2022年11月18日金曜日

ピッツェリアでは売ってないナポリのイブの名物、スカローラのピッツァ。


クチーナ・イタリア・レジョナーレ、12月号の最初の料理はナポリのクリスマスイブまたは冬の定番料理、“スカローラのピッツァ”です(P.2)。
ナポリ料理の大家、ルチアーノ・ピニャタロは、その有名な著書、『リチェッテ・ディ・ナポリ』で

ナポリでは12月24日と12月31日にスカローラのピッツァを食べます。つまり豪華なディナーが控えている日の昼食の腹ごなし、といった料理。と書いています。
ちなみに本にはオーブン焼きとフリットの2つのパターンのリチェッタがあります。
でも、おいしいので今では一年中、食べたいときに食べる料理です。
探すとスカローラのリチェッタはこの本の中でもいくつか見つかります。かなりナポリではおなじみの野菜のようです。
ピッツァという名前でもピッツェリアには売ってません。どちらかと言うと惣菜店で売っている食べ物です。

スカローラはエンダイブやチコーリアという名でも知られています。レタスに似ていますが、ラディッキオの仲間でチコーリアの一種。

この料理の主役、スカローラは冬野菜。カルロ・クラッコの地方料理の本、『クラッコの地方料理
には、スカローラはカンパーニアのシンボルのような野菜の1つ。北イタリアの野菜のシンボルは縮緬キャベツですが、スカローラは南の縮緬キャベツです。と説明しています。

私は初めて訪れたプーリアでチコーリアと出会い、歯ごたえがよくて食べ応えがあり、いかにも健康に良さそうなほろ苦さもあるこの野菜が忘れられなくなりました。しかも、ソラマメのピューレのような甘みのある付け合わせやオリーブオイルとよく合うのです。ただ、ナポリのスカローラはレタスの一種かと勘違いしていて、チコーリアとは思わなかったなあ。
火を通すと生まれ変わる野菜です。スカローラのピッツァはスカローラが具ですが、スカローラは詰め物をするのに適した野菜。生食用スカローラはリッチャ、加熱用はリッシの2種類があります。
チコーリアは別名カタローニャ。その芽はプンタレッレと言います。

カタローニャ。

スカローラの下ごしらえとスカローラのストゥファータLa Scarola Stufata。

・下ごしらえしたスカローラを鍋に入れて火をやや弱め、20分蒸し煮にする。
・フライパンで油、にんにく、アンチョビ、黒オリーブをソッフリットにし、水気を切ったスカローラを加える。こしょうとケッパーを加え、蓋をしてなじませる。

スカローラの詰め物料理はスカローラ・インボッティータと言いますが、ナポリ方言になると、Scarole 'mbuttunateと書くようです。

プーリアのソラマメとチコーリア。


詰め物入りスカローラのリチェッタは次回。



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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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