(CIR4月号)のリチェッタから、“パッケリのミニ・ティンバロ、アスパラガスとペコリーノクリーム添え”の話。
(日本語のリチェッタはP.4です)。料理の写真もあるので、ミニ・ティンバッロはイメージできますよね。
ティンバッロtimballoは南イタリアの復活祭の伝統料理。
パスタをタンバリン形の型やテラコッタの浅鍋に入れて焼いたオーブン焼き料理。材料はリガトーニ、卵、チーズ、スパイス、ブロードなど。
たっぷりの卵の水分を飛ばすために長時間焼く料理。小さなミートボール、ゆで卵、スライスしたパンを加えるなど、バリエーションは豊富。
ナポリでとても流行した料理。特にアラゴン家のバージョンが人気だった。
アラゴン家はナポリ王国など南イタリアを支配した一族。シチリア王だった時期もある。
イタリア料理の世界でティンバッロと言えば、シチリア。
その存在を世界的に知らしめたのはランぺドゥーサの小説『山猫』とそれを実写化したヴィスコンティの傑作映画、『山猫』
バートランカスター、アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレというキャストも豪華だけど、最もコージャスなのは監督。ヴィスコンティの『山猫』
晩餐会の食事。
サリーナ領主の晩餐会の際にイタリア中から集まった客にふるまわれた“記念碑のようなパイ”で、シチリアの貴族の伝統料理の一つ。
質素なパスタを18世紀のフランス人修道士に“貪欲の勝利”と言わせたご馳走。詰め物を包むのはパスタで、詰め物にもパスタがある。まさにパスタの料理。
“山猫のティンバッロ”を出すレストランのティンバッロ
王侯貴族の料理、ティンバッロは、ルネサンスの時代、マントヴァやローマ、ミラノ、ヴェネチアの領主や法王の宮廷で誕生して、ナポリやパレルモに広まった。マッケローニをパスタ・フロッラで包んだティンバッロは、フェッラーラではエステ家の宮廷の伝統料理。それぞれのリチェッタに個性があるが、最も一般的なパスタはマッケローニ、リガトーニ、タリアテッレ、ラザーニャ。
フェッラーラ風パスティッチョ。
こんなことが書いてありました。
「日曜日はラグーの香りで目覚める。私の子供時代は、母方の祖父がいつもこの料理を作った。学校がない日曜日の夜明けは、この香りだが、これは夕食用の料理だったが、この時間から作っていた。南イタリアでは、日曜日の夕食は14時より前に出ることはない。定番の朝食は田舎パンやパーネ・カフォーネpane cafoneの分厚いスライス1枚にラグーをかけた1品だ。
ナポリのパーネ・カフォーネ。
これは毎週祖父と一緒に行う小さな儀式だった。ラグーは日曜日の普通のパスタにかけたり、誕生日や祝日には特別な料理、両シチリア王国の伝統の貴族料理、“マッケロー二のティンバッロ”にかけた。
シチリアのティンバッロ
ピアチェンツァのイーザ・マッツォッキのティンバッロ
こうやって見てみると、確かにティンバッロはパスタ料理ですね。なのでパスタのタイプによってリチェッタも大きく変わってきます。
パスタのティンバッロ
パスタのティンバッロ場合、まずパスタの大きさとパスタの形によってティンバッロも変わります。さらにパスたが穴あきの場合は、パスタに詰め物をする、パスタを立てて並べる、などのバリエーションが、さらにラザーニャのような板状のパスタだとラグーをかけて何層にも重ねる、などののバリエーションがあります。パスタを重ねるか立てるかだけでもかなり違います。
巨大なパスタ、パッケリは詰め物をして立てて並べるティンバッロにぴったり。
パッケリのティンバッロ。
オーソドックスな山猫のティンバッロもいいけど、(CIR4月号)のパッケリは、リコッタ、卵、パルミジャーノ、アスパラガスの輪切りとエシャロットの詰め物をパッケリに詰めてセルクルに並べ、ペコリーノ・チーズのソースをかけてオーブンでグラティナーレします。ペコリーノのソースはベシャメルにペコリーノと牛乳を加えて溶いたもの。
ペコリーノのソースとリコッタの詰め物のパスタ。
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