2つの顔を持つ街、ジェノヴァ。
港と丘陵地では、料理も違います。
によると、リグーリアのスーゴには、海の幸がベースの“スーゴ・ディ・マーレ”というのがあります。これは19世紀後半に、リヴィエラ地方で起きた味の国際化や観光ブームがきっかけでした。
ところがリグーリアの、またはその食文化の中心地はジェノヴァ。
ジェノヴァ料理は、魚料理がベースではない料理です。
リヴィエラの魚のソースの代表は、“sugo di acciughe salate”。
中世以前から広まっていた青魚のソースです。塩抜きしたアンチョビをオリーブオイルで溶いてパスタや野菜、ゆでた魚にかけました。
アンチョビのソースはアーリオ・オーリオやカルボナーラに匹敵するイタリア料理のベース。
アンチョビのスパゲッティ
一方、ジェノヴァのソースのベースは、“salsa di noci”クルミのソースです。
クルミのソースのパスタ。
このソースをかけるパスタは、タリアテッレ、スパゲッティ、リングイーネ、トレネッテなど。
トレネッテは卵が入らない硬質小麦のパスタです。
グルメでリグーリアの食文化に詳しい有名ジャーナリストが語るトレネッテ。
くるみは最初の十字軍の遠征(1099)でキリスト教徒が発見したものの一つ。
他に、スパイス、砂糖、さらに後にコーヒーも発見しました。
くるみだけでなく、ヘーゼルナッツやアーモンド、松の実といった当時はヨーロッパには存在しない油を含んだ木の実に、ヨーロッパ人は夢中になりました。中世の無数のドルチェのベースになり、甘くない料理にも使われました。クルミのソースも、人気でした。
最後はジェノヴァのレストラン“Le Cicale”
次はペーストの話。
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