この本は、各料理にまつわる、ハリーズバーのVIPたちのエピソードが書かれています。例えばパスタの章にはデ・チェッコの社長の話が登場します。
ラビオリの話に登場するのはアガー・カーン3世。聞いたことないですよね。カラチ出身のイスラム教の政治家・実業家だそうです。カラチはパキスタン最大の都市。イギリスの植民地でした。なのでアガー・カーン3世はイギリス王室や上流階級と交流があって、国際連盟の議長も務めた人。
アガー・カーン3世を追悼する動画
彼が好きなラビオリは、なんとキャビアのラビオリだそうです。聞いたことないよー。どんだけセレブなのー? ベネチアではグランド・ホテルに滞在していたそうですが、飲みたくなるとハリーズ・バーに通ったようです。グランド・ホテルの彼の朝食は、たっぷりのキャビアで、2㎏の箱に入ったキャビアを彼自身が大きなスプーンですくい取って皿に盛っていたそうです。キャビアの話を聞くたびに、これは半端にリッチなだけでは扱いきれない食べ物だなあ、と思います。革命が起きるほど庶民の怒りを湧き起こさせ、同時に世界中から尊敬される仕事を成し遂げる人にこそ似あう食べ物。朝食に毎朝キャビアを食べる人が、存在していたんですねー。彼は、キャビアの後にはピエモンテ風ラビオリを食べたそうです。血圧がちょっと心配・・・。
ハリーズバーのラビオリは、パスタ・フレスカを薄く伸ばした柔らかい生地が特徴。長さ30㎝、幅12㎝の生地2枚に溶いた卵を塗り(生地を接着させるため)、詰め物を2~2.5㎝間隔に並べて溶いた卵を塗った生地で覆います。詰め物の周囲を押して閉じ、好みの型でラビオリに抜き、打ち粉をしたバットに並べます。すぐにゆでない時はセモリナ粉をたっぷり散らすかアルミ箔で覆って冷蔵庫で休ませる。
リコッタとほうれん草のラビオリ
ハリーズバーのラビオリと比べると、生地は数倍は厚くて堅そう。
ピエモンテ風ラビオリは、アニョロッティ・デル・プリン。
キャビアのアニョロッティ
詰め物なしのパスタは、パスタ・フレスカを細く切った麺の料理。
本にはこんなことが書いてありました。
「レストランを判断するには、バターとチーズのパスタを頼んでみるとよい。もしパスタの質が良くてその場で正しくゆでたパスタで上質のバターとチーズなら、その料理はシェフとカメリエーレだけが作ったもの。ごまかしはきかないパスタだ」
バターとチーズのパスタ・フレスカと言えば。フェットゥッチーネ・アルフレード。
次回はこのタイプのパスタのリチェッタ。
=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。
現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)のバックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもどうぞ。
ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
■本や(CIR)の購入方法
お問い合わせはこちらからどうぞ。
(CIR2022年1月号)は現在発売中です。
(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
■ブログ『イタリア料理ほんやくざんまい』
■ブログ『イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』昔の「総合解説」はシステムの変更のため販売を終了しました。現在は(CIR)に名前を変更しました。
“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズ
『スーゴとソース』
『ハリーズ・バー』
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず。最新情報はすべてブログでお知らせします]
====================================
0 件のコメント:
コメントを投稿