イタリア料理ほんやく三昧: 2017

2017年6月22日木曜日

時代と共に変わるラグー・ボロニェーゼ

ラグー・アッラ・ボロニェーゼは、イタリア料理アカデミーによって、1982年に公式リチェッタがボローニャ商業会議所に登録されています。

家庭料理がルーツのイタリア料理の世界で、公式リチェッタなるものが存在する料理は、かなり異色な存在。
とはいえ、公式のリチェッタは、あくまでもボローニャ以外の誰かが本家を名乗らないようにする商標登録のようなもの。

ボローニャのレストランや家庭では、シェフやお母さんが独自のリチェッタのラグー・ボロニェーゼを作っています。
なので、公式リチェッタが絶対というものではありません。

さらに、ボローニャ商業会議所は、手に入りにくい食材は現代人でも作りやすいように、代用案も加えるなどしていますが、現実には、時代は大きく変わっています。
食材だけでなく、もっと根本的なものが変わっているのです。

まず、公式によると、ラグーのベースとなる肉は、地元ではcartellaと呼ばれる牛の横隔膜のそばの(肺と腸の間)赤身肉。

横隔膜というと、以前segnalibroさんがイタリア便りでハラミのことを取り上げていました。
カルテッラは手に入れやすい部位ではないようで、手に入らなければばら肉、肩肉、うで肉でも代用可と公式はアドバイスしています。

でも、前回も引用したカルロ・カンビ氏は、目の付け所がちょっと違います。
まず、昔は、農家で食べる牛肉は、畑での労働に適さなくなった高齢の牛の硬い肉だったと指摘しています。

2003年の光景
 ↓



そのため、長時間煮込む必要がありました。
昔はラグーは、とろ火で煮れば煮るほど濃厚な味になる、と言われていました。
どれくらい時間をかけていたかと言うと、1~4時間です。
公式のラグーを作ろう思ったら、かなりの覚悟が必要ですよ。
昔の農家の主婦は、朝ラグーの鍋を火にかけて畑に出かけました。
農家の主婦でないと作れない料理だったんですねー。
さらに、ここで注目なのが、カルテッラと言う部位です。
カルテッラというのは、元々水分が多くてとても柔らかい部位なんだそうです。
少しでも時短が可能な、農家の主婦に優しい部位でもあったのですね。
ただ、太い血管があって酸化しやすいので、空気に長時間触れないようにします。
使う直前に挽くというのはこのあたりが理由でしょうか。
というわけで、公式が言うとおりにカルテッラを使ってラグーを作ろうとしたら、かなりの経験が必要になります。
現代人の生活に適した部位ではないので、高齢の牛の肉が手に入る人以外は、カルテッラにこだわる必要はないと、公式が発表されて35年後の私たちは言い切れそうです。

19世紀のイタリアの農家は、ちょっと衝撃的。
キッチンでは、料理する女性陣とは別に、男性は火のそばでワインを飲んでいます。
家長は至れり尽くせりのお世話をされていました。
でも、水浴びをするのは家畜小屋で、牛と一緒。
カードをするのも家畜小屋。
その横で女性は編み物。
 ↓



21世紀の生活や料理は、大きく変わっていて当然。

ラグーにも、牛挽肉だけでなく、豚挽肉、パンチェッタ、サルシッチャ、生ハムと、様々な肉が加わっています。

リチェッテ・ディ・オステリアシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』には、フォルリのカンティーナ・ディ・ヴィア・フィレンツェという店のラグーのタリアテッレが載っていました。
それによると、ラグーの材料は、豚肩肉、生ハム、牛肉、鶏の砂肝、うさぎのレバー、白玉ねぎ、にんじん、セロリ、トマトノコンセルヴァ、トマト、サンジョヴェーゼ、ラード、塩、こしょう。

本でリチェッタを探せば他にも見つかりますが、リチェッタは見事にばらばら。

80年前のイタリアの暮らしが面白い動画
 ↓



イタリア人の生活は。短期間で大きく変わりましたね。
でも、お母さんが「プレイステーションなんかやってないで手伝いなさい!」と叫ぶ姿は、日本とおんなじ。
今じゃ、アメリカ兵が食べたがったミートソースのスパゲッティは、ボローニャよりアメリカの方が本場の味になっている気がします。
料理は時代と共に変わっていくものだから、ラグーからミートソースになったこのソースが、今後、どう変わるか、ちょっと楽しみです。




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“ラグー・アッラ・ボロニェーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月19日月曜日

ラグー・アッラ・ボロニェーゼ

今日のお題はミートソースです。
世界中でもっとも愛されているパスタソースの1つ。
でも、ミートソースは英語。
イタリア語では、ラグー。
なぜかフランス語。
ラグーの話をする時は、毎度フランス語のラグーの説明から始めることになるのですが、今日はどの説を紹介しましょうか。
そういえば、ピエモンテのタヤリンやローマのフェットゥッチーネの話をした時に、鶏のレバーのソースをかけると日曜日のご馳走になる、という話もしましたが、この時のレバーのソースもラグー。
ラグーがご馳走だったというのは、この料理の名前がフランス語という理由の手掛かりになります。
つまり、元々は貴族や裕福な階層の料理だったということ。

鴨のラグーのビーゴリ
 ↓




ちょっとこだわるなら、ミートソースは、イタリア語ではラグー・アッラ・ボロニェーゼ。
つまり、ボローニャの伝統的なラグー。
イタリアで、本場のピッツァと言えばナポリ、と誰もが信じているように、ラグーの本場はボローニャです。
ラグーの本場はナポリだと強硬に主要する一派もありますが。
ボローニャを中心とするエミリア地方は、手打ちパスタの文化が花開いた地方です。
カルロ・カンビの『ミリオーレ・リチェッテ』によると、パスタは麺棒で伸ばし、水は1滴たりとも加えない、という鉄の掟があるそうです。

でも世界的にみると、ラグーはスパゲッティにかけるのが多数派。
カルロ・カンビ氏は、エミリア地方の老人から話を聞いて、面白い説を披露しています。
ボローニャは交通の要所で、第二次大戦中は、市街地やアペニン山脈を舞台に、アメリカ軍、ドイツ軍、パルチザンの激しい攻防が繰り広げられました。
その時、遠い故郷からイタリアの山の中までやってきて、イタリアのために戦うアメリカの若い兵隊さんが、スパゲッティが食べたい、と言ったら、どうしますか。
おばあちゃんたちは、そうかそうかと、戦争中でろくな食料も手に入らない中、手に入るありったけの食材をかき集めて、伝統の鉄の掟を破って、スパゲッティ・ミートソースを作るしかないじゃないですか。
それを食べた兵隊さんは(ここから妄想です・・・)無事に帰国して、アメリカでスパゲッティ・ミートソースを広めていったのでした。

ボローニャ解放
 ↓






そんな歴史を思うと、スパゲッティ・ミートソースでもいいじゃないかと思いますが、ボローニャの商業会議所の人たちは、ボローニャの素晴らしい財産がゆがめられて広まるのは耐えられなくて、鉄の掟をさらに強固にしました。

続きは次回に。



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“ラグー・アッラ・ボロニェーゼ”の記事の日本語訳は、「総合解説」2015年2月号に載っています。
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2017年6月15日木曜日

酔っ払いチーズ


今日はヴェネトのチーズの話。
とは言っても、ヴェネトのチーズを口にする機会なんて全然ないので、ハードル高い。
しかも、よりによって、水牛のミルクのチーズです。

最近確かに、北イタリア産の水牛のチーズのニュースは、時々見かけます。
でも、モッツァレッラじゃないんです。

手にした情報は、IL BUFALA AL GLERAというチーズの名前。
それと、水牛のミルクのチーズと、al gleraのgleraは、プロセッコに使うぶどう品種。
これに漬けて熟成させるらしい、ということのみ。

ヴェネトのチーズ。
 ↓



チーズの名前から生産者が分かりました。

ラッテリア・ペレンジンlatteria perenzinw。
動画もありました。



2:30あたりにIL BUFALA AL GLERA登場。
2014年のワールド・チーズ・アワードで金賞受賞という盾が。
チーズは登場せず、盾だけかい。
でも、チーズの名前はBUFALA UBRIACATO AL GLERAということが判明。

メーカーのHPで製品の情報を探すと、BUFALA UBRIACATO AL GLERAは、フルーティーな香りで締まった生地のチーズ。
甘みのあるデリケートな味。
グレラはヴェネトの品種で、プロセッコに使われます(最低85%)。
グラッパのような風味のフリッザンテのワインになります。
その独特の風味がチーズにも加わっています。
水牛のミルクを使うというのはチーズ職人のアイデア。

プロセッコ
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ワインやモストに浸したチーズのことをフォルマッジョ・ウブリアーコと呼びます。
これは第一次大戦中にチーズが徴収されないように隠したのが最初、と考えられているそうです。


ウブリアーコ・チーズ。
 ↓




イタリアの酔っ払いチーズは大部分がヴェネト産だそうです。
ヴェネトのチーズ食べたくなってきた~。



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‘BUFALA AL GLERA’は「総合解説」2015年2月号P.2に載っています。
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2017年6月12日月曜日

ローマ料理、前菜とパスタ

今日は「総合解説」にのせたローマ料理の話です。

その前に、「総合解説」2015年2月号発売しました。
ローマ料理の後半も載っています。

ローマ料理の1品目は、やっぱり生ハムとイチジクのピッツァにしました。
ニュートンの『クチーナ・ロマーナ』のリチェッタです。
取りあえず、1品目でこの本のスタンスがよーくわかりますよ。
何しろ、作り方は、まず、パン屋で焼き立てで熱々のピッツァを買う。
ですから。
この地元民にしか分からない突き放した解説っぷり。
確かにこうすれば最高の生ハムとイチジクのピッツァができるに違いない。

グイド・トンマーゾの『ローマ・エ・ラツィオ』のブルスケッタはこんな感じ。

パーネ・カゼレッチョ(理想的なのは1日たったパーネ・ディ・ジェンザーノかラリアーノ)を厚さ1㎝にスライスし、さらに半分に切る。
強すぎない火(炭火)であぶり、ふちにしっかり焼き色が付いたら半分に切ったにんにくをこすりつける。・・・

この調子で神経質なまでに詳細に続きます。
仕上げにかけるオリーブオイルの種類まで、指定しています。

訳しながら何度も、ローマに住んでなきゃ手に入らないって、とつっこみたくなります。

一番現実的で冷静なグリバウドの『ラツィオ』には
「ブルスケッタという名前は、こんがり焼くと言う意味のbruscareという動詞が語源。ほとんどすべての州に似たものがあるシンプルな料理だが、ラツィオのブルスケッタは特によく知られている」
と、納得の解説が。




まだありますよー。
『ローマ・エ・ラツィオ』のスップリは、
「リゾットが少量残ったら、スップリを作るいい機会だ」
から始まって、リゾットの作の方は丸々省略。
ローマっ子が実際にやっているリチェッタそのものなんですね。



続いてプリーモ・ピアットです。
ローマのパスタは、カルボナーラ、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ、アマトリチャーナ、プッタネスカ等々日本でもおなじみのものばかり。
先日ブログで紹介した鶏レバーのローマ風フェットゥッチーネや、ブロッコロ・ロマネスコのパスタ・エ・ブロッコリーなど、ローマっ子に人気のリチェッタも訳しました。

ブロッコロ・ロマネスコ
 ↓




1月号の前半は前菜、メレンダ、プリーモを訳しました。
2月号の後半は、セコンド、野菜、ドルチェです。
翻訳の感覚がつかめてきたのでリチェッタの数も大幅に増えています。

来月はカンパーニア料理の予定です。



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2017年6月8日木曜日

ローマとラツィオ料理の本


今月の「総合解説」から、クレアパッソで販売している本の日本語訳を載せることにしました。
最初はローマ料理の本です。

取りあえず、ローマ料理が載っている主な本を集めてみたら、約10冊ありました。
もちろん1冊まるごとを訳すのは無理ですが、少しずつでも、継続すればかなりの量が訳せるはずだと考えて、取りあえず始めることにしたのです。

