2024年5月8日水曜日

スパゲッティの伝統がないベネチアで最近普及したのがクロアチア発祥のスパゲッティ・アッラ・ブザラ。スカンピのスパゲッティです。

ベネチアのシーフードの話、モエケまでやって気が付きました。
このままでは永遠に終わらない。
ベネチア甘く見てました・・・。
ベネチアの人が大好きな貝の話はまた次回に。
という訳で、ベネチア料理の話、次はパスタの話に移ります。
シーフードの料理は終わりが見えないほど各種あるベネチアですが、スパゲッティや乾麺のパスタとなると、とたんに、何かあったかなあ・・・、となります。
フレッシュパスタなら、ビーゴリなどの名物がありますが、スパゲッティにこだわってみると、『クチーナ・ディ・ヴェネチア・エ・ラグーナ
には、1品だけありました。ベネチア料理のリストに最近加わった1品だそうです。本では、ラグーナではパスタはビーゴリ、トマトと唐辛子のパスタ以外は興味を持たれていない、とずばっと言ってます。これはイストリア発祥のパスタだそうで、イストリアでは人気のパスタ。イストリアはアドリア海の奥にある半島で、イタリア、クロアチア、スロベニアにまたがる地方。ベネチア共和国~オーストリア帝国を経て、冷戦のややこしいごたごたの結果イタリアになります。

地中海のオアシス、イストリア


海からチョット遠ざかった気がしますが、紹介するパスタは、スパゲッティ・アッラ・ブザラspaghetti alla busara、ブザラとはスカンピのこと。スカンピのスパゲッティです。

スカンピのリングイーネ


ベネチア料理の本の傑作のお薦めは、もう1冊あります。『ハリーズ・バー

です。ヘミングウェイに愛されたベニスの伝説の名店、創業者ジュゼッペ・チプリアーニの息子が父親に捧げた本で、伝説になった出来事や、店の人気料理のリチェタを詳しく、惜しげもなく紹介した本です。ベニスの食文化の話も面白いです。

乾麺のパスタについては、イタリアを象徴する食べ物で、低コストの持続可能な食事として、イタリアの健康な食事のベース、と語っていますが、生パスタ“パスタ・フレスカ”は、卵入りパスタがベースの食べ物で、乾麺とはまったく別のもの、だそうです。
小さなアルティジャナーレのメーカーが作る水分40%以上の軟質小麦粉のパスタのことです。ハリーズ・バーには、パスタ・フレスカのメニューがたくさんありますが、デ・チェッコの社長も顧客だったそうで、デ・チェッコのことを私にとってはイタリアで最高のパスタメーカー、と言っています。社長は「チプリアーニ、分かるかい。みんなパスタのアルデンテについてあれこれ言うが、私は袋の表示より2分短くゆで上げれば、みんな同じアルデンテになる。きっかり時間通りにゆでれば、美味しいパスタとどこにでもあるパスタの違いが分かる」と語ったそうです。
そして、卵入りパスタ・フレスカにはアルデンテはありません。ソフトで、かつ腰があるのがパスタ・フレスカです。ゆで時間が1分長かったり、1分短いだけで、品質がよく分かります。つまり、ハリーズバーのパスタ・フレスカがお勧め・・・。

じつはハリーズ・バーはチプリアーニのブランド名でパスタも売ってます。


ハリーズ・バーと言うと、カクテルが有名ですけど、次回はパスタ・フレスカの話。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2022年2月号発売しました

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ) 2022年2月号 発売しました。 今月の地方料理は、 “恋人たちのドルチェ” “ハリーズバーのカルパッチョ” “スペックのカネデルリ” “パンナ・コッタ” “サン・ビア―ジョのチャンベッラ” など・・。 記事は “大統領官邸の料理...