2021年7月14日水曜日

ポルチーニは地元のベテランに従うのが一番。調理の基本は、フリット、グリル、トリフォラート。

エミリア・ロマーニャも、マーレ・エ・モンティの地方です。
今日は山の話。
きのうちょっと登場したボルゴターロは、ポルチーニの産地として有名。↓

閑静な街に人があふれるポルチーニ祭り。

エミリア街道の端にあるボルゴターロはパルマ県の街。街道はローマまで続いています。
祭りでポルチーニを買う時は、地元の森林局の許可を取った業者のものを買いましょう。
ポルチーニは無許可の採取でも生態系が荒らされますが、調理方法も守らないと、味が破壊されます。

素人が取り扱うには、なかなか難しい食べ物。毒きのこと安全なきのこの見分けがつく地元のベテランは、とても頼もしい存在。料理も地元の人気店が一番信頼できる。

お勧めの店は 、リストランテ・マヌビオラristorante Manubiola(webページ)

アペニン山脈の山の幸、ポルチーニを地方料理にたっぷり取り入れているのはトスカーナ。
トスカーナ料理のお勧め本は“GT地方料理シリーズの『クチーナ・トスカーナ

ポルチーニ料理の基本は、フリット、グリル、トリフォラート(ソテー)。
『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ/1巻』(売り切れ)のリストランテ・マヌビオラのリチェッタは、
材料/6人分
揚げ油用植物性油
溶き卵・・2個
パンのクラム
薄くスライスした軸付きポルチーニ・・3カップ
塩、ポルチーニの傘・・6個
バター・・大さじ4
薄くスライスした軸付きポルチーニ・・3.5カップ
パセリのみじん切り

《fritto》
・ダッチオーブンに半分まで油を入れて中火で熱し、その間にクッキーシートにキッチンシート数枚を広げて塩をする。
・スライスしたポルチーニに溶き卵とパン粉をしっかりまぶして油で揚げ、シートに取って塩をする。
《griglia》
・ポルチーニの傘を熱したグリルかフライパンに並べて塩を散らし、2〜3分グリルする。
《trifolati》
・ソテーパンを中火で熱し、バターとスライスしたポルチーニを入れてきつね色になるまで熱する。裏返して塩をし、イタリアンパセリをたっぷり散らす。
・3種類の調理をしたポルチーニを6枚の皿に盛り付けてすぐにサーブする。

※マヌビオラのシェフは、最高のポルチーニは栗の木に自生したものをグリルして軽く塩をしたもの、と語る。
ポルチーニのグリル。

ポルチーニと栗はとても相性が良いようで、栗と組み合わせるリチェッタをよく見ます。
ポルチーニと栗のリゾット↓


カルロ・クラッコの『地方料理

には、こんなリチェッタがありました。ポルチーニを採りに森に行った時、栗の葉も一緒に10枚ほど集めておきます。
これを洗ってダッチオーブンか陶器のココットに敷き詰め、その上にポルチーニをのせて栗の葉のベッドで包み、蒸し焼きにする、というものです。
ただのきのこが星付き料理に変わりましたねー。
近所に栗の木が生えていない都会に住んでると、こういう発想、出てこないなあ。


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