キアンティの話なので、キアンティ関係の本をご紹介。
ほぼ忘れていたような本ですが、キアンティやフィオレンティーナの話の時はよく参考にしています。『エロ―ジョ・デッラ・ビステッカ(ラ・フィオレンティーナ・ダッラ・キアニーナ・アッラ・ターヴォラ)』という本です。
フィオレンティーナやキアニーナの歴史的背景にはとても詳しい食文化の本です。写真はぼけた白黒写真のコピーのような状態ですが、《ピッコロ・リチェターリオ》という小さなリチェッタ集があって、ここだけはカラー写真付きです。
その中に、エシャロット風味のタリアータというのがあるので訳してみます。
そもそもフィオレンティーナは、イタリアの肉料理を追求していくと必ずたどり着く分野です。
Tagliata allo scalogno
材料/6人分
指2本分の厚さの骨付きリブロース・・3枚
エシャロット・・8個
熱いブロード・・大さじ9
白ワイン・・75ml
ビネガー・・大さじ1.5
イタリアンパセリのみじん切り・・大さじ1.5
EVオリーブオイル、塩、こしょう
・フライパンに油少々を引き、エシャロットを加え、蓋をして透き通るまでじっくり蒸し煮にする。
・塩、こしょう、ブロード、ワイン、ビネガーを加えてさらに15分煮る。
・熱した網で肉を片面4分焼く。塩をして皿に取り、覆いをして保温する。
・熱い網を水少々でデグラッサーレし、エシャロットに加える。イタリアンパセリを加えて弱火で1分煮る。
・肉を斜めに厚さ0.5㎝にスライスしながら骨を取り除く。
・熱したバットにタリアータを盛り付けてエシャロットのソースを添え、インサラータやラディッキオ・ロッソを添えてサーブする。
※イタリアンパセリの葉と他の材料をミキサーにかけて塩をし、ソース用の器に盛り付ける。
もう1冊、フィレンツェとキアンティのオステリアのリチェッタ集、『リチェッテ・ディ・オステリエ・ディ・フィレンツェ・エ・キアンティ』には、トスカーナ風オッソブーコというリチェッタが載っていました。
オッソブーコは先日の料理、ペポーゾに使ったすね肉の骨を取り除かない肉を使います。
さらに本によると、オッソブーコはフィレンツェの庶民の日曜日の料理で、牛のすね肉を骨ごと厚さ2㎝に切った肉を使います。長い時間煮るほど美味しくなる料理で、トラットリアでは牡牛のオッソブーコが主流ですが、家庭では柔らかくて煮やすいメス牛のオッソブーコが人気でした。
料理のポイントは最初に肉を焼くこと。この時のメイラード反応が、ただの煮込みとの違いを生みます。
メイラード反応はステーキを焼く人たちにとっては基本中の基本。
トスカーナ風オッソブーコ。トスカーナ人がミラノ人から盗んでやったぜと自慢する料理。ミラノ人はバターを使うけど、トスカーナ人にとってバターはジャムと一緒にパンに塗るもの、トスカーナ人はオリーブオイルを使うんです、だって。あと、トマトペーストを小さじ1杯入れるのも超ちっちゃいこだわり。
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