2024年4月16日火曜日

山の泡ことトレントDOC

今日は今月のワインの話。
日本語訳は(CIR2022年1月号P.34~)。
“山の泡”、というキャッチコピーのワインです。
トレント・クラッシコTrento Classico。
このワインはメトド・クラッシコ、つまりシャンパのワーズ製法で造られるスプマンテで、イタリアでは同様の製法のフランチャコルタとよく比較されます。
シャンパーニュ地方の影響を受けたシャンパノワーズ製法のことをイタリア語ではメトド・クラッシコと呼びます。シャンパンと同じく地域の名前が製法も意味しているので、フランチャコルタはスプマンテと表示しない唯一のイタリアのスパークリングワイン。

メトド・クラッシコ

メトド・クラッシコのスプマンテ

フランチャコルタ

一方トレント地方は、ミネラル風味を生み出す石灰岩とケイ素からなる土壌と山の存在によってスプマンテの産地として特別になりました。畑は標高900mにもなりますが、ガルダ湖のおかげで朝晩の気温の変化が大きく、日中は地中海地方の温かさになる。
 この地方がスプマンテ造りに適していると最初に認めたのはジュリオ・フェッラーリ。トレントでフェッラーリを創業したのはジュリオ・フェッラーリだが、このイタリアで一番有名なスプマンテの歴史を語る時に、彼より有名なのが、カミッロ・ルネッリという人物だ。

トレント・クラッシコとフランチャコルタの違い

フランチャコルタはブレッシャ県とベルガモ県の間に広がるパダナ平野のワイン生産地区。ヴィスコンティ家が領主だった標高200m以上の丘陵地。氷河期の氷堆積の上にあり、アルプスに守られたイゼオ湖の温暖な気候の場所。オリーブも育ちます。

ワインの記事を訳すといつもそのワインを飲みたくなる私は、今回もスプマンテを飲みたくなりました。そして選んだのがフェラーリ。でも、普段は缶チューハイ派の素人が、いきなりメトド・クラッシコのスプマンテを飲んでも、美味しいと感じるわけがありません。超ドライなんです。初めてコーヒーやビールを飲んだ子供が、大人って、どうしてこんな苦いものが好きなの。理解できない、と思うまさに同じことを思っちゃったのでした。

その後で、カミッロ・ルネッリの物語を知りました。そして彼がシャンパンに取りつかれて、フェラーリのスプマンテにどういう貢献をしたかを知りました。この話は次回に続きます。
フェラーリ・トレント

マルケージとトレント

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)のバックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。
(CIR2022年1月号)は現在発売中です。


(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず。最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

0 件のコメント:

パレルモのスファンチョーネは、ナポリのピッツァに匹敵する存在。その語源はラテン語とギリシャ語のスポンジという言葉のミックス。

今日はイタリアのストリートフードの聖地、シチリアのシンボル的名物ストリートフード、 スフィンチョ―ネsfincioneの話。 スフィンチョ―ネ スフィンチョ―ネ・バレルミタノの日本語のリチェッタは、(CIR7月号P.25) パレルモのスフィンチョ―ネの屋台。 スフィンチョ―ネの移...