最初はローマ料理を選びました。
取り扱っている本のリチェッタの中から、前菜と軽食、プリーモ、セコンド、野菜、肉、魚、ドルチェの順で、いくつか訳しました。

頻繁にリチェッタを参照した本は


左から、1.ニュートンシリーズの『クチーナ・ロマーナ・エ・エブライコ・ロマネスカ』、
2.グリバウドシリーズの『ラツィオ』、
3.グイド・トンマーゾシリーズの『ローマ・エ・ラツィオ
です。

1は料理人に一番読まれているシリーズ。
おそらく、かなり昔からある本です。
表紙のデザインを変えながら現在まで受け継がれているようですが、現在は、なぜか数種類の表紙のデザインが出回っています。
中身はどれも同じです。

料理人に人気があるのは、出版されたのが古い本ですが、あまり古すぎると、歴史的な価値はありますが、言葉が難解だったり、食材が手に入らなかったりして、あまり実用的ではありません。
その点、このシリーズは適度に古くて、適度に実用的です。
リチェッタだけでなく、料理の背景などの説明も豊富。
今回訳してみて、まず最初にこの本のリチェッタを参照し、難解な点は2のグリバウドシリーズで実用的なリチェッタを確認し、さらに3で、もっと面白いリチェッタはないか探し、最終的にレストランのリチェッタをチェックする、という万全の態勢を取りました。
レストランの本は、オステリエ・ディ・イタリアシリーズ『クチーナ・レジョナーレ』、『パスタ・サボーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド』、『ロッショーリ』などです。

「総合解説」のリチェッタを読めば、各本の個性が分かってくる、と思います。
具体的な内容については、次回に。

ローマ料理
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ローマとラツィオ料理のリチェッタは、「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年6月5日月曜日

フィレンツェのグルメガイド

今月の「総合解説」から、今日はフィレンツェのグルメガイドの話。
ガンベロ・ロッソの記事です。
最初に名前が出てきた店、エノテカ・ビンキオッリは今更語るまでもない有名店なので、2番目の店、オーラ・ダリアから。

別にこのお店が有名でないとうわけではありません。
十分有名なお店のよう。
イタリア人にとっては、元フィレンツェ市長からイタリアの首相になったマッテオ・レンツィ氏の、市長時代のお気に入りの店として知られているようですが、イタリアの首相がベルルスコーニで止まってるこちらとしては、どういう人物なんだか、さっぱりでんなー。

1975年生まれで、フィレンツェ市長になった時は34歳。
首相になった時は歴代最年少の39歳。
2016年12月に辞任。

フィレンツェ市長として最後の日のレンツィ氏
 ↓



オーラ・ダリア、シェフはマルコ・スタービレ氏。
1973年生まれ。
レンツィ元首相とは同世代ですね。




次はがらっと趣を変えて、オステリア・トリッペリア・イル・マガッジーノ。
ランプレドットのパニーノなど、内臓料理の店。




ランプレドットは牛の第4胃のフィレンツェでの呼び方。
この町の人が大好きな内臓料理。

パスタなどのプリーモは出さないけれど、伝統料理など興味深い料理を出す店、オステリア・ペルソナーレ。
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最後はメルカート・チェントラーレ。
料理教室、エノテカ、リトランテ、ピッツェリア、書店、イータリーがあるそうです。
フィレンツェはいつ行っても景気がよさそうな街ですねー。


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“フィレンツェ”のグルメガイドの記事の日本語訳は、「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年6月2日金曜日

グラナ・パダーノ

今日はグラナ・パダーノの話。
総合解説」の記事のビジュアル解説です。

とろこで、どっちがパルミジャーノでどっちがグラナ・パダーノでしょうか。

Parmigiano

Grana Padano

粉チーズになるとそっくりだけど、塊だと意外と違いが分かるもんですね。

上がパルミジャーノで下がグラナ・パダーノです。

それでは、世界中で最もたくさん売れているイタリアのチーズはどっちでしょう。

答えは下です。
販売量はグラナ・パダーノの方が多いんですね。

この種の硬質チーズは、全部まとめてグラナと呼ばれています。

グラナ・パダーノの歴史と製造方法
 ↓


グラナは、キアラヴァッレ・ミセネーゼの修道院など、中世の修道院で、ポー河の北側の沼地を干拓していた修道士によって作り出されたと考えられているチーズです。
この地区は牧草が豊富で、牛乳が豊富にあったためた、その牛乳を長期保存するために作ったチーズと言う話は、以前にもブログにのせた気がします。
グラナ・パダーノやパルミジャーノ・レッジャーノの祖先と言われるチーズは、グラナ・ロディジャーノです。
最盛期は19世紀でしたが、その後、減少の一途をたどっていきます。

その理由は、牧草地の減少、ブラウンスイスからホルスタインへの切り替えが進んだこと、自然発酵ではなく乳清を添加する製法や塩水でなく塩をまぶす製法が普及、長期熟成の敬遠など、様々な近代化要素がことごとくマイナス要因になってしまったようです。

そんな中で昔ながらの製法を守ることは、相当大変なことだと思いますが、それでも、昔ながらの製法を守ってチーズを作り続けている造り手は、まだ存在しています。

世界中でもっとも売れている割にはイメージが薄いチーズ、グラナ・パダーノ。
その味は、シンプルで強く、クリーミーで甘みがあるのが特徴。






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“グラナ・パダーノ”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月29日月曜日

タヤリンと鶏レバーのソース


タヤリンに話を戻します。
前回は麺の話をしましたが、今回は組み合わせるソースの話。
タヤリンのソースとして世界的に有名なのは、やはり同じくランゲ地方の名物、白トリュフのソースでしょう。

イタリア料理を志す人なら、一度は食べてみたいですよね。
総合解説」に訳をのせた記事にも、白トリュフのソースのことは書かれています。

記事によるとこの料理は、ニューヨークで流行ってアメリカ経由でイタリアに逆輸入されたようです。
ランゲの農民料理から生まれたものではなそうですね。
それでは、地元で伝統的にタヤリンに一番合うと言われているソースは何かというと、2時間かけて作る鶏のレバーのソースだそうです。

ん?鶏のレバー?
なんだか最近聞いたような・・・。

そうそう、ローマのフェットゥッチーネの話をした時でした(こちら)。
ローマの手打ちの平麺、フェットゥッチーネと組み合わせる一番人気のソースは、鶏のもつのソースでした。
ローマの庶民にとってはご馳走で、日曜日の夕食の定番メニューだったとか。
そしてこのピエモンテのタヤリン。
総合解説にもありますが、日曜日のご馳走だそうですよ。

スローフードのリチェッテ・ディ・オステリエシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』によると、普段はミートソースをかけるけれど、農家では日曜だけは時には鶏のレバーのソースをかけた。鶏は農家にとってはご馳走で、祝日の食材だったからだ、とあります。

鶏がご馳走というのはローマの農民もピエモンテの農民も変わらなかったのですね。
というとは、多分、タリアテッレも鶏の内臓のソースと組み合わせるはず。

ちなみに“鶏もつのローマ風フェットゥッチーネ”のリチェッタは、今月の「総合解説」の後半に載っています。

改めてリチェッタを探すと、鶏のレバーのパスタは、ミートソースのパスタとほぼ同じものだったようで、牛の挽肉に鶏のレバーも加えて長時間煮込むと、イタリアの農家風ミートソースになります。


前回はタヤリンの動画だったので、今回はフェットゥチーネとタリアテッレをどうぞ。






麺作りは女性、というか、お母さんが一番さまになりますねー。

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“タヤリン”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月25日木曜日

イタリア便り

イタリアのsegnalibroさんから、久しぶりに近況報告が届きました。
忙しい中、思い出してくれたんだ。

ブログには相応しくない気もするのですが、イタリアが直面している現実です。。
との前置きがありました。

それではどうぞ。



学年末2017

今年の冬は雪が少なく、スキー場は大変だったみたいです。
4月上旬までは暖かかったのですが、そこから一転して寒い日々が続きました。
山とはいえ、5月とは思えない気候です。

Mt.Pelmo

学年末のこの時期恒例、市が主催する学校系のフェスタに参加しました。
今回のテーマはカリグラフィー。急遽Amazonで買った筆ペンを持参し、山を降りて、平仮名やカタカナをいっぱい書いてきました。

scritture del mondo

地元イタリア人だけでなく、イタリア語を学ぶ外国人もたくさん参加していたのですが、その中にガンビア共和国出身という人がいました。
ガンビア??最初は、ザンビアの聞き間違いかと思ったのですが、アフリカの西、セネガルに囲まれた小さな国がガンビアでした。

彼がまだ小さな少年だった頃、この国で政変が起こります。
祖父の飼っていた乳牛が殺されるのを阻止しようと抵抗したため、拉致されて酸をかけられ、砂漠の真ん中に放置されたそうです。
その後は、お決まりのパターンで海からイタリアにやって来たのですが、酸の影響で歯にも問題があり、そんなこんなでイタリアでの滞在許可証はちゃんともらえ、今は大人の為の高校に通っているそうです。

ガンビア、ネットで調べると、いろいろ出てきました。
今年1月の日曜日、たくさんの観光客の眼の前でヴェネチアの運河に身を投げた22歳の男性は、難民としてイタリアにたどり着いたガンビア人。記事によると、滞在許可証が取消され悲観したのではないか、との事でした。
また、難民としてドイツにやって来てサッカー選手になる夢を叶え、ブンデスリーガで活躍するガンビア人の記事もありました。

こういうイベントに参加させてもらうと、本当にいろいろと考えさせられます。
難民問題が解決する日が来るとは思えませんが、1人でも多くの人が彼らについて知ることで、前に進む小さな一歩になればいいな、と思います。


確かに、ずいぶんシリアスな気分になっちゃったみたいですね。
日本にいると、身近にこんな悲惨な体験をした人がいるなんて想像もできないですが、これも現実ですね。

北イタリアの山のふもとにいると想像つかないかもですが、こちらはもう夏ですよ。
クーラーつけてアイス食べてます。
今からこんなで、夏本番になったら、どうなるんでしょう。
平和だ・・・。



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2017年5月22日月曜日

タヤリン


今月の「総合解説」で取り上げた地方料理は、タヤリンです。

NYC - Eataly NY: Tajarin


アニョロッティと共にピエモンテの代表的な手打ちパスタ。
タリオリーニのような細い平麺で、特にこれと言った特徴はないようにも感じますが、『サーレ・エ・ペペ』の記事は、イタリア人ならではの視点で1歩深く踏み込んでいて、訳していて面白かったです。

まずタヤリンは、誕生の地、ランゲ地方の農民の古い知恵がたっぷり詰まったパスタなんだそうですよ。
ピエモンテは地形的に山、平野、丘陵地帯に分かれますが、ランゲはご存知の通り、クーネオとアスティにまたがるイタリアを代表する美味しいワインの産地の丘陵地帯です。

ランゲ地方
 ↓
Langhe

ランゲは農作物が豊かに実る地方で、ぶどうだけでなく、果実、穀物、チーズなどの生産も盛んです。
中でも有名なのが、ピエモンテ牛と白トリュフ。
イタリアでも有数の美味しいワインができて、牛肉とトリュフが名物なんて、どんなパラダイスなんですか。

タヤリンはこんな地方の家庭料理として広まりました。
タヤリンの説明として記事で最初に取り上げているのが、この薄―いパスタを薄ーく伸ばすには、かなりの腕力と丈夫な麺棒、そして熟練の技が必要だということ。
よりによってまず腕力。

生地を平たく伸ばすパスタはイタリア中にありそうですが、なぜここまで腕力が重要なのか。
その理由は、このパスタが軟質小麦粉と卵とたっぷりの卵黄で作られるということにありそうです。
卵黄がたくさん入ったパスタは、濃い黄色で、なめらかな生地になりますが、柔軟性がないので、薄く伸ばすのは、かなり大変な作業になります。
でも、この生地だと詰め物入りパスタも破れないし、ゆでてもアルデンテで歯ごたえが残る。卵の風味がある、さらに麺棒で伸ばすと表面がざらざらになってソースがよくからむという、数多くの利点があるのです。



