2017年9月19日火曜日

グラニャーノのパスタメーカー、ジェンティーレのフジッリ

昨今のクラフトビールのブームは、世界的な傾向。
ところで、クラフトビールとは、どういう意味なんでしょう。
クラフトには技能とか技と言う意味があります。
イタリア語では、クラフトビールは、birra artigianale。
ビッラ・アルティジャナーレ。

このアルティジャナーレという言葉は、イタリア料理のポイントとなる言葉です。
イタリア料理に接していると、何度となく耳にする言葉です。
辞書で調べると、手工業の、とか職人の、といった意味です。

つまり、機械で大量生産するの反対で、熟練した技を持つ人の手で、一つ一つ手間をかけて作られたもののことです。
製品に作った人の考えがストレートに反映される特徴があります。
イタリアは、こういう職人を尊敬してきた国です。
特に芸術やファッション、車などの分野では、アルティジャナーレの世界的巨匠を大勢生み出してきました。

食の世界にもアルティジャナーレな作り手がたくさんいます。

ノルチャのクラフトビールの一例、修道院ビール




今日紹介するのは、アルティジャナーレのパスタです。

パスタには職人が作る手打ち麺と、工場で大量生産される乾麺がありますよね。
さらに、乾麺の中にも、職人が作る麺と、全部機械で作る麺とがあります。

手打ち麺はイコール・アルティジャナーレなパスタですが、乾麺にもアルティジャナーレなパスタがある、という訳です。

イタリアには、パスタの町として知られるグラニャーノがあります。
グラニャーノのパスタは、アルティジャナーレなパスタとして知られています。




そこで今日紹介するのは、上の動画にも登場するグラニャーノの、アルティジャナーレなパスタの造り手として有名なジェンティーレの、パスタではなく、本です。



新入荷の1冊です。『ストーリア・ディ・ファブリカンティ・ディ・マッケローニ
ジェンティーレの経営者一族の女性のナポリの伝統料理の力作のリチェッタ集。

上の動画で女性たちが1本ずつ手で造っていたのはフジッリ。
ナポリの代表的な伝統パスタです。
本の表紙になっているのも、そのフジッリ。

グラニャーノのパスタの本質を知るには、1本ずつ手でねじったフジッリを味わわなくては。
ショートパスタのフジッリとは、まったく別の食べ物ですね。
表紙のフジッリの盛り付け方は、私が見た中ではナンバーワンの美しさ。



表紙のフジッリは、リコッタとトマトのソースです。
美しいパスタにからめるのは、固形物が入らなくても濃い風味のソース。




使う食材にはナポリの味が詰まっていそう。
ピエンノーロのトマト、水牛のモッツァレッラ、ナポリ種のバジリコ・・・。
余談ですが、イタリアのバジリコは、主にジェノヴァ種とナポリ種の2品種なんだそうです。

このジェンティーレの本は、写真が信じられないくらいドアップです。
実物の数倍ありそうなのもあります。
見開きの2ページに巨大なパスタの断面がドーンとのっていたり、
全てお見せしましょうという心意気が感じられる面白い超大型本です。



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ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。

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