2024年5月2日木曜日

ベネチアのボッタルガ

アドリア海のコウイカの話をしてきましたが、ベネチアがあるベネト州は、アドリア海の他にも、デルタ・デル・ポーと呼ばれるラグーナ(潟)や、イタリア最大の湖、ガルダ湖ともつながっています。

ベネチアとラグーナ

ラグーナとデルタ・デル・ポー

ガルダ湖

ベネトの海につながる地方だけでもこんなにバリエーション豊かですが、この他に、野生動物やきのこ、放牧地のチーズなどで知られるドロミテ渓谷を囲む山々、ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾの産地でもある豊かな平野などがあります。

海、潟、湖と、ベネチア料理には各種の魚が登場します。さらに、この地方にはオステリアの伝統があります。そこで出される料理はチケッティと呼ばれ、オンブラと呼ばれるワインを飲みながら味わいます。
魚好きののんべえには最高の地方。
コウイカの卵は、チケッティの人気の前菜ですが、ベネトの前菜と言えば、ベネチア人のキャビアことボッタルガもあります。
ボッタルガと言えばサルデーニャ産が有名ですが、ベネチアのボッタルガはボラの卵のボッタルガ。ボラの卵を最初に塩漬けにして熟成させたのはフェニキア人でしたが、地中海に広めたのはアラブ人。オリエントとつながっていた海洋国家ベネチアならではの食材ですね。
現在ではベネチアのすべてのバカロで海の前菜として人気です。

ベネチアのバカロ巡り

自家製ボッタルガ

ボッタルガ用の魚の漁は、普通、卵を傷つけないように網で魚を獲ります。その方法で作ったボッタルガはアルティジャナーレなボッタルガと呼ばれます。
卵は塩漬けにして板に挟み、塩を落として1週間干します。ローマ教皇ピウス5世の秘密の料理人、バルトロメオ・スカッキは、最高のボッタルガはspigolaスズキ(シーバス)の卵で作ったものと言っています。

ブランジーノbranzino(ヨーロッピアンシーバス)のボッタルガ

こうして作った自家製ポッルタガは、主にパスタにします。


イタリアのボッタルガの最高峰は、スローフードの保護食材としても知られるトスカーナはグロッセ―ト県オルべテッロのボッタルガ。

オルべテッロのボッタルガ


=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)のバックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。
(CIR2022年1月号)は現在発売中です。


(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず。最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================



0 件のコメント:

パレルモのスファンチョーネは、ナポリのピッツァに匹敵する存在。その語源はラテン語とギリシャ語のスポンジという言葉のミックス。

今日はイタリアのストリートフードの聖地、シチリアのシンボル的名物ストリートフード、 スフィンチョ―ネsfincioneの話。 スフィンチョ―ネ スフィンチョ―ネ・バレルミタノの日本語のリチェッタは、(CIR7月号P.25) パレルモのスフィンチョ―ネの屋台。 スフィンチョ―ネの移...