どんだけ大変なのか思ったけど、タンタンと作ってます。

下は有名シェフのタヤリン作りの動画ですが、上の動画のお母さんシェフより、かなり大変そう。
結局はスタッフに丸投げかい。





しかも機械任せだし。
乾燥過程も見ることができますが、ランゲの家庭では、あれもお母さんがやりました。
麺の適切な薄さやちょうどいい乾き具合を知らなくては作れない麺なんですねー。
出来上がりは超美味しそー。
しかも牛のヒレ肉と白トリュフ入りコンソメでつけ麺にしてるし。

ピエモンテのレストランガイドでタヤリンは手打ちと自慢げに書いてあるのを見かけて、なぜこんなに手打ちであることを自慢するのか不思議でしたが、納得です。



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“タヤリン”の記事の日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月18日木曜日

パネットーネ・ガストロノミコ

現在販売中の「総合解説」のホームパーティーのリチェッタから、面白い料理を紹介しています。
2品目は、モッツァレッラ・イン・カロッツァ(昔は馬車に乗ったモッツァレッラと訳していたけど、今は何て呼んでるんでしょうか?)の応用編。
ホタテ貝のイン・カロッツァです。

モッツァレッラ・イン・カロッツァは、スライスしたモッツァレッラを食パンでサンドにして、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げるという、典型的で簡単なナポリ料理。
応用の幅も無限に広い1品です。
 ↓



これをホームパーティーの料理にするなら、どうアレンジしますか。
ヒントは、いつもの家庭料理の趣が強すぎる食パンをほかの食材に変えてみる。

「総合解説」では、ホタテ貝を使いました。
モッツァレッラはホタテ貝とおなじ大きさに丸く抜きます。
ホタテ貝は厚みを開きます。
あとはすべて同じ作り方。
アンチョビははさみません。
仕上げには、塩とレモンの皮のすりおろしを散らします。

面白いアイデアと思ったのですが、イタリア語のネット上には、リチェッタがたくさんアップされていました。

次は、ネット上にはもっとリチェッタがあふれているパネットーネ・ガストロノミコ。
年末年始のパーティー料理には、かなり昔から必ず登場していた1品ですが、どうやらイタリアの家庭に本格的に定着したようで、専用のパネットーネも登場しています。
そのパネットーネのことをパネットーネ・ガストロノミコと呼ぶみたい。
ブリオッシュパンのバージョンもあります。
筒形のパネットーネを薄くスライスして甘くない様々な具をサンドして山のように重ねます。
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ネーミングが面白かっったのが、インサラータ・ルッサ・アッラ・メッシカーナ。
直訳すれば、ロシアンサラダのメキシコ風。
国籍があるようでない料理。
ちなみにロシアでは新年にポテトサラダを食べるんだそうです。
 ↓



インサラータ・ルッサは言っちゃえばイタリア風ポテトサラダですが、それがメキシコ風と言うことは、そう、アボカドが入ってるんですね。
さらにカニやエビも加えれば、パーティー向きになります。



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“新年を迎えるホームパーティーメニュー”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月15日月曜日

イタリアンの押し寿司

「総合解説」は今月号から内容が少し変わりました。
前半は料理雑誌の記事の翻訳。
後半は、クレアパッソで販売している本の翻訳です。

今月の「総合解説」は、雑誌は1月号、本はローマとラツィオ料理の本です。

今日の話題は、雑誌の記事、“新年を迎えるホームパーティー”の最初の料理、“サーモンのティンバッリーニ”。

この写真の料理です。

リチェッタを訳しての第一印象は、「これは押し寿司だな」

最近すごく感じるのですが、日本料理のアイデアを取り入れた料理が、イタリアでもシェフたちのリチッタを中心に、すごく増えています。

このサーモンのティンバッリーニは、まずサケをマリネします。
翌日、ゼラチン液を作ります。
さらに玉ねぎ入りのプレーンなリゾットを作ります。
型にサーモンを並べ、接着剤用のゼラチン液、リゾットの順で重ね、さらに黒いランプフィッシュの卵をはさんでリゾットを詰めるのがポイント。
キャビアのようにも見えるこのランプフィッシュの卵が使われているだけで、料理が一気に和食からイタリアンに、さらにゴージャスになります。
ホームパーティーのメニューとしては、かなり上級なのでは。

さらに、今月の「総合解説」には、もう1品、押し寿司のリチェッタがあります。

それは、エルンスト・クナムというイタリアで大活躍中のドイツ出身のパスティッチェーレで、マルケージチルドレンの一人でもあるシェフが考案した、魚料理の新年のメニューの1品です。

料理は“リゾット・アル・サルト、ヒメジとシトロネット風味”。

ドイツ生まれでミラノ育ちのクナム氏。
プロの料理は違う、ということを見せつけてくれます。

まず、シャンパンのリゾットを作ります。
型にヒメジの切り身を敷いてリゾットを詰めます。
冷蔵庫で固めたら型から出してフライパンでヒメジごと上下の表面を焼きます。
ソースは澄ましバターとレモンのシトロネット。

なるほど、リゾット・アル・サルトというネーミングは、リゾットを焼くところからきているのか。

リゾット・アル・サルトは残ったリゾット・アッラ・ミラネーゼことサフランのリゾットをフライパンに薄く広げて香ばしく焼いた1品。

クナム氏の料理はヒメジごと固めたリゾットの表面を焼く、という、ミラノ料理の伝統を取り入れたイタリアンです。

リゾット・アル・サルト
 ↓



ちなみに、クナムシェフのお気に入りの調味料の一つにわさびがあります。
今回の新年の魚料理のメニューにも使っています。

わさび少々を水小さじ1で溶き、サワラクのスモークレッドペッパー一つまみと一緒にフィラデルフィアクリームチーズに加えます。
これをサンドイッチ用パンに塗って、スモークしたメカジキ、メキシコカカオ70%のチョコレート、マンゴー、スカローラのサンドイッチにします。

・・・味が・・・想像できない。

エルンスト・クナム氏は、テレビでの活躍からチョコレートの王様と呼ばれています。
お店はミラノにあります。
 ↓


 
ドイツ人の正確さとイタリア人の感性が結びついたら無敵ですね。


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“新年を迎えるホームパーティーメニュー”と“エルンスト・クナム”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」2015年1月号に載っています。
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2017年5月8日月曜日

ゲーテのグランド・ツアー

GWも終りましたねー。
長いようであっと言う間。
今日からいつも通りの日々。
とはいうものの、あれ、今は春なんだっけ、夏なんだっけ。
海が赤くなったり、青く光ったり、
季節感が狂ってるなあ。

まだ休日モードを引きずってる気分なので、今日は、イタリア旅行中のセレブの絵でも。

Painting of Goethe

ローマ近郊の田舎でくつろいでポーズを取っているのはゲーテ。

彼が初めてあこがれの地、イタリアを旅したのは、1786年、37歳の時でした。
しかも2年もかけて。

帰国して30年もたって『イタリア紀行』という本を書いています。
イタリアでたっぷり歴史的なものに触れたゲーテは、古典の素晴らしさに惹かれていきます。
イタリア料理とドイツ料理との違いにも大いに興味を持ったようです。
ドイツの天才も日本の凡人も、イタリアを旅行して感化されることはたいして違わないかも。

 ブログで時々話題にしてますが、ゲーテが旅した時代は、グランドツアーと呼ばれるイギリスの貴族の子弟のフランス、イタリア旅行ブームの真っ最中。
お金持ちのぼんぼんのゴージャスな卒業旅行のイメージがあるんですが、これもイギリス人も日本人も変わらないなあといつも感じること。

イタリア人から見たグランドツアー。
 ↓


グランド・ツアーは単なる観光じゃなくて、人間的、教養的に成長するための旅だったそうです。

ゲーテが凡人と大きく違うのは、旅行中もバンバン仕事をしていて、文学活動は決して休まなかった点ですかねえ。
ぼちぼち仕事始めなくちゃね。


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2017年5月1日月曜日

ローマ風フェットゥッチーネ

今日はローマの名物手打ちパスタの話。
カルボナーラ?アマトリチャーナ?
とても有名なこれらのソースに組み合わせるパスタは、主にスパゲッティやブカティーニやリガトーニ。
つまり乾麺。
今回のお題は手打ちパスタです。

ローマ料理を代表する、ローマっ子が大好きな手打ちパスタは、フェットゥッチーネ。
きしめん状の平面です。
タリアテッレとそっくりですが、これは生地を伸ばして細く切るという基本の作業がとてもシンプルだった結果、出来上がったものがたまたまそっくりになったのかも、と思いませんか?

ラグーのタリアテッレではなく、フェットゥッチーネです。
 ↓
fettuccine

ちなみに、パスタの歴史を考える時、平麺は生地を薄く伸ばしてまっすぐ切ればいいだけだから、最初にできたパスタだろう、なんて安易に考えがちですが、よーく考えてみると、麺を伸ばしたり切ったりするのには道具が必要です。
つまり、粉と水をこねただけでできる一番簡単なパスタは、多分、小さくちぎって指で押したりこすったりして成型する、オレッキエッテのようなパスタじゃないでしょうか。
そして平麺の進化系は、ステンレスの糸が発明されてから生まれたキタッラかも。

歴史を調べると、シンプルなパスタにも生まれた理由がちゃんとあるので驚きます。
ただし、大昔に農家のおかみさんたちが作り出したようなパスタは、ルーツにたどり着くのはほぼ不可能。

ニュートンの地方料理シリーズの『cucina romana e ebraico romanesca』によると、ローマのフェットゥッチーネははるか昔から作られていたそうです。
あまりにも昔で、当初は卵は入っていなかったそうです。
だから、あまり柔らかくなくて伸びない。
なので、ローマのフェットゥッチーネは硬めで短いんだそうですよ。
それに機械でカットすると均一になって無機質な麺になるので、絶対に手で切るのだそうです。

ローマのフェットゥッチーネにかけるソースで一番人気なのは、鶏のもつのソース。
どの書籍にもそう書いてあります。
ローマを代表する料理だそうですよ。

スローフードのオステリア・ディ・イタリアシリーズの『クチーナ・レジョナーレ』によると、鶏のもつはrigaglieと呼び、四つ足の動物のもつはfrattaglieと呼ぶそうです。

当然、昔は内臓は貧しい農民と都会の労働者にとっては大切なタンパク源。

鶏のもつのフェットゥッチーネは、ローマやラツィオのこういった階層の人たちにとっては、日曜日の晩御飯のご馳走。

レバーのイタリア料理と言うと、子牛のレバーを使ったヴェネチア風しか思い浮かばなかったけれど、意外とパスタのソースにたくさん使われていました。
ただし、田舎の料理自慢のおかあさんたちがこういった内臓を使った料理を作る機会は、現在は減っているそうです。

次号の「総合解説」はローマ料理特集その1.。
『cucina romana e ebraico romanesca』の鶏のもつのローマ風フェットゥッチーネのリチェッタも、訳しました。


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2017年4月27日木曜日

アブルッツォのパスタ

イースター料理の話をするつもりでしたが、前回は、今、制作中の次号の「総合解説」に出てくるブルスケッタに最適なパンがとても美味しそうだったので、ちょっと寄り道してしまいました。
詳しくは次号の「総合解説」(2015年1月号)をご覧ください。
前前回のイースター料理は、アブルッツォのフィアドーネの話でした。
そこで今回は、アブルッツォのイースターのパスタの話です。

アブルッツォには、キタッラという有名なパスタがありますが、今回紹介するパスタもキタッラ。
伝統的には、キタッラにかけるソースは肉のミックスのラグー。

今回紹介するのは、テーラモ風のミートボール・パスタです。



ミートボールと言ってもヘーゼルナッツ大の小粒。
これならロングパスタと一緒にフォークで巻きつけられそう。

ラグーのキタッラに、さらにパッロッティーネと呼ばれる小粒のミートボールを加えた1品。
ラグー用の煮た肉を小さく刻んだだけのように見えますが、実はチーズ入りのミートボールという、とても手の込んだ料理なんです。

