2008年7月30日水曜日

ファゾラーリ

昨日に続いて、イタリアの貝の話です。

今日はファゾラーリ fasolari 。

『ア・ターヴォラ』の記事の解説です。


Fasolari
ファゾラーリのリングイーネ, photo by Gia D. Parsons


様々な色があるアサリと違って、ファゾラーリの殻は、茶色地のチェックのような模様。
身の特徴は、オレンジ色の足

ファゾラーリの学名は、Callista chione 。
和名は、ヨーロッパワスレガイ、というらしいです。
マルスダレガイ科で、ハマグリやアサリの仲間。
長さは5~10cmで、アサリより大型。
海岸から8~10海里離れた、深さ12m以上の海底にいます。

採取が許可されているのは、フリウリからヴェネチアにかけてのアドリア海北部。
約60隻の船と150人の漁師さんがファゾラーリ漁に従事しているそうです。

ファゾラーリは、生で食べたり、パスタやグラティナートなどにするのが一般的。
でも、ビックリするのがこの光景。
 ↓
www.pubblicitaitalia.com

大きなものは、そのままだと硬いので、オレンジの足の部分を肉叩きで叩いて、柔らかくするんだそうです。
いったいどれだけ硬いんでしょうねえ。
それに、叩いてどれくらい柔らかくするのか、気になるなあ。
イタリア人が好む貝の硬さはとは、どの程度のものなのか・・・。


有名シェフの中にも、ファゾラーリがお気に入りの人がいます。
北アドリア海の漁師さんたちが推薦しているのは、パオロ・テヴェリーニ氏。
バーニョ・ディ・ロマーニャ(エミリア・ロマーニャ)の、ホテル&エステ付き高級リストランテ、パオロ・テヴェリーニのシェフです。
hpはこちら
www.paoloteverini.it

シェフのオリジナルのファゾラーリ料理の1つがこれ。
www.mangiarebene.com

ファゾラーリとアスパラジ・ディ・マーレのペンノーニ。
材料は、ファゾラーリ、アスパラジ・ディ・マーレ、パスタ、トマト、にんにく、オリーブオイルというシンプルなもの。
貝はナイフで殻から出したら刻んでしまいます。
これをトマトの小角切り、ゆでたアスパラジ・ディ・マーレ、貝の汁と一緒に、オリーブオイルとにんにくのソッフリットに入れてさっと煮る、というもの。
ちなみに、アスパラジ・ディ・マーレは海岸に生える草で、英名はシーアスパラガス、和名はアッケシソウ。


この人が、パオロ・テヴェリーニさん。
料理を説明していますが、ファゾラーリは使っていません。





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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年7月号(クレアパッソで販売中)
“ファゾラーリ”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年7月号、P.9に載っています。


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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...