カボチャのリゾット、ニョッキの次は、カボチャのパスタです。
今日のお題は、カボチャのトルテッリtortelli di zucca。
北イタリアの人はナポリの人をからかう時に、葉っぱを食べるmangiafogliaと言ってからかうほど野菜を食べません。でも、カボチャはミラノやマントバ周辺ではたっぷり栽培とされていました。カボチャがこの地方の特産品の米と結びついたのが、カボチャのリゾット。ニョッキも北イタリアでは人気の料理。この場合はカボチャはじゃがいもの代わりにを務めます。
そしてカボチャのトルテッリ。詰め物入りパスタは、正直言って北イタリアの食べ物。最大のポイントは、薄く均一に伸ばした生地。
詰め物入りパスタと言えば、手打ちパスタの本場、ボローニャなどエミリア・ロマーニャ州の名物。
この地方では乾麺に欠かせない硬質小麦は育たなかったので、軟質小麦のパスタが広まりました。
硬質小麦のパスタは複雑な形を作るのは苦手で、薄ーく伸ばして詰め物にかぶせて複雑な形にしながら中身が出ないようにしっかり閉じる詰め物入りパスタには適さないのでした。なので南イタリアには詰め物入りパスタはあまり普及しなかったのです。
今月の(CIR)の記事(P.31)にもあるとおり、エミリア地方の主婦、レズドーラは、軟質小麦粉のパスタを薄く伸ばす技を究極に高めました。
レズドーラの傑作、詰め物入りパスタ
そんな条件でもカボチャのトルテッリは人気になりました。カボチャの特徴はその甘くてマイルドな味。酸味と組み合わせるとルネサンスの人気の味として知られるアグロドルチェな味になります。カボチャは様々な食材と組み合わせて複雑な味を生み出すことができました。
詰め物入りパスタには様々な形がありますが、形や生地の厚みを決めたのはレズドーラ。
マントバのカボチャのトルテッリ。
詰め物入りパスタの代表はビーナスのおへそことボローニャのトルテッリーニですが、
カボチャのトルテッリは妊娠中のマリアのお腹。
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