アブルッツォの復活祭のパスタをもう1品。

アブルッツォ風クレープです。



クレープの具はおろしチーズだけ。
鶏ガラスープのブロードの味が重要になりますね。

アブルッツォのパスタも、なかなか美味しそうじゃないですか。

そういえば、アブルッツォはデ・チェッコがあるところ。
パスタ作りの土壌があるんですね。






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2017年4月24日月曜日

パーネ・ディ・ジェンザーノ、パーネ・ディ・ラリアーノ

今日はパンの話。
私のイタリアのパンとの初めての出会いは、初めてイタリアに行った時、ホテルの朝食で食べたロゼッタだったと思います。
ピッツァじゃなくてピザの時代です。
平成生まれの人たちが初めて出会うイタリアのパンは、なんでしょう。
中が空洞のロゼッタは、ある意味、とてもカルチャーショックなパンでした。
ロゼッタでイタリアのパンを知り、ミラノのミケッタとも出会って、こういうのがイタリアのパンだと、すっかり思い込んでいました。
でも、中部イタリアから北部、南部へと行動範囲が広がるにつれて、イタリアにはとても美味しい様々なパンがあることを発見していきました。
さらに、イタリアの地方料理の情報が届きやすくなった最近では、そのバリエーションの豊富さにはびっくりです。

ロゼッタ




ナポリではもちろんピッツァと出会いましたが、だいぶ後に、ローマにもピッツァ・ビアンカという名物ピッツァがあることを知りました。 

ピッツァ・ビアンカ



さらに、イタリアのパン料理として最初に知ったのが、ブルスケッタ。
これは、イタリア中にある料理ですが、なぜか特にローマの料理として知られています。

ブルスケッタ



ブルスケッタに使うパンは、一般的な田舎風パン、パーネ・カゼレッチョだと思っていました。
けれど、食材はパンとオリーブオイルだけに近いこの料理、パンとオイルが実は重要。

グイド・トンマーゾの地方料理シリーズの『ローマとラツィオ』によると、パンはパーネ・ディ・ジェンザーノかパーネ・ディ・ラリアーノ、オイルは、サビーナのEVオリーブオイルが最適だそうです。

パーネ・ディ・ジェンザーノもラリアーノも初めて聞きました。





ジェンザーノとラリアーノ、どちらもローマ南部のコムーネです。
行ってみたくなりました。

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2017年4月20日木曜日

復活祭の前菜

今年の復活祭は4月16日だったそうで、カトリックの暦の上では今頃は春爛漫といったころでしょうか。
ところが、日本はもう夏になっちゃったみたいですね。
去年は秋も短かったけど、短い春は精一杯楽しみたいですね。

今日は『ア・ターヴォラ』の4月号から、「復活祭の地方料理」の前菜をいくつか。

まずはソラマメとペコリーノのトルティーノTortino com fave e pecorino。
トスカーナ料理です。

Fave e pecorino

ソラマメとペコリーノと言えば、イタリアの春を象徴する食材ですが、それを小麦粉とイーストの発酵生地に加えて一晩発酵させ、復活祭の日の朝に焼いて食べます。
こんがりと香ばしく焼けたトルタには、緑色のソラマメがたっぷり埋まっていて、朝食じゃなかったらワインが進みそうです。

6~8個分のリチェッタは

1.イースト5gを温めた牛乳150mlで溶き、小麦粉500gに加えてこね、1時間発酵させます。
2.ペコリーノ300g、卵4個(1個ずつ)、さやむきソラマメ300g、ラード60g、塩一つまみを加えます。
3.マフィン型に入れ、覆いをして一晩発酵させます。
4.翌朝、180℃のオーブンで20分焼きます。
5.ケーキクーラーにのせて冷ましてサーブします。

次はアブルッツォ料理、フィアドーネFiadone。
サラートとドルチェ両方のバージョンがあるパスクア料理で、クリスマスにも作ります。









詰め物は地元産のペコリーノが一般的なようですが、3番目の動画のようにリコッタでも作ります。
MCの女性はイタリアンチーズケーキと呼んでましたね。
これは食べてみたい。
アブルッツォでは1年中売ってます。


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2017年4月17日月曜日

地方料理のシリーズ本

今日は、クレアパッソで販売している地方料理書シリーズのご案内。











まず、グリバウド社の“グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズ











そしてニュートン社のシリーズ











さらに、グイド・トンマーゾの地方料理シリーズの3種類です。

一番古いのは多分ニュートンのシリーズ。
表紙のデザインを変えて何度か再版されています。
イタリア人が最も信頼している人気の地方料理書。
特徴は、普通の料理書シリーズの他に、魚料理だけのシリーズがある点。



値段が安い分写真は少なく、写真は本の中央にまとめてありますが、リトグラフのイラストが随所にちりばめられていて、楽しく読めます。
歴史と権威のある料理書の趣。
一時は姿を消していて、どうなることかと心配しましたが、今回の再版で元気に復活しました。
まだ品ぞろえ中なので、ご希望の本があったらリクエストください。
優先的に取り寄せます。



グリバウドのシリーズはそんなに古くないと思うのですが、コンパクトにまとまったサイズ、豊富な写真、シンプルなリチェッタ、手ごろな値段などが人気で、たちまち一部売り切れに。
全部の州をそろえてもそんなに場所を取らないのに、揃った姿は壮観で、ちっょとあの州のあの料理のことが知りたい、といった時にとても役に立つので、まだあるうちがお買い時。


一番新しいグイド・トンマーゾのシリーズは、ローマ(ラツィオ)、シチリア、トスカーナ、ヴェネチアの4冊だけしか出版されていませんが、とにかく写真が素晴らしい。
そこに暮らす人たちの生活が伝わってくる写真です。

例えば、一番新しいのはヴェネチアの本。
表紙は美味しそうでゴージャスなカニ料理ですが、ちょっと端がかけた皿に、開いた殻に身を詰めたカニがドンとのっていて、細いフォークが、6本も添えられています。
いかにもこれから仲間たちとみんなで、ワインを飲みながら平らげようという楽しげな雰囲気。
さらに最初の料理の写真は、半分に切った半熟卵を爪楊枝で食べようとしている女性の手と、冷えた白ワインが満たされているハウスワイン用グラス。
どう見てもヴェネチア名物チケッティとオンプラを楽しむ直前の常連さんですね。
ヴェネチアに飛んでいって、その雰囲気の中に混ざりたくなります。
新作が出るのがとても楽しみなシリーズです。

シリーズ本ではありませんが、新入荷の本『ハリーズ・バー』もヴェネチアで一世を風靡した伝説の店のリチェッタが読める興味深い本です。

今週も面白そうな本が入荷してますよ。
お楽しみに。

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2017年4月13日木曜日

モデナの美味しい店。

さて今日は、モデナの食べ歩き旅のお店情報です。

お店の住所などは「総合解説」に載っていますので、ここでは、ビジュアルだけ。

まずは、モデナの美食の殿堂の一つ、フィーニの創業者、テレスフォロ・フィーニが1世紀以上前に始めた店、アンティカ・サルメリーア・サン・フランチェスコ。
フィーニ発祥の地です。
2年前に大々的に改装しました。

La Salumeria a natale


もう一つの有名店、1605年創業のジュスティの店は、エノガストロノミア・ジュスティ。




あらゆる美味しいものをそろえたメルカート・アルビネッリ。




コテキーノのパニーノが名物のバール・スキアヴォーニ。




前述のメルカート・アルビネッリでブロード用の食材を仕入れるトラットリア・アルディーナのシェフ。
トラットリアの名物はボッリート・ミストとサルサ・ヴェルデ。




モデナで食べ歩きをするには強靭な胃袋が必要なようですね。
でも、せめてトルテッリーニぐらいは食べたいなあ。

トルテッリーニが誕生した瞬間を再現した銅像があるなんて!
 




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“グルメガイド~モデナ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年12月号に載っています。

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2017年4月10日月曜日

モデナ

今日は今月の「総合解説」から、グルメガイド。
今回はモデナです。
モデナっていうと、どんなイメージでしょうか。
有名なのはバルサミコ酢とフェラーリ。

『サーレ・エ・ペペ』によると、モデナは、
パダナ平野の最上の料理がある、エミリア地方の美食家の理想郷なんだそうですよ。

ところで、先月のグルメガイドはマントヴァでした。
マントヴァとモデナの共通項は、エステ家。
エステ家は14世紀からイタリア統一までモデナを統治した一族。
一方マントヴァを統治したのはゴンザーガ家ですが、有名なエステ家のイザベラ・デステはゴンザーガ家のフランチェスコ2世の奥方で、夫亡き後、息子の後見人としてマントヴァを統治しました。

マントヴァとモデナは南北に並んでご近所にあるので、両方訪れてみたいですね。



世界遺産は大聖堂、モデナの象徴の塔、ギルランディーナ、そしてグランデ広場。



グランデ広場の“ボニッシマ”の像。
またはマティルデ・ディ・カノッサや、モンナ・ボーナの像とも言われています。

La Bonissima Modena (10)


モデナはネット上に動画が溢れている街です。
情報収集しやすそうなので、食べ歩きの旅にもいいかも。



次回はショップガイドです。


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“グルメガイド~モデナ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年12月号に載っています。
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2017年4月6日木曜日

イタリアのトップパスティッチェーレ

さて今日は今月の「総合解説」からガンベロ・ロッソが『パスティッチェーリ・ディ・イタリア2014』でトレ・トルテに選んだイタリアのトップパスティッチェーリのご紹介です。
レストランと違って、パスティッチェーリやパスティッチェリーアは、一度選ばれると変化が少ないので、今のイタリアのトップ、と言っていいでしょう。

まず1位に選ばれたのは、イタリアのパスティッチェーリのトップはこの人、とイタリア中が認める人、イタリアのモダン・パスティッッチェリーアの父こと、イジニオ・マッサーリ氏。

1942年ブレッシャ生まれで今年75歳。
16歳の時にスイスのパスティッチェリーアで働いたのがパスティッチェーレとしてのキャリアのスタート。
1971年にブレッシャでパスティッチェリーア・ヴェネトをオープン。
みんなから尊敬されています。
『ガンベロ・ロッソ』の記事によると、イタリアのドルチェを味は落とさずにもっと軽くしたのは彼の功績。







記事で、彼と対照的なパスティッチェーリと紹介されているのは10位のピエトロ・マチェッラーロ氏史。
まだ30台と、超若手。
カンパーニアの農家の生まれで、農園をやりながらイタリアで唯一のパスティッチェリーア・アグリーコラという個性的なコンセプトの店をやっています。






トップ10の顔ぶれを見ると、やはり常連で締められていますが、大御所も若手も、なかなか野心的。



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“パスティッチエーリ・ディ・イタリア2014”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年12月号に載っています。
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2017年4月3日月曜日

パスティッチェーリ・ディ・イタリア

4月ですね。
新入生に新入社員さん、イタリア料理の世界に足を踏み入れた皆さん、おめでとうございます。
温かくなって、お花見したくなる陽気になってきましたね。

Almond Trees

そこで質問です。
この一見桜に似ている花は、何の花でしょう。
ヒントはシチリア(写真はカリフォルニアの光景ですが)。

先輩たちはすぐに分かると思うけど、答えはアーモンドです。

このところ、ガンベロ・ロッソの『リトランティ・ディ・イタリア2015』で新たにトレ・フォルケッテにな
った店を何軒か紹介しました。
まだあるのですが、詳しくは「総合解説」をご覧いただくとして、次は『パスティッチェーリとパスティッチェリーエ・ディ・イタリア2014』の話です。

ミシュランの3つ星にちなんでなのか、ガンベロ・ロッソでも、トレ・ビッキエーリとか、トレ・フォルケッテとか、トレ・ガンベリとか、何かのマークが3つつくと最高ランクに格付け、ということで、いろんな種類の飲食業界をマークで格付けしています。
ちなみに、ナポリ風ピッツェリアの最高はトレ・スピッキ。



皿に盛り付けて出す丸いビッツァをカットした時の形、くし切りピッツァが、シンボルマーク。
四角く焼いたピッツァをカットして売る店の最高峰は、ピッツァ・カッターが3つでトレ・ロテッレ。

