2021年7月29日木曜日

今どきのソース、ペースト・ジェノベーゼ。

毎日暑いと、なるべく涼しい話題をと思って、過去の「総合解説」から、冷たそうな料理のお題を探しています。
今日は、2007年の7月号から。“ペースト風味”の冷たい料理です。
リグーリアの定番ソース、ペーストは、火を使わない夏向きソース。

2007年の「総合解説」(現在は“クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレCIR”に名前が変わりました)はさすがにかなり昔のリチェッタ。
当時は乳鉢で我慢強くすり潰すのが伝統を守った正しい作り方、と思われていました。
でも、最近では、ミキサーでいいじゃん、という現実的な作り方が一般的。
ミキサーなら3分でできる↓

さすがに時代の変化を感じさせるペースト作り。

比較的新しい本、『ファッチャーモロ・ペスト』ーは、最初からミキサーを使うことが前提。
乳鉢の呪縛から開放されると、ペーストは一気に多様なソースになります。


ペースト・ジェノベーゼはパスタ用のソースとしてリグーリア中にあっという間に広まりました。
元々土地の少ないリグーリアでは、バジリコは広い畑で栽培できず、丘の斜面に造った細長い段々畑で栽培しました。
このことは、この料理がリグーリアの都会に広まる要因にもなりました。
つまり、バジリコは都会のベランダでも栽培できたのです。
ベランダのバジリコとミキサーで作るペーストは、なんとも現代的なソースではないですか。
そもそもこのソースは、トレネッテ、トロフィエッテ、ニョッキ、ラザーニャ用のソースとして作り出されました。
ペースト・ジェノベーゼのトロフィエ↓

今どきのペーストの動画は、ペーストを作るところから始まるのではなく、ペーストをパスタのゆで汁で伸ばすところから始まるのかー。
これをもっと今どきの料理にするなら、やはりポイントはトロフィエ。
ご当地パスタは全国どこでも手に入るものではありません。
今どきの料理は、パスタ以外の一般的な料理にペーストを組み合わせています。
例えば、ミネストローネ。
製氷皿に入れて凍らせたペーストを温かいミネストローネかガスパチョに入れます。
さらに、タコとペーストのテリーヌ。
ゆでてぶつ切りにしたタコを型に詰め、ペースト入りのゼラチン液で覆って重石を載せて冷やし固めたもの。
ペースト入りのゼラチン液は美しい緑色。タコによく合います。付け合せはもちろんじゃがいも。
最後はペースト入りクリームチーズ。パンに塗ってカナッペ風にします。
おまけの動画、ベランダでバジリコを育てる。


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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...