2024年5月9日木曜日

パスタ・フレスカにはアルデンテの概念はない、と言い切るベネチア人。ベネチアのパスタはパスタ・フレスカ。でも、世界中の人は乾麺のパスタを求めるので、独自の道に進化させはじめた。

ベネチアの象徴、“ハリーズ・バー”では、パスタ・フレスカを出しています。
自伝的本、『ハリーズ・バー』には、パスタ・フレスカにはアルデンテという概念はない、というアッリーゴ・チプリアーニの話が綴られています。
ちなみに、アッリーゴは創業者ジュゼッペの息子です。創業者の名前はハリーじゃないんです。このあたりのことは、来月の2月号で記事になっていますので、お楽しみに。

さて、今日は、『ハリーズ・バー』のパスタ・フレスカのリチェッタを訳してみます。

本には、こんな解説が添えられています。
「このパスタは、ラビオリやカネロニに使うこともできます。美味しく作るポイントは、小麦粉、卵、そして手間をかけた麺打ち作業。低温で150回折りたたみ、湿度をコントロールした状態で14時間乾燥させます」とあります。

材料/パスタ300g分
小麦粉・・100g
卵・・2個
硬質小麦粉・・100g

  大理石の台で両手を使って小麦粉と卵を混ぜ、適度な堅さになったら小さく切ってパスタマシンを通す。一番厚い目盛りから初めて十分になめらかになったらもっと薄くする。マシンを通す前に生地を2つに折りたたむ。一番薄くなる前に少なくとも20回通す。
・この作業の間、打ち粉をし、パスタマシンのローラーの熱で熱くならないように気をつける。伸ばした生地は1枚ずつ油紙にのせて残りの生地を作業する間休ませる。カットする前に好みの長さに切る。

《パスタをゆでる》
・パスタは大鍋でたっぷりの湯でゆでる。
・パスタ450gに水は最低4~5ℓ。パスタ200gにつき最低1ℓ。たっぷりの湯を使う。パスタをゆでる理想的な温度は100℃。少ない水にパスタを入れると、沸騰するのに最低1~2分かかる。パスタはゆでている間にデンプンが流れ出るが、水が少ないとデンプンが濃縮され、パスタがゴム状になる。

・パスタは常に塩ゆでする。塩は海塩がよい。たいていの人は塩の量を計らないが、理想的な量は、パスタ450gにつき小さじ1.5杯。

乾麺については、アルデンテの概念をも否定するベネチア人ですが、パスタ・フレスカには、こんなにこだわっているんですね。
ハリーズバーにカクテルじゃなくてパスタが目当てで行く人はあまりいないかもしれないけど、この店のパスタ・フレスカ、食べてみたくなりますね。ただし、チプリアーニ社は自社ブランドの乾麺を販売していて、店ではこの乾麺を出しているそうです。パスタ・フレスカはラビオリとカネロニにしてるそうですよ。本にはこれらの写真やリチェッタもたくさん載っていますが、どれもとても美しくて見るからに柔らかそうで、本当に美味しそうです。

パスタ・フレスカ

ベネチアのテイクアウト専門のフレッシュパスタのフランチャイズ、“パスタ・エ・パスタ”。


どうやらベネチアのパスタはガラパゴス化しているよう。
その一例が、カネロ二やラビオリ。パスタ・フレスカで具を包み、ソースをかけて焼く、クレープに近い姿。

リコッタとほうれん草のカネロニ
次はハリーズバーのカネロニのリチェタを訳してみます。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

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