この他バールのガイドも出していますが(トレ・キッキ)、バールに続いいて2012年版から出版されているのがパスティッチェーリとパスティッチェリーアのガイド。
さて、ではパスティチェーリのシンボルは、何が3つでしょう。
面白かったので「総合解説」にはマークを載せました。

答えはトルテ(ケーキ)です。
そのまんまでした。
最高峰はトルテが3つでトレ・トルテ。
そのデザインはケーキというよりカップケーキですね。

そして2014年版では、10人のパスィッチェーリがトレ・トルテに選ばれています。
イタリアのドルチェの最高峰の10人て、どんな人たちなんでしょう。



詳しくは次回に。


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2017年3月31日金曜日

リストランテ・ロマーノ

ガンベロ・ロッソの『リストランティ・ディ・イタリア2015』で新たにトレ・フォルケッテを獲得した店をもう1軒ご紹介。
リストランテロマーノです。
ロマーノ・フランチェスキーニ氏が23歳で店を始めた当時、一緒に働く妻のフランカはわずか16歳だったそうです。

ロマーノとフランカ。
 ↓


トスカーナのヴァカンス地ヴェルシリアにある店です。
ヴェルシリアはこんなところ。




トスカーナにはこんな顔もあったんですね。
ビーチに整然と並ぶデッキチェアの列は、イタリアの庶民的なバカンス地の典型的な風景のような気がするのですが、どうでしょう。

高級リゾート地なら外国人でも気軽に立ち入れますが、このデッキチェアの中には、なかなか入り込めないかも。

そんなバカンス地で、地元料理の伝説の店として知られていたのがロマーノです。
ガンベロ・ロッソがこの店の料理として紹介した1品は、舌平目のじゃがいも添え。
総合解説」には写真とリチェッタを載せています。
この料理、サン・ミニアートの白トリュフを散らしてあって、よーく見るとゴージャスなんですが、じゃがいもの存在感がすごすぎて、トリュフは炒めたにんにくの薄切り程度にしか見えません。
全ての客に家にいるように感じてほしいというロマーノとフランカたちの思いが、伝わってきますよ。
まったくと言っていいほど気取りがない。
でも、ミシュラン1つ星。



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“リストランティ・ディ・イタリア2015”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年12月号に載っています。
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2017年3月27日月曜日

リストランテ・ラ・トゥロータ

今月の「総合解説」から、『リストランティ・ディ・イタリア2015』の記事で登場した店の紹介です。
ちょっと前の話になりますが、2015年版のトレ・フォルケッテは24軒。
そのうち新たにトレ・フォルケッテになった店の紹介です。

毎年、トレ・フォルケッテに返り咲く有名店がいて、話題になります。
この年はマウロ・ウリアッシシェフの店、ウリアッシでした。
これ以来、ずっとトレ・フォルケッテです。




ウリアッシ氏の父親がトラックの運転手で農夫だった、
そして父のようになりたくなかったから料理を勉強して世界中でスタージュしたという話は有名なようですね。

次の店はラ・トゥロータ。
私たちの料理は日常の料理、大地が与えてくれるものを何でも使う。
流行は追わない。
地元と深く結びついている食材だけを使い、決して妥協しない。
と語るセルヴァ兄弟の店です。



ラ・トゥロータのパスタ・アッラ・グリーチャとアマトリチャーナ。




いったい何ができるんだろうと、途中から目が離せなくなりました。
マウロ・ウリアッシシェフとは対照的に、冷静に淡々と語る人ですが、頭の中は大回転してそうな人です。
彼の料理と店に俄然興味が湧いてきました。






店のwebページはこちら
店はリヴォドゥトリというラツィオ州内陸の、ウンブリアとの州境にある小さな町にあります。



こんな素晴らしいところに住んでいたら、流行なんて追わなくなるよなあ。

残りの店の紹介は次回に。

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“リストランティ・ディ・イタリア2015”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年12月号に載っています。
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2017年3月24日金曜日

マルケージとドン・アルフォンソの系譜を受け継ぐシェフたち

今月は時間がかかってしまいましたが、ようやく、12月号を発売できました。
クリスマス特集号で、イタリア各地のクリスマス料理などが載っています。
それと、ガンベロ・ロッソのリストランティ・ディ・イタリアのトレ・フォルケッティやパスティッチェーリ・ディ・イタリアのトレ・トルテの紹介記事もあります。

今日は、今月の「総合解説」で紹介しているシェフの店をご紹介。

まずはイラリオ・ヴィンチグエッラシェフ(webページはこちら)。
カンパーニア出身でジェンナーロ・エスポジトシェフ(トッレ・デル・サラチーノ)が大親友というヴィンチグエッラ氏ですが、彼の店、イラリオ・ヴィンチグエッラ・レストランは、ロンバルディアのガッララーテにあります。

こんな人でこんな店。
 ↓


ドン・アルフォンソの元で3年間働いてカンバーニアと地中海の本物の味を知ったという彼の料理は、北イタリアの人からすると南を感じさせる、北と南を結び付けた料理だそうです。
彼の料理のライトモチーフはトマト。
 ↓



もう一人のシェフは『クチーナ・エ・ヴィーニ』から、パオロ・ロプリオーレシェフ。
コモ生まれで、世界中で働いたのち、コモに戻ってシェラトン・レイク・コモ・ホテルの新しいリストランテ、キッチンのシェフに就任しました。
マルケージチルドレンの一人で、コモのホテルとマルケージのアルベレートは経営者が同じなんだそうです。

こんな人でこんな店。
 ↓


コモの前はシエナのイル・カントのシェフとして7年間過ごしたそうです。
自分の経験はすべて鞄に詰めて持ってきたが、昔の料理を繰り返し作るつもりはない、
と語り、イル・カントの顧客もキッチンの新しい顧客として取り込んでいます。

シェラトン・レイク・コモはこんなホテル。
 ↓


高級ホテル感がぷんぷんしてますが、ロマンチックなリゾートホテルというより、ビジネス向きのホテルのよう。

二人とも、小難しそうな料理を作りますが、実際はとてもシンプルで本質的な料理です。
ただ、ロプリオーレシェフの料理は、食材や調理テクニックに関する知識がないと理解しにくいかも。

おまけの動画はコモ湖。
ヴィスコンティファンにとっては聖地の一つなので、貧乏学生の頃にバックパックしょって行ったことがあるけど、どうせなら、お金をたんまり持って行きたいところでした。






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“イラリオ・ヴィンチグエッラ”シェフと“パオロ・ロプリオーレ”シェフの記事の日本語訳は「総合解説」13/14年12月号に載っています。

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2017年3月21日火曜日

詰め物入りパスタ、トルテッリ・クレマスキ

地方料理の話題、次は詰め物入りパスタです。
『サーレ・エ・ペペ』の記事なんですが、こんな一文で始まります。

「カラブリアの古い伝統によると、女の子は
15種類の違ったパスタが作れるようになればお嫁に行く準備ができたとみなされる・・・」

ひえ~、カラブリアの女子、スペック超高い。
女子力なんてもんじゃないですね、おかん力ですね。

前回のクリスマス料理の時には、「家族総出で詰め物入りパスタを作る時、具をのせたパスタを閉じるのは子供の役目」という話がありました。
これは日本なら、家で餃子を作る時の子供の役目もみたいなものかも、と思ったものですが、詰め物入りパスタの生地で紹介しているパスタ、ロンバルディアの“トルテッリ・クレマスキ”の外見が、餃子そっくりなんです。

でも、作り方を見るとちょっと違うみたい。



このパスタの成型の特徴は、底を平らにすること。
ゆで上がったパスタを立てて盛り付けることができます。
それが餃子っぽく見える秘密かも。

もう一つの特徴は、詰め物にアマレッティやココア、レーズン、カンディート、スパイスと言ったエキゾチックな材料を詰める点。
こんな詰め物のパスタは他にはありません。
これは、ルネサンス時代にドルチェとして誕生したパスタなんですね。
“クレマスキ”とは、ロンバルディアのクレーマを中心とするクレモナ県の一地方で、ヴェネチア共和国の支配下にあったこともあります。





餃子の味を連想して食べるとビックリするかも。

エキゾチックな材料と言えば、クリスマスの伝統的なドルチェにも欠かせない食材でした。それは、次の記事「クリスマスのドルチェ」でも説明しています。

おっと、話が違うほうに行っちゃいましたが、取りあえず、カラブリア風ラビオリの動画をどうぞ。
カラブリアの女の子は、お母さんやおばあちゃんから教わるんだろうなあ。





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2017年3月16日木曜日

家族で過ごすクリスマス

クリスマスの伝統料理の話、続けます。

とは言え、クリスマス料理だと思うと東アジアからはあまりに縁遠い料理のように感じますが、要は1年で一番のご馳走メニューだと思って見れば、別に12月25日にこだわる必要もなくなって、少しは身近になるかも。

pranzo di natale


一族が集う食事は楽しそうですね。
ただし嫁としてこの場にいる人は、単純に楽しいじゃすまないだろうなあ。
ご苦労さまです。
上の写真はボルツァーノのある家族。
写真に添えられたコメントによると、今年はカッペッレッティじゃなくてパスティッチョにしたのだそうです。
どうやら家族の中の有力者がパスティッチョがいいとメニューを決めたみたいです。
パスティッチョはおとうさんが毎週日曜日に作っていた得意メニューなんだって。
で、家族の他のメンバーは全員カッペッレッティを推したのですが、有力者には逆らえなかったみたい。
この平和そのものの家族の晩餐の裏には、そんなやり取りがあったとは。

余談ですが、私にとってイタリアの家族の晩餐と言えば、↓この映画のこの風景。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の『家族の肖像』の1シーン。
そもそも、この映画にはまってイタリアに興味を持つようになったのでした。
イタリアの貴族の方々は、家族同士でもこんなにおしゃれして気取って食事するのかと、10代の私にはちょっとしたカルチャーショックでした。
これがヴィスコンティの世界か、まあフィクションの世界の話だもんねなんて思ってたんです。
でも、若かりし頃、イタリア語を勉強に行ったフィレンツェの下宿先で、歴史的な古い建物の大きなダイニングルームで、大家さんの誕生日を祝いに来た孫娘が、ばっちりメイクしてお洒落して、プレゼントを渡しながら頬にキスをするのを見て、うわー、家族の肖像みたい、と感激したものでした。
でも、私もお誕生日おめでとうと言いながらキスするのかと考えると、絶望のどん底。
震えながら順番を待ったものでした。




次号の「総合解説」には、“家族で過ごすクリスマスのプランゾ”という記事も訳しています。
この記事によると我が家でクリスマスを迎える時は、小さな子供まで一番エレガントな服を着ているのですよ。
お父さんなんかネクタイしてるし。
でも、一番上の写真を見る限り、そんな家庭、ほんとにあるのか疑問がむくむくと湧いてきますが。

横にそれましたが、料理の話に戻ります。
クリスマスのディナーのメインは、シチリアのファルソマーグロとカンパーニアの去勢鳥のリピエーノを紹介しています。
どちらもゴージャスな肉料理ですが、ファルソマーグロはゆで卵のインパクトが大で楽しい料理。










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2017年3月13日月曜日

クリスマスの伝統料理のプリーモ

各地方のクリスマスの伝統料理の話を続けます。
今日はプリーモ。

まずはシチリアのティンバッロ。
ティンバッロはシチリア料理を代表するご馳走ですよね。
今回は、パスタにアネッレッティを使ったティンバッロです。
アネッレッティの料理は過去にリチェッタを訳した記憶がないのですが、ネット上にはこのパスタのティンバッロのリチェッタがたくさんありました。



でも、どこか違和感があるんです。

なぜ最近になってこんなにアネッレッティの動画が増えたのか。


以前は、ティンバッロと言えばガットパルド(山猫)のティンバッロ。
シチリアの貴族料理のエンブレム。
 ↓



でも、アネッレッティのティンバッロはもっとずっとシンプルでお手軽で家庭的。
これなら作ってもいいかも、と思える1品です。

なんだかアメリカの匂いがプンプンします。
どうやらアメリカでアネッレッティがアネッリーニという名前で普及した結果、動画も増えたようです。
ティンバッロという名前は使わず、アル・フォルノと言うのがアメリカ流のよう。



