2021年7月28日水曜日

ジェノバとサルデーニャでフォカッチャがたどった2種類の進化。

今日のお題はフォカッチャなんてどうでしょう。
テレビを見ながら、ビールでも飲みながら、いかがですか。

ジェノバのフォカッチャは過去に度々取り上げていますが、
似たような薄焼きパンはイタリア各地にあります。

例えば、サルデーニャのスピアナータspianata。
には、スピアナータとはクラムのないフォカッチャだ、とあります。
名言ですね。
そもそもフォカッチャは、オーブンが発明される前からあるパンなので、オーブンがなくても焼ける(熱した石の上でなど)、というのが大前提。

スピアナータは、羊飼いのような、どんなに過酷な条件下でも料理を作る才能に溢れたサルデーニャのフォカッチャ。
パーネ・カラザウのような薄焼きパンの傑作のあるサルデーニャの人が考え出したスピアナータとは、セモリナ粉のこんなパン↓


海を隔てたジェノバとサルデーニャで、フォカッチャはこんなに違うものに進化していたのですね。
サルデーニャのパンの特徴は、移牧の時に持ち運びしやすい、ということ。このパンを美味しく食べようとすると、必然的に具の種類が増えてリッチになる。
サルデーニャのパン↓


上の動画のパンはじゃがいもを生地に加えていました。
じゃがいも入りフォカッチャは、プーリアの伝統です。
じゃがいもは生地を柔らかくします。さらに、パンを焼いた後のかまどに入れて熾火(おきび)を有効利用するのもプーリアのフォカッチャの特徴。
プーリアのじゃがいも入りフォカッチャ↓

プーリアのパンと言えば、パーネ・ディ・アルタムーラ↓


ちなみに、プーリアのパンはキアンカchiancaと呼ばれる石の上に直接生地を置きました。
フォカッチャのルーツは、かまどの温度を見るために生地の一部をちぎり取って(ストラッパートstrappato)丸めて伸ばし、このキアンカの上にのせて焼いたパンでした。
このパンに半分に切ったミニトマトやオレガノをトッピングして生まれたのが、フォカッチャ・プリエーゼ。

ちなみに、このタイプのフォカッチャには、アルコール度とガス圧の高いダブルモルトのベルギーのアンバービールが合うそうです。
フォカッチャの代表的バリエーション、トスカーナのローズマリーのスキアッチャータ↓

相性のよいビールは、ビターで濃くのあるダブルモルトのベルギーのレッドエール。


リグーリアの発酵生地

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「日本語解説(CIR)」

リグーリアの発酵生地

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