2008年7月10日木曜日

タヴェルナ・デル・カピターノ

今日はリストランテの話。

6月になると、イタリアでは、そろそろ夏のバカンスの行き先を決めようという時期のようで、雑誌でも海辺のレストランの紹介が始まります。
今日はその中から、ホテルレストランを1軒ご紹介。

『ガンベロ・ロッソ』で取り上げていたタヴェルナ・デル・カピターノ Taverna del capitano です。
まさに海の前にあって、ロケーションは最高!


タヴェルナ・デル・カピターノは、カンパーニアのマッサ・ルプレンセにある店。
店のhpはこちら。
 ↓
www.tavernadelcapitano.it


Baia di Jeranto
マッサ・ルブレンセのヤレントの入り江, Piero Castellano


Marina del Cantone
店のあるマリーナ・デル・カントーネ地区, photo by Fabrizio


ソレント半島の先の、アマルフィの裏側あたりにあります。
少し右にはトッレ・デル・サラチェーノ、左にはドン・アルフォンソという、カンパーニアの二大有名店に挟まれた、これまた有名店。

海の前のテラス
プライベートビーチあり
ホテルの部屋

シェフは、30代後半のアルフォンソ・カプート氏。
www.identitagolose.it

漁師の家を改装して店を始めたのは、お父さんのサルヴァトーレさん。
アマルフィの裏側で、観光地としてはマイナーだったマッサ・ルブレンセを、この店によって有名にした立役者です。
お母さんは厨房で料理を作っています。
お姉さんは17歳で資格を取ったソムリエ。

ミシュランでは2つ星の、ガイドブックの上位常連店。

泊まって、店御用達の漁師さんの船に乗せてもらって、そして食事をした人のブログがありました。
料理も詳細に解説しています。
www.altissimoceto.it

いやーすごいですねー。
ウニ、イセエビ、スカンピ、コウイカ、カサゴ、小ヤリイカ、ボッタルガ・・・。
新鮮な海の幸が、こう次から次へ様々な姿になって登場すると、圧巻だなあ。

まず、アペリティーヴォは、フランチャコルタ・サテン。
これに添えているのは、ストゥッツィキーニが入った小さなグラス6個。

次は様々なパン。

前菜は、ズッキーニの花のフリット、フィオルディラッテのモッツァレッラとモンティ・ラッターリ産リコッタ詰め。
詰め物はふんわりと軽く、ミルクの香り。
添えてあるのはフィノッキエットと乾燥させたズッキーニの花。

その次は、パヴィア産カルナローリ米のリゾット、コルクの樹皮とスカンピ添え。
なんと、コルクを入れてブロードを取ったらしいですよ。
その風味がスカンピと最高のコンビネーションなんだそうで。

次はウニですねえ。
半分に割って並べただけなのに、なぜか美味しそう。
ムラサキウニかな?

そしてその下は、コウイカの刺身ですかね。
わた、オレンジの皮、生の空豆も入っています。

さらに下は、地元産イセエビの海藻のフリット添え。
塩ではなく、自家製のハガツオのボッタルガの粉を散らしています。
赤いサルサは、ミニトマトと地元産の甘い唐辛子。

その次の料理は、カサゴのタリオリーニ仕立て、小ヤリイカとズッキーニ入り。
なんとパスタかと思ったら、カサゴをプレスして、タリオリーニ状に切ったのだそうです。

そして、地元産イセエビとミニトマトの自家製ヴェルミチェッリ。
セモリナ粉と水だけで打った麺を店で乾燥させたもので、スペチャリタの1つ。
ブログ主さん、イタリアの乾麺料理の最高峰、と絶賛しています。

次は魚料理。
カサゴを薄切りのじゃがいもで包んで蒸したカルトッチョ。
横にアックア・パッツァとカサゴの頭が添えてあります。
頭の身もどうぞ、というわけですね。

続いての魚料理は、ハタ。
海苔で巻いてありますねえ。
付け合わせは香り米。
これにウニの棘をトーストして煮出した汁をかけています。

デザートは、メロンのソルベット、ピッコラ・パスティッチェーラ、柑橘果実のソルベットやジャム、ミルクとコーヒーのズッパとビスコット。

いやー食べた食べた。


『ガンベロ・ロッソ』誌でも、タコの肝のリングイーネなど、新鮮な魚が手に入る店でないとできないメニューを紹介していましたが、シェフは自分のスタイルをしっかり持っている人のようですね。

コース料理は伝統料理の65ユーロと、オリジナル料理の85ユーロ。
ワインも入れると一人25,000円ぐらいでしょうか。
宿泊は朝食付きダブルで170ユーロ。


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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年6月号(クレアパッソで販売中)
アルフォンソ・カプートシェフのリチェッタは、「総合解説」'06&'07年6月号、P.24に載っています。


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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

もうしぬほどおいしそうだけど、たか〜い。
このレベルの料理だと当然なのかもしれませんが、昨今のユーロ高のおり、庶民には無理です。トラットリアのご紹介御待ちしています(笑)

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
ほんとこのユーロ高、なんとかしてください。

マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

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