アメリカには移民が伝えたイタリア料理の文化があります。
イタリア料理のアメリカ化は、専業主婦でなく、仕事を持つ女性でもできる徹底的に合理的なイタリアの地方料理を生み出しました。
アメリカの大きさを感じます。

「総合解説」では、ティンバッロ以外にもプーリアのバッカラのマカロニ、ヴェネトのイカ墨とイカのリゾット、エミリア・ロマーニャのカッペッレッティ・イン・ブロードを紹介しています。
昔はクリスマスのパスタと言えば、カッペッレッティ・イン・ブロードでしたが、今はいろいろなパスタが紹介されるようになったものです。

そう言えば、カッペッレッティ・イン・ブロードを始めて食べた時は、おいしくてびっくりしました。
記事によると、このパスタは家庭ではクリスマスにしか作らないのだとか。
年末年始にロマーニャ地方に行く人は忘れずに食べてみてください。
超お勧め。

マウロ・ウリアッシのカッペッレッティ。





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2017年3月9日木曜日

レバーのクロスティーニ、ロマネスコのフリッター

遅くなりましたが、「総合解説」の次号(12月号)、もう少しで完成です。
12月号は当然ながら地方料理はクリスマス一色。
「総合解説」の最初の料理はレバーのパテでした。

Tuscan crostini

レバーのパテと言えば、トスカーナの代表的な前菜、レバーのクロスティーニが知られています。
レバーのパテは世界的なパーティー料理。
グランデ・クラシチ』によると、トスカーナでも、レバーのクロスティーニはクリスマスや復活祭のような祝日や日曜日のご馳走には欠かせない一品だそうです。
様々なトスカーナ料理の本を見てみましたが、一番の特徴はヴィン・サント入りということでしょうか。
ところが動画を探すとヴィン・サント入りのリチェタは全然見つからないのです。
今どきのレバーのクロスティーニにヴィン・サントは入っていないのか。
『クチーナ・イタリアーナ』の記事にもヴィン・サントがなかったら白ワインでよい、と書いてあります。



ヴィン・サント入りのレバーのクロスティーニは、わざわざヴィン・サント風味と明記するほどで、かなり特別なようです。
このシェフ、相当クラシックな作り方をしています。
 ↓


この店のwebページはこちら
クチコミは高評価。

レバーのパテに続く2品目は、ブロッコロ・ロマネスコのフリッター。
ブロッコロ・ロマネスコと言えば、当然ラツィオの名物。
そしてブロッコリーはナポリのクリスマスイブの定番食材。
どうやらイタリア各地のクリスマスの定番料理を組み合わせて、クリスマスのコース料理にするという企画の記事。

なぜだかとてもカッコつけた人たちがスタイリッュにブロッコロ・ロマネスコのビニェを作る番組。
 ↓


記事の料理はこの後パスタへと続きます。
イタリア各地のクリスマスのパスタは、バリエーション豊富で、どれも個性的。

次回に続きます。


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2017年3月6日月曜日

国民的イタリア料理の本『グランデ・クラシチ』

今日は、ぼちぼちホームページで紹介しようと思っていた本の紹介です。
その名も『グランデ・クラシチ』。
イタリア料理の定番中の定番、という料理を紹介した本なのですが、なんとこの本、何かと問題が多いイタリア郵便局が一枚かんでいるんです。

きっかけは、どうやら2015年のミラノ万博。
食がテーマのこの万博に際して、イタリアの料理書を出版しようと考えた某企業が、郵便局に協力を要請した結果、各町や家庭ごとに違うリチェッタがあると言われるイタリアで、特に大勢のイタリア国民から支持されているリチェッタは何かを郵送してもらって総選挙をしようということになったのでした。
その結果選ばれたのが、言わば国民的イタリア料理。
それらを集めてできたのが、立派でゴージャスな本ではなく、日常使いの、手ごろで実用的なこの本です。
料理はすべて写真付き、どの地方の料理かも明記、リチェッタを提供した店の名前や住所も記載されています。

リチェッタも読みやすいので、さらさら、と読めます。
たまたまメカジキの切り身があるのでイタリア料理風にしようと思ってこの本をパラパラめくってみたら、メカジキのシチリア風というのがありました。
水とオリーブオイルにトマト、ケッパー、オリーブ、にんにく、オレガノ、イタリアンパセリ、塩を加え、切り身を入れて煮詰める1品。

さすがは国民的イタリア料理。
家庭料理的で調理もお手軽そうで、アレンジしやすそう。

イタリア郵便局も頑張ってるんですね。
この本も「総合解説」にリチェッタの翻訳を載せる本の候補です。


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2017年3月2日木曜日

春のプリーモ・ピアット

色々あった2月も過ぎて、3月になりましたね。
我が家の西側にある遅咲きの梅も満開で、小さなメジロがせっせと受粉に励んでくれています。
ぼちぼち春かなあ、なんて感じる季節になりました。

という訳で、カルロ・カンビの『ミリオーリ・リチェッテ・デッラ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ』を開いてみたい時期になりましたよ。

度々紹介してますが、この本は、イタリア料理を四季ごとに紹介しているんです。
春のプリーモにはどんなのがあるか見てみると・・・。

アックアコッタ
ローストビーフソースのアニョロッティ
鴨のビゴリ
グリーンピースのクレーマ
ほうれん草のクレスペッレ
ワイルドアスパラガスとリコッタのニョッキ
グリーンピースのラグーのマッケロンチーニ
ゴルゴンゾーラのリゾット
ツナのスパゲッティ
イワシのスパゲッティ
タリアテッレ・パリア・エ・フィエーノ
じゃがいも、ムール貝、米のティエッラ
トルタ・ディ・リーゾ

なーるほど、イメージ湧いてきましたねー。
アックアコッタは、トスカーナはマレンマ地方のスープです。
イタリア版オニオングラタンスープみたいにも見えます。
まだ寒さが残っている早春にはぴったり。

アックアコッタのリチェッタには様々なバリエーションがありますが、今回は時間の短い動画を選びました。



次も春らしい1品。
ほうれん草とリコッタのクレープ。



プーリアのあの名物料理も。




これも美味しそう!
ゴルゴンゾーラのリゾット。
イタリア料理の定番リゾットの一つで簡単に作れます。
春には玉ねぎの代わりにポロねぎを使ってもいいとか。




なんだかもっとこの本のリチェッタを紹介したくなりました。
2015年の「総合解説」から本のリチェッタの翻訳も毎月載せますが、この本は有力候補です。


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2017年2月27日月曜日

ルフィーノとプラネタの地方料理書

このところワインの話が続きましたが、今日は大手ワイナリーが出したイタリア料理の本の話。

最近入荷した本、『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』と、『ルフィーノのトスカーナ』は、どちらも力作です。



ワインメーカーたちの土地への強い愛情と豊富な知識を、改めて認識しました。
彼らは料理の分野でも、とてもユニークな存在です。

プラネタもルフィーノもは、広大な土地を所有する貴族であり、領地の産物と自然との結びつきを熟知する農民であり、優れた醸造技術者を育てる研究者であり、世界中の消費者に自社のワインをPRするビジネスマンでもあります。
本からは、その土地の食文化の形成に、自らが一役買っているという自負が強く感じられます。
さらに、ワインのマーケットが世界規模なので、彼らが紹介するトスカーナやシチリア料理も、世界中に通用する洗練したセンスのよさがあります。

どちらの本も、特にルフィーノの本は、ある程度トスカーナ料理を知らないと理解できない中級以上の本です。
ワイナリーのイタリア地方料理は、イタリア料理の分野の一つとして、確立されつつあるなあと感じる本でした。

『ルフィーノのトスカーナ』出版イベント
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プラネタは本の出版1周年を記念してフードチャレンジのイベントを開催。
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2017年2月23日木曜日

ヴァッレ・レアーレ

ガンベロ・ロッソの『ヴィーニ・ディ・イタリア2015』、今日は白ワイン・オブ・ジ・イヤーの話。

ベスト白ワインに選ばれたのは、
“トレッビアーノ・ダブルッツォ・ヴィニャ・ディ・カペストラノ2012/ヴァッレ・レアーレ”。

トレッビアーノかあ。
赤と同じで、いまいち盛り上がりに欠けそう。

いや、そんなこともない。
このワインの注目ポイントは造り手のようです。
ヴァッレ・レアーレは職人気質のカンティーナで、ワイン造りにあまり適さないラクイラにヴェローナからやってきて、その厳しさに魅入られたレオナルド・ピッツォーロが率いるカンティーナ。

ヴァッレ・レアーレのワインを説明するレオナルド・ピッツォーロ氏。
 ↓


気のせいか、気候の厳しさを説明する口調がうれしそう。
ガンベロ・ロッソによると、後にトレンドとなるビオダイナミック農法を取り入れた初期のワインだそうです。
BIBENDAのオスカー・デル・ヴィーノ2014のベスト白ワイン部門にもノミネートされています。
同じトレッビアーノ・ダブルッツォでも、こちらはヴィニェート・ポポリ。




他にアブルッッォと言えば、モンテプルチャーノ・ダブルッツォですが、こちらも注目されています。

つまり、このカンティーナのワインは全部注目つーことのようですね。
しかも、ガンベロ・ロッソのベスト白ワインに選ばれたヴィニャ・ディ・カペストラ2012はまだ若いけれど、2010年はすでに小さなグランデワインの片鱗を見せているんだそうですよ。
つまり、2012年にこだわることもないかも。

おまけです。超素敵なモンテプルチャーノ・ダブルッッォのPVをどうぞ。




聖地巡礼したくなるワインのPVだなあ。

もう一つおまけ、アブルッツォの名物。
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“ヴィーニ・ディ・イタリア2015”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年2月20日月曜日

バローロ・ヴィッレーロ・リゼルヴァ・ヴィエッティ

カンティーナの凄腕女性経営者の話が出たので、今回は、久しぶりにガンベロ・ロッソのヴィーニ・ディ・イタリアの話。
例によってちょっと前、2015年版の話です。

この年、ロッソ・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは、バローロ。
ヴィッレーロ・リゼルヴァの2007年。
ガンベロ・ロッソによると、1982年以来、わず8つのヴィンテージしか生産されていないワインで、イタリアのワイン醸造の頂点を極めたワインの1つで、芸術品。
現時点でも美味しいが、ボトルで何年も熟成させることができるワイン、なんだそうですよ。

まあ。そんなワインを私が口にできる機会があるわけもないので、せめて写真だけでも。

Barolo Riserva Villero 2007 monumento alla Langa di oggi e di domani, eleganza e ricchezza e forza che travolge

凄いインパクトのあるラベルですね。
もし見かける機会があったら、ちゃんと思い出せそう。

ホームページを見ると(こちら)、ヴィエッティでは5つのクリュのバローロとリゼルヴァを生産していますが、リゼルヴァ用に選ばれたのは、ネッビオーロの栽培に最適と言われるテロワールのカスティリオーレ・ファッレットのコムーネのクリュ・ヴィッレーロのワイン。


ヴィエッティ家はクリュのブレンドが一般的だった時代から、単一のクリュのワイン造りに取り組んできたワイナリー。


ランゲ地方にあるカスティリオーネ・ファッレット。
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同地区のロカンダ。
メニューを眺めてるだけでも美味しそう。
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“ヴィーニ・ディ・イタリア2015”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年2月16日木曜日

ドナテッラのオステリア

今日は「総合解説」で紹介している女性シェフ、ロベルタ・アルキテッティさんのご紹介、
と思ったのですが、記事のほとんどを費やして紹介されているのは、シェフではなく、経営者のドナテッラ・チネッリ・コロンビ―ニさんのことでした。
店の名前もオテリア・ディ・ドナテッラで、ドナテッラさんを前面に押し出しています。
いったい、ドナテッラさんて何者なんでしょうか。

