のなる量も多いようで、新しい品種も次々出ているお馴染みの果物。

消費量が多い品種はWilliamsやAbate、Kaiserなど、ウィリアムはイギリス系。

nashi/ナシと呼ばれるものもありました。見た目も日本の梨そのものですが、おそらく中国原産の品種だと考えられています。生のままカプリーノなどのクリームチーズと食べるのに最適で、みかん、きんかん、オレンジ、チェードロなどの柑橘フルーツと冬のマチェドニアにするとおいしいそうです。

梨は別名メーラぺーラなんだそうです。そういえば日本でもりんご梨とよばれていたそうです。
ナシは洋梨+りんごのような果物。勉強になりました。

ゴルゴンゾーラ、洋梨、くるみのトルタ・サラータ。

洋梨、くるみ、ゴルゴンゾーラも黄金の組み合わせ。生地はパスタ・フロッラ。

チョコレート、くるみ、洋梨のケーキ。

甘いトルタも美味しそう・・・。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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