アドリア海のコウイカの話をしてきましたが、ベネチアがあるベネト州は、アドリア海の他にも、デルタ・デル・ポーと呼ばれるラグーナ(潟)や、イタリア最大の湖、ガルダ湖ともつながっています。
ベネチアとラグーナ
ラグーナとデルタ・デル・ポー
ガルダ湖
ベネトの海につながる地方だけでもこんなにバリエーション豊かですが、この他に、野生動物やきのこ、放牧地のチーズなどで知られるドロミテ渓谷を囲む山々、ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾの産地でもある豊かな平野などがあります。
海、潟、湖と、ベネチア料理には各種の魚が登場します。さらに、この地方にはオステリアの伝統があります。そこで出される料理はチケッティと呼ばれ、オンブラと呼ばれるワインを飲みながら味わいます。
魚好きののんべえには最高の地方。
コウイカの卵は、チケッティの人気の前菜ですが、ベネトの前菜と言えば、ベネチア人のキャビアことボッタルガもあります。
ボッタルガと言えばサルデーニャ産が有名ですが、ベネチアのボッタルガはボラの卵のボッタルガ。ボラの卵を最初に塩漬けにして熟成させたのはフェニキア人でしたが、地中海に広めたのはアラブ人。オリエントとつながっていた海洋国家ベネチアならではの食材ですね。
現在ではベネチアのすべてのバカロで海の前菜として人気です。
ベネチアのバカロ巡り
自家製ボッタルガ
ボッタルガ用の魚の漁は、普通、卵を傷つけないように網で魚を獲ります。その方法で作ったボッタルガはアルティジャナーレなボッタルガと呼ばれます。
卵は塩漬けにして板に挟み、塩を落として1週間干します。ローマ教皇ピウス5世の秘密の料理人、バルトロメオ・スカッキは、最高のボッタルガはspigolaスズキ(シーバス)の卵で作ったものと言っています。ブランジーノbranzino(ヨーロッピアンシーバス)のボッタルガ
こうして作った自家製ポッルタガは、主にパスタにします。
イタリアのボッタルガの最高峰は、スローフードの保護食材としても知られるトスカーナはグロッセ―ト県オルべテッロのボッタルガ。
オルべテッロのボッタルガ
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