まずは紹介がてらこの動画をどうぞ。
 ↓



なんだかすごい肩書をずらっとお持ちですが、どうやら、イタリアのワイン業界で断トツに注目されているやり手のビジネスウーマンのようです。

まずはワイン。
ファットリア・デル・コッレというワイナリーとアグリトゥーリズモの経営者です。
すべて女性が運営に携わっています。
ワインはもちろん一級品。





ドナテッラさんは、オープンカンティーナのアイデアを考え出して、数年でイタリアのエノトゥーリズモの主流にしました。
2012年のヴィニタリーで国際賞受賞、2013年には女性醸造協会副会長就任。




そしてアグリトゥーリズモのレストラン、オステリア・ディ・ドナテッラとシェフのロベルタさん。




ソラマメとペコリーノのアニョロッティ。
トスカーナならではの食材ですね。
料理教室も併設されているそうですよ。


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“ロベルタ・アルキテッティ”シェフの記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年2月13日月曜日

ミラノの飲食店のトレンド

今日はちょっと前の、ミラノのレストランの話。
皆さん、覚えてますか、ミラノ万博のこと。

いつの話でしたっけ。
2015年ですよ。
今日話題にするミラノは、ミラノ万博を前にして、気持ちが上がっていた頃のミラノの話です。

イタリアで食がテーマの万博が開催される直前のミラノのレストラン業界は、相も変わらず、ミラノの飲食業界はこの10年で大きく変わった、と言われていました。
どう変わったかというと。ハイクラスの店とトラットリアの間の違いがあやふやになってきたそうですよ。
今は、パニーノを食べるだけでもグルメな体験ができて、上等なファーストフード、巨匠が作るパニーノが大流行。
今のミラノでは“象の耳”を食べるより美味しいハンバーガーを食べる方が簡単なんだそうです。

ハンバーガーを食べる時にソースを選べるなんてのは当たり前。
選べる肉の種類は、カンパーニア産水牛、パダーノ産のリムザン牛、ブラックアンギュス、日本の和牛、という豪華さ。

ミラノで成功する秘訣は個性と品質だそうです。

万博が終わって1年が経過した現在、ミラノの飲食業界はどのくらい変わっているかは分かりませんが、
まずは2年前は話題だった店、ザ・ミートボール・ファミリー。

ミートボールはイタリア語でポルペッティーネ、ミラノの方言ではモンデギーリ。
ミラノの人気の伝統的で庶民的なお惣菜です。

おしゃれなナヴィッリ地区のニューヨークの雰囲気をたたえたスタイリッシュな店。
 ↓




次は高級ブランドショップが立ち並ぶモンテナポレオーネ通りのパニーノの店、シック・エ・ゴー。
 ↓


パニーノの具は天然サーモン、アンガスビーフ、イセエビなどだそうです。


エコや有機栽培に敏感なレストランの代表は、28ポスティやエルバ・ブルスカ。
 ↓





スタリッシュな生き方を愛するミラノ人が好きそうな店ばかりですねえ。
ミラノでこてこての伝統料理を食べるのは、ますます難しくなりそうです。
店の詳細やホームページアドレスは「総合解説」をご覧ください。


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グルメガイド“ミラノ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年2月9日木曜日

タッジャスカオリーブ

今日の「総合解説」のビジュアル解説は、リグーリアのオリーブオイルの話。

リグーリアのオリーブと言えば、タッジャスカ種。

Taggiasca olives

タッジャスカは薄紫色で小粒のオリーブ。
上質なパテになり、うさぎ肉や鶏肉に合います。
リグーリアのオイルの特徴は、酸度が低くて甘く、デリケートでまろやかな味。
300種類以上あるイタリアのオリーブの中でも、最もデリケートなオイルができるのがタッジャスカ種。




リグーリアの中でもタッジャスカの栽培が盛んなのはインペリア。



リグーリアの畑は、海と山に挟まれた狭い段々畑。
リグーリアの石壁の総延長は万里の長城より長いんだそうですよ。
プーリアなどの南イタリアの広大なオリーブ畑とは、まったく違う姿をしています。
畑での労働もきつくて過酷なものでした。
オリーブの栽培をリグーリアに伝えたのは古代ローマ人。
広めたのは中世後期の修道士。




リグーリアの食材





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“オーリオ・リヴィエラ・リグレ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年2月6日月曜日

ティラミスの元祖?パルマのドルチェ

今日はパルマのドルチェの話です。
パルマのドルチェには、前回取り上げたファルネーゼやマリア・ルイーザ女公の宮廷と結びついた高貴なドルチェと、それ以前の、家庭や尼僧や修道士のドルチェの2つのベースがあります。

修道院生まれでパルマで今も愛されているドルチェの代表は、スポンガータ。
 ↓


ドライフルーツやスパイスがたっぷり入って、飾り気のない厳格な外見は、いかにも修道士が作ったドルチェ。
スポンガータなんて名前だから、スポンジ生地のふわふわしたケーキが思い浮かぶけど、これは硬そうですねー。
ねこちら
一説によると元々はローマ生まれで、ベネディクト会の修道士によって完成したドルチェ。
パルマに伝わってからは、サン・ジョヴァンニの修道院のものが人気ですぐに広まったのだそう。

総合解説」でもう一つ紹介されている修道院生まれの歴史のあるドルチェ、トルタ・ビアンカ、別名ブシランはこちら。
 ↓


これをホワイトケーキと呼ぶのは、どう考えても無理があります。
でも、復活祭のドルチェというのは納得。
ちなみにスポンガータはクリスマスのドルチェ。
これも納得。

次に、マリア・ルイーザの宮廷のドルチェとして紹介されているリチェタの一つが、ストラッキーノ・ディ・ドゥケッサ。

サヴォイアルディとマスカルポーネとコーヒーを使う、ティラミスによく似たドルチェです。




パルマ県のフォンテヴィーヴォという町の修道院で12世紀に生まれました。

ドゥケッサとは女公のこと。
ストラッキーノとは、形が似ているところからこう呼ばれるようになったとのこと。
いやーティラミスに似てますねえ。そっくりです。
チョコレートとアーモンド入りなので、ティラミスよりリッチ。
でも、名前のインパクトはティラミスの圧勝ですね。
ティラミスは私が考え出したと言う人が続出したのに、パルマの人はなぜ沈黙を守っているのでしょう。
詳しいリチェッタは「総合解説」にあります。



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“パルマのドルチェ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年2月2日木曜日

パルマの宮廷の主役

バジリカータのおばあちゃんのパスタの次は、パルマの宮廷のドルチェ。
パルマの宮廷というと、ファルネーゼ家やマリア・ルイーザ女公の宮廷だそうです。

マリア・ルイーザは、ナポレオンの妃だった人です。

ナポレオンは、戴冠式の肖像画で有名なジョセフィーヌと離婚して、オーストリア皇帝の娘のマリア・ルイーザと結婚します。
そしてナポレオンが失脚した後の1814年、マリア・ルイーザはパルマの大公になります。
そのあたりの波乱万丈でぐしゃぐしゃの人生は、wikiでどうぞ。

2014年は、彼女がパルマの大公になってから200周年の年。
パルマ市は、パルマ市民に一番愛された大公、マリア・ルイーザの、こんな動画を作りました。




ファルネーゼ家は、最初にパルマの大公となった家系。
パルマのテアトロ・ファルネーゼ。
 ↓



ローマのパラッツォ・ファルネーゼは、ローマ法王も出したファルネーゼ家の威光が感じられるルネサンスを代表する建物。
ミケランジェロも雇われて建築に携わりました。
現在はフランス大使館。
 ↓
/


かつてパルマを訪れた時は、パルマの歴史など何一つ知らず、生ハムとパルミジャーノしか知らなかったけど、かつての宮廷文化の名残のような品の良さはびんびん感じました。
 ↓




次回はパルマのドルチェの話です。


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パルマのドルチェの記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年1月30日月曜日

バジリカータのノンナの手打ちパスタ

今日のお題は前回のブログでもちょっと話題が出た話。
総合解説」の“バジリカータのノンナのパスタ”の記事のビジュアル解説です。

人気ブロガーが、子供の頃、大好きだった家庭料理の思い出を語るという記事で、今月は、いつもバジリカータの民族衣装を着て祝日のパスタを作るおばあちゃんの思い出。
食べるだけでなく、おばあちゃんがパスタを打つ姿を見るのが好きだった、という話、分かるなあ。
私もフィレンツェのイタリア語学校に通っていた時、下宿先のおばあゃんがお昼を作るのを眺めているのが大好きでした。

さすがにフィレンツェのおばあちゃんは民族衣装は着ていなかったけど、バジリカータでは、どんな衣装を着るんでしょうね。
というか、イタリアの民族衣装というと、必ずバジリカータの昔の農民の暮らしが引き合いに出されるような気がするのですが、気のせいかなあ。

バジリカータの伝統・風習
 ↓



バジリカータは、イタリアの典型的な農民の暮らしが、手つかずのまま残っている、最後の理想郷のような場所ですね。
料理や暮らしの情報は、観光立国イタリアにあっては驚くほど少ないですが、何物にも汚染されていない純粋な姿が垣間見られそう。

バジリカータのパスタ作り。
 ↓



バジリカータのパスタはプーリアのパスタに似ています。
典型的な南イタリアのパスタで、セモリナ粉と水の生地、3D的な立体的な形にします。
これは見ているのが楽しいパスタですね。

次も典型的なバジリカータのパスタ、フジッリ。
 ↓


そしてこれらのパスタに欠かせないチーズがペコリーノ・ディ・フィリアーノ。
 ↓


パスタを作るおばあちゃんの横で、食事の準備時のおじいちゃんの役目は、チーズをおろすことだけでした。





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“バジリカータのノンナのパスタ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年1月26日木曜日

ブレッシャ風パスタ、カゾンチェッリ

今日のお題は、ロンバルディアの詰め物入りパスタ第2弾。
カゾンチェッリです。

前回のトルテッリがイタリア中どこにでもあるメジャーなパスタだったのに比べて、カゾンチェッリはあまり聞かないですねえ。
どちらもラビオリ(詰め物入りパスタ)の一種で、この種のパスタは、たいてい、その形が名前の由来。
たとえばラビオリは中世の「小さな」かぶ。

Ravioli


トルテッリは「トルタ」。

Tortelli verdi

では、カゾンチェッリは?
「総合解説」でも説明していますが、「小さな靴」とか、「チーズ(カゼウス)」とか、いろいろな説があります。

A big plate of casoncelli


やはり家庭料理がルーツのイタリア料理はマンマの数だけリチェッタがあるわけで、どれが正しいと決めつけるのは不可能。

確かなのは、カゾンチェッリはロンバルディアはブレッシャやベルガモのパスタで、祝日のご馳走の一つとして昔から食べられていた、ということと、
ソースにはセージバターとパン粉が使われる、ということぐらい。

詰め物入りパスタは、祝日に食べるご馳走パスタ。
さらに、今月の「総合解説」の“バジリカータのノンナのパスタ”という記事でも紹介していますが、祝日に、家族のためにおばあちゃんが手作りするパスタは、イタリア人にとっては家庭の味の最たるもの。
幸せな温かい家族の子供の頃の思い出として、誰の胸にも染み込んでいるようです。

「総合解説」でカゾンチェッリがお勧めの店として紹介されている店のカゾンチェッリ。
 ↓



ブレッシャも観光客が押し寄せる街ではなさそうですが、落ち着いた北イタリアの都会的な街ですね。
ブレッシャのPV。
 ↓



こちらも「総合解説」のカソンチェッリがお勧めの店の1つ。
 ↓





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“カソンチェッリ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年1月23日月曜日

イザベラ・デステとマントヴァ


今日のお題は、カボチャのトルテッリ。

イタリアでカボチャと言えば、マントヴァのカボチャ。
甘くて水分が少ないのが特徴。
外見を見る限り、一般的な西洋カボチャです。

Zucca mantovana

マントヴァはロンバルディア州南部の、ヴェネトとエミリア・ロマーニャの間に打ち込まれたくさびのような形をした地方。

今月の「総合解説」のグルメガイドでもマントヴァを取り上げているので、詳しくは後日また。




今回は、マントヴァカボチャの名物料理、カボチャのトルテッリの話。

こんな料理。
 ↓



トルテッリはイタリア中どこにでもあるパスタ。
マントヴァではクリスマスイブの夜に、必ず食べる伝統料理です。
記事には、
「甘さと塩気のデリケートな組み合わせという珍しい味は、マントヴァ市民が大好きなルネッサンス料理の貴重な名残」
とあります。

マントヴァ料理のキーワードは、イザベラ・デステとゴンザーガ家。
イタリア料理は家庭料理がルーツといつも言っていますが、マントヴァ料理は珍しく、使っている食材は質素でも、生まれは貧しい農民料理ではありません。

イザベラ・デステとゴンザーガ家、マントヴァについての話は、こちら(wiki)でも読んでいただければ大雑把なところはイメージできるでしょう。

レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたイザベラ・デステ(1500)。

[ V ] Leonardo da Vinci - Isabella d'Este (c.1500)


彼女の二つ名は「ルネッサンスのファーストレディー」

/


ルネサンスの流行の発信者でグルメだった人です。
カボチャのトルテッリのリチェッタを考え出したわけではないけれど、宮廷料理の流行発信源となった人なので、この料理にも何かしらの影響を与えているはず。

最後に、記事でこの料理を食べるなら、お勧めの店として紹介されている店の中から、マントヴァの店の動画をどうぞ。
スローフードのプレシディのサルーミの盛り合わせ、カボチャのトルテッリ、予約がお勧め。





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“カボチャのトルテッリ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年1月19日木曜日

パスタ・アッラ・グリーチャ


今日のお題はイタリアの国民的パスタソースの一つでも、かなり地味な存在のソース。
アッラ・グリーチャです。
別名アマトリチャーナ・ビアンカと呼ばれます。
トマトが入らないアマトリチャーナ。
つまり、トマトがイタリアに広まる前に作られていたパスタです。

主な材料は、グアンチャーレとペコリーノ。
かなりシンプルなパスタなので、グアンチャーレの味によって大きく左右されます。
ベーコンで代用すると違う味になります。
安いグアンチャーレが手に入りにくい場所では、広まらなかったパスタソースですが、
グアンチャーレが料理には欠かせなかったローマでは、今月の「総合解説」に載せたような、面白いエピソードがたくさん生まれた、庶民の暮らしに密着したパスタソースでした。

ところで、この『クチーナ・イタリアーナ』の地方料理の記事は、無名の市民の、その料理にまつわる思い出を紹介するシリーズです。
なので、グリーチャという名前の由来とかいった小難しいことは、徹底してスルーしています。

で、今月は、どんな思い出が紹介されているかというと、ローマの、文字に書かれたメニューやハウスワイン以外は誰も注文しないようなトラットリアで、プレジデンテと呼ばれていたカメリエーレがいた店で、“私”が食べたリガトーニ・アッラ・グリーチャのことです。
それは、これまで食べたこともないくらい美味しかったのだそうですよ。

“グリーチャ”はラツィオの羊飼いの主食で、すぐにてきる、安いのにとてもボリュームがあるパスタです。
フォークをがつがつ差し込んでむしゃむしゃ食べて(私は2分で食べたそうです)、ハウスワイン(定番はフラスカーティ・スーペリオーレ)で流し込むようなパスタだったのです。





主役のグアンチャーレは塩漬けして熟成させた豚の頬肉の脂身。




それにしても、ローマの名物カメリエーレがいる店は、カメリエーレのテンションについていければ、常連さんたちの中にすぐに溶け込めて、楽しいですよね。





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“パスタ・アッラ・グリーチャ”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年1月16日月曜日

ラグー

寒いですねー。
総合解説」13/14年11月号発売しました。
最初に取り上げるのは、ラグーです。

イタリア料理のラグーは ragù。
フランス料理のラグーは ragout。

ragoutは小さく刻んだ材料の煮込み料理。
それがragùになると、肉、香味野菜、ワイン、トマトがベースの煮込んだソース。
イメージ的には、前者がシチューで後者がミートソース。

アメリカ系イタリア料理の影響で、ミートソースのイメージのラグーは、ラグー・ボロニェーゼのこと。
「総合解説」には5種類の地方のラグーを載せましたが、挽肉を使っているのは2種類でした。

「総合解説」によると、ragùは、歴史がまだ200年しかない若い料理。
その歴史をちょっと遡ってみると、その前身は、ragout、つまり煮込み料理(stufato)です。

煮込み料理と言うのは、硬い肉を食べやすくするために考え出された調理方法。
かなり昔からあります。
そこにトマトが加わって、ラグーと呼ばれるようになりました。

イタリアのラグーには2つの大きなグループがあります。
一つはボロニェーゼ、またはエミリアーノ。
もう一つはナポレターノ、または南伊風。
前者は挽肉を使い、後者は塊肉を使います。後者の肉はセコンドとして食べます。

ラグーをかけるパスタは、中部イタリアでは手打ちのタリアテッレ、ラザーニャ、グラミーニャ、ガルガネッリ、トルテッリーニなど。
一方面白いことに、ナポリでは細くて長い麺にラグーをかけるのは冒涜とみなされます。
ラグーには、マッケローニ、ペンネ、折ったジーティなどの硬質小麦の太くて短い麺。

こうしてみると、スパゲッティにミートソースをかける習慣は、イタリアにはない、ということがよくわかります。

そして、ナポリ人がどれほどラグーにこだわっているかがよくわかるものとしていつも引き合いに出させるのが、エドゥアルド・デ・フィリッポ監督でソフィア・ローレン主演の、親子3世代の愛情物語、1959年のコメディー映画『土曜、日曜、月曜』のラグーの喧嘩のシーン。
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言ってることがなんとなくわかる不思議なシーン。
ソフィァ・ローレンておばちゃん同士の喧嘩しててもキレイ。


ジーティのラグー・ナポレターナ
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最後に、世界的に評価されているモデナのラ・フランチェスカーナのシェフ、マッシモ・ボットゥーラ氏の名言を。

ラグーの正しいリチェッタなど存在しない。
正しい食材と地域性があるだけだ。
クラシックな伝統料理なので、オリジナルな創作は成功したためしがない。
美味しいラグーを作る秘訣は、最高の肉を使う。
トマトは少し、マンテカーレする時のパルミジャーノはたっぷり、それだけだ。




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“ラグー”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
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2017年1月12日木曜日

コウイカのジミーノ

今日はリグーリア料理の話。
総合解説」10月号、2つ目の地方料理の話。

コウイカのジミーノです。

ほとんど知られていない料理ですよね。
だいたい、日本ではコウイカの料理が一般的って話、聞かないし。

イタリア料理をかじった人なら、コウイカはイタリア語ではセッピアで、セピア色(黒褐色)の語源でもあり、イカ墨のパスタなどに使われるイカ墨はコウイカの墨のこと、ということぐらいは知ってますよね。

そこにさらに、リグーリアではコウイカはサバやイワシと同じ大衆魚の一つ、という情報を加えてください。

Cuttle Fish, Sydney Aquarium


そもそも家庭料理がルーツのイタリア料理には、ゴージャスで高価な食材を使うものはほとんどなく、むしろ、節約上手な主婦がやりくりして作る料理が中心。

この料理はトスカーナ料理としても知られていますが、今回は珍しくマイナーなリグーリア目線のリチェッタです。

まず、リグーリア料理の特徴は、
「質素だがとても独創的」
「海と山に挟まれた狭いやせた土地を有効利用する才能が発揮された料理」
「作物は野菜が主体で、穀物と香草も少々あり、肉はほとんどなく、あったとしても家禽肉」
「しかし、海からは魚が大量に獲れた。
特にサバ、イワシ、カタクチイワシ、イイダコ、コウイカといった大衆魚が中心だった」

どうですか、リグーリア料理のイメージ、湧いてきましたか?
このたくさん捕れるコウイカとビエトラを組み合わせた料理という訳です。
「ジミーノはアラビア語のsaminが語源で、魚がベースの料理にかける野菜のソースのことを意味した」
「コウイカ、バッカラなどの魚にビエトラやほうれん草を加えて煮る料理」
コウイカはビエトラと相性が良いようです。

たくさんあるバリエーションの一つとして、今回は乾燥ポルチーニ入り。

まず、香味野菜のみじん切りをソッフリットにし、戻したポルチーニ、イカ、ワイン、トマト、香草を加えて煮ます。
さらに硬い茎を取り除いたビエトラの葉を加えて煮ます。
これをガーリックトーストの上にかけてサーブします。

リグーリアのコウイカの旬は春、ポルチーニは秋には生を使う、ビエトラの代用野菜はカタローニャやチーメ・ディ・ラパ(ブロッコリーレイブ)、イタリアで食べる時はこのくらいの予備知識があったらばっちりです。
仕上げに、リグーリア料理のエンブレム的食材、松の実を加えれば、トスカーナ料理との区別がより明確になりそう。

最後にコウイカではなくヤリイカのイン・ジミーノの動画をどうぞ。








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“コウイカのジミーノ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年10月号に載っています。
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2017年1月5日木曜日

バローロを旅する

2017年も無事に始まりました。
今年もよろしくお願いします。
今年はレンズ豆食べてないので、小金が貯まりますようにという祈願をしていないのが、ちょっと残念。

今年は何の話題から始めようかなあ。
久しぶりにワインなんてどうでしょう。

現在販売中の「総合解説」で取り上げているイタリアグルメ旅の目的地はバローロ。
イタリアで最も名門と言われるワインですので、新年の話題にふさわしそう。

Barolo

イタリアワインに興味がある人が旅行先に選ぶなら、トスカーナのキアンティかピエモンテのバローロあたりが人気ありそう。
上の写真のバローロ城に行ったことのある人も大勢いるのでは。

それでは記事のヴィジュアル解説を始めます。

記事には、バローロを造ってバローロの文化を確立させたのは、ファッレッティ女侯爵、ジュリア・コルベルト・ファッレッティとあります。
こんな人。
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ファッレッティ家はアルバ出身の有力な金融業者でした。
なるほど、お金持ってたんですねえ。
ジュリアの肖像画もたくさん残っています。

ファッレッティ家が遺産を処分して土地を手に入れ、ぶどうの栽培とワイン造りを始めたのが、バローロワインの始まり。
あの城をバローロ城と名付けたのがバローロの侯爵になったファッレッティ家。

女侯爵は、後のイタリア王家サヴォイア家ともお付き合いがあって、カルロ・アルベルト王とバローロのエピソードなど、「王のワイン」と呼ばれる根拠となる話にも事欠きません。

この王様がバローロが好きだったというエピソードは解説をお読みください。

ただ、カルロ・アルベルト王はサヴォイア家の分家の家系。
イタリア王国の前身、サルデーニャ王国の王様でイタリアの王様ではなかったんですねえ。
道理で、あまり聞いたことないなあ、何やった人だっけ・・・、という印象。
実際、その治世はあまりぱっとせず、結局晩年はポルトガルに亡命しているんですねえ。

カルロ・アルベルト
 ↓


なんてこと言ったら、トリノの人に怒られそうです。
1848年に憲法を発布して議会制を導入するなどした自由主義思想を持った王様。
でも、時代は1848年革命の真っ只中。
この年はヨーロッパ中で革命がおこりました。
イタリアも例外ではなく、むしろイタリア統一運動へとつながる激熱の革命の日々へと突入していきました。
そんな革命の気運の中で起きた第一次イタリア独立戦争でイタリアを背負って戦っていたのが(主な敵はオーストリア)、カルロ・アルベルト王だったんですね。
結局は負けるんですが、とにかく、この王様がバローロを気に入ったという逸話から、王様のワインというキャッチコピーが生まれたようです。

イタリア統一運動の重要人物だったんですねー。
大変失礼いたしました。

最後に「総合解説」でバローロのお勧めホテル・レストランとして紹介している店の動画。

ロカンダ・ネル・ボルゴ・アンティコ




リストランテ・ボヴィオ







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ストトラーダ・デル・ヴィーノの旅“バローロ”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年10月号に